金沢医科大学 医学部案内2022
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総合医学研究所を核とした研究体制本学の研究の要である総合医学研究所には、独創的な研究を推進する「生命科学研究領域」および「先端医療研究領域」のほか、国の研究助成事業や寄附研究部を含む「プロジェクト研究センター」、研究支援を目的とした「共同利用センター」という4本の柱があり、革新的な医療技術や新たな発見を多方面から支えています。研究は大学病院内だけにとどまらず、行政や他の医療機関と連携した試みにも積極的に取り組んでいます。多くの研究室が集まる基礎研究棟Voice医学部から続く「研究医」への道第1学年 田中 櫻子 (大分県出身)祖父が脳梗塞で亡くなったことをきっかけに将来は研究医になりたいと思うようになり、金沢医科大学に研究医枠の入試があることを知って受験しました。卒業後は大学院に進んで認知症の専門医を養成するコースで学び、認知症と関連のある脳梗塞について研究したいと思います。脳梗塞や認知症については、まだ解明されていないことが多くあります。それらを明らかにするため、世界の医療界の未来を切り開いていける研究医を目指しながら、これからの大学生活でしっかりと学びたいと思っています。業後に大阪大学や米国スタンフォード大学への留学で老齢医学について学び、並行して国際的な研究活動を行ってきました。研究面では、高齢医学の大きな目標は、健康寿命の延伸、寝たきりの防止であり、そのため高齢者救急、高齢者感染症、高齢者高血圧、高齢者の栄養管理、認知症、高齢者の脳血管障害、高齢者の心疾患など幅広い分野にわたり高齢者疾患の研究活動を行い、その成果は臨床の現場にフィードバックすることで患者さんの治療に役立てています。研究と両輪を成す診療面では、当科の外来・入院診療のみならず、当院に救急搬送された高齢者への対応を積極的に行い、地域医療に対する貢献を常に心掛けています。病院2階の認知症センターには、認知症の診断・治療・予防の他にも歩行速度検査や体組成検査、転倒リスクを評価する機器、相談指導室を備え、包括的な診療が可能です。教育面では、2021年度より第6学年の主任として、国家試験対策に全力を挙げて取り組んでいます。また、学部教育、卒後教育においても高齢者の特徴をしっかりと教育し、終末期の倫理的判断や患者・家族の人間関係の理解など、一人でも多くの学生に高齢者診療の重要性を伝えていきたいと思います。私はこれまで、常に臨床の現場で患者さんの声を真摯に受け止め、研究によって一人でも多くの方が健康に毎日を過ごしていただけるように医師・研究者としての道を歩んできました。今後も自らの使命を胸に、常に実地医療と密接に関連した研究を追求していきたいと思っています。時代に、そして地域に求められる高齢医学科として高齢医学における今後の抱負35Kanazawa Medical University School of Medicine

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