学位
学位論文の投稿について:信頼できる学術雑誌への投稿のために
近年、オープンアクセスジャーナルの増加とともに、論文投稿料の取得を目的とし、適切な査読を行わずに論文などを掲載する悪質な雑誌(いわゆるハゲタカジャーナル※)が増加しています。そのような雑誌に論文を掲載すると、研究者自身、さらには研究機関全体の評価に影響を及ぼす可能性があります。論文の投稿先は、研究指導教員の指導のもと、慎重に選定してください。
ハゲタカジャーナルとは・・・ 購読の有無に関係なく、誰でも論文を利用できる学術雑誌のことをオープンアクセス誌といい、投稿する際は、著者が論文投稿料を支払うことが一般的となっています。オープンアクセス誌にも質の高い学術雑誌は数多く存在しますが、悪質とされるオープンアクセス誌はその仕組みを悪用し、投稿料を取得することのみを目的に創刊されたものを指します。
以下に、研究成果を投稿する学術雑誌の選定の際に参考となるデータベースやWebサイト等の一例を紹介します。
医学雑誌掲載のための学術研究の実施、報告、編集、および出版に関する勧告
世界の主要な医学雑誌の編集者および出版社の集まりであるInternational Committee of Medical Journal Editors(ICMJE: 医学雑誌編集者国際委員会)により、医学研究の透明性、研究倫理を保ちつつ成果発表の品質向上目的として行われた勧告です。
ホワイトリスト
Journal Citation Reports
Clarivate Analytics社が算定している、「Impact Factor※」を参照できます。 この数値は、Web of Science収録論文の被引用数に基づき算出されます。
学術雑誌が自身のWebサイトに独自の「Impact Factor」とされるものを表示しているケースもありますので、注意してください。「Impact Factor」は必ずJournal Citation Reportsを使って確認するようにしてください。
Web of Science
国際的に、あるいは特定の地域や分野において最も影響力の高いジャーナルや学術書、会議録、研究データ等を収録し、引用に基づく公平な指標を学術コミュニティに提供しています。採録にあたり基準が設けられており、その雑誌が一定の評価を得ているという判断材料のひとつになります。
Journal Citation Reportsによる指標の付与やWeb of Scienceへの採録は、創刊後、一定の期間を経過しないと付与、採録されません。創刊後間もない雑誌に投稿する場合に、出版・研究業界の団体等が参加している以下のWebサイトを確認することをお勧めします。
Directory of Open Access Journals(DOAJ)
オープンアクセス形式の査読誌の要覧です。 採録には厳しい審査基準が設けられており、ここに記載されていれば、ある程度信頼できると判断できます。
Open Access Scholary Publisher's Association(OASPA)
オープンアクセス出版社が加盟する協会で、メンバーとなっている出版社はある程度信頼できると判断できます。
投稿先を選定する際のチェック項目を示したもの
Think Check Submit
世界的ないくつかの学術出版関連組織により合同で立ち上げられたサイトです。
投稿先を選定する際に注意すべき内容が確認できます。