金沢医科大学 医学部案内2022
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卒業後の道最先端の医療を具現化。臨床に直結する、多種多様な研究課題に取り組む研究成果の実装と研究医の育成に力を注ぐ「良医を育てる」「知識と技術をきわめる」「社会に貢献する」という建学の精神に基づき、研究力強化に向けた支援を惜しみません。恵まれた環境下で、さまざまな研究プロジェクトが卓越した成果を挙げており、それらは社会実装によって多くの患者さんに還元されています。さらに、研究活動から生み出された知的財産等を活かして企業等との連携を進め、さらなる社会貢献を推進します。また、地域とともに歩む研究機関として、「市民公開セミナー」や「研究セミナー」を毎年開催し、最新の治療法や研究に関する情報発信も行っています。医学部では、2021年度より先進医療を推し進める研究医の育成を目的に、入学者選抜における「研究医枠」を設けており、未来につながる人材育成に努めています。医学の進歩を支える研究活動Voice患者さんの声を研究の原動力として、高齢医学の予防・治療に専心高齢医学教授 金沢医科大学病院副院長大黒 正志金沢医科大学病院では、1972年に北陸地方で唯一の高齢医学を専門とする教室を設けました。当時は、今のように高齢者医療の分野がしっかりと確立されておらず、たいへん先見性のある取り組みであったと言えるでしょう。2016年の「75歳以上の高齢者人口あたりの老年病専門医数」の調査では、石川県の老年病専門医の数は全国4位であり、その背景には、これまで行ってきた専門医育成が大きく寄与していると推察されます。高齢者は複数の病気や症状を持っていることや、症状が教科書どおりに現れないことが特徴であり、専門医には幅広い知識と総合的な判断力が求められます。私自身は、大学在学中にこれからは高齢者診療が必ず重要になると考え、卒1993年、兵庫医科大学医学部医学科卒業。大阪大学医学部老年病医学講座研究生・加齢医学医員、米国スタンフォード大学医学部留学などを経て、2003年に金沢医科大学高齢医学科助教に就き、以降、診療、研究、教育の各分野で中心的役割を果たす。2018年より金沢医科大学高齢医学教授、2020年からは金沢医科大学病院副院長、摂食・嚥下センター副センター長を兼任し、現在に至る。いち早く北陸で唯一の高齢者診療専門教室が誕生高齢医学科のメンバーと(中列左から3人目)プロフィール34

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