金沢医科大学 看護学部案内2021
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難病や事故などによって、人工呼吸器や吸引器などの医療機器を必要とする人が、災害による停電や物資の供給停止で命の危機に直面したり、避難生活で困らないための地域システムの研究をしています。当事者と日頃から支援を担当している看護師などの支援者が、一緒に当事者の情報や必要な支援、バックアップ電源などをタブレット端末に入力し、その情報を安全な回線を通じてサーバーに集約することで地域全体の災害への備えに資するアプリケーションソフトを開発しています。このアプリは2020年度末に商品化の予定です。TOPICS災害時要配慮支援地域貢献・研究活動看護職は「みる」ことが仕事です。病気の人を「診て」治療の手助けをし、その人の生活行動を支援し世話をする、つまり面倒を「看る」。また、息をする、食べる、排泄する、運動する、眠るといった生きていくための基本的な生活行動を支えるためには、その人をよく観察する、つまり「視る」ことが必要です。そして、よく「視る」ためには、生きていくための仕組みを知らなければなりません。私の担当科目では解剖、生理、細胞生物学、生化学それぞれの専門家が連係し、人が生物として生きている仕組みを、分子から身体レベルまで統合的にとらえて理解するための授業をしています。生きている仕組みは驚異的にうまくできており、時に感動すら覚えます。皆さんにもぜひその感動を味わってもらいたいと思います。日常生活行動の仕組みを生物学的視点からとらえる医科学 島田 ひろき 准教授私が担当する基礎看護技術論(フィジカルアセスメント)では、解剖生理学の知識をもとに聴診器で体の音を聞いたり、手で体に触れたりして見えない体の中の状態を知る技術の修得を目指しています。看護は、人が人に対して行うものです。学修したことや熟練した技術を使うのは、看護師です。対象となる患者さんが、その時に最適な状態になるにはどうしたらよいかを考え実践するのも看護師です。常に考えて行動する看護師になってほしいと思っています。あなたの手は、看護をする大切な手になります。看護の知識と技術を学んで、あたたかな思いを込め、患者さんの心に届くケアを一緒にしましょう。あなたのあたたかな心を看護者としての専門的な優しさに医療的ケア児と専門職が一緒にタブレット端末に入力発災時は、迅速な安否確認・救助に貢献 居場所を把握必要な物資を自動計算 期限を管理しつつ使用物資をストック MESSAGES FROM FACULTY教員メッセージ看護学部の教育と学生が身につける力、看護職に求められる素養について、各専門領域の教員に話してもらいました。基礎看護学 松井 希代子 准教授在宅看護学 中井 寿雄 講師18

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