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総合医学研究所
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研究室紹介
生命科学研究領域(Department of Life Science)

Department of Life Science(領域長 石垣 靖人)

 細胞機能研究分野
(大学院 分子腫瘍学)
Division of Cell and Tissue Biology
分野責任者 石垣 靖人

 本研究分野の研究は大きく分けて2つの領域にまたがっている。一つは遺伝子の発現と維持にかかわる分子機構と、その破たんによる疾患解明であり、特にRNA分子に結合して様々な代謝経路に働く因子について、実験動物、培養細胞あるいは複合体の局在解析から遺伝情報の発現あるいは維持にかかわる分子機構の解明を目指している。電子顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡、リアルタイム顕微鏡観察などの形態学的解析とともに、in silico解析による新規知見の開拓、網羅的な遺伝子発現解析やタンパク質間の相互作用の解析を組み合わせて研究を進めている。もう一つは脂肪組織由来幹細胞を用いた新規治療法の開発である。これは本学の細胞治療プロジェクトの流れをくむ研究であり、細胞バンクを基盤として上記の技術を活かし臨床応用へ向けた研究を進めている。本研究分野は、臨床を含めた学内外あるいは企業からの研究者や大学院生を受け入れており、医工連携や産学連携の枠組みの中で研究を進めている点に特色がある。

 細胞医学研究分野
(大学院 細胞生物学)
Division of Cell Medicine
分野責任者 岩脇 隆夫

 ストレスというと多くの人は心的なものを連想しがちであるが、生物の体を構成する細胞もまた内的および外的要因から発生する様々なストレスに曝されている。例えば、紫外線や栄養飢餓、高温および低温環境などに加え、低酸素環境や活性酸素、タンパク質の構造異常も細胞にとってはストレスになる。私たちの研究室では、そのような細胞が感じるストレスの実態やそれに対する防御反応を分子・細胞・動物個体のレベルで解き明かすことを目標にしている。特に現在では基礎生物学的な側面だけでなく医学的な側面からも細胞ストレス研究を重要なテーマと考えていて、種々の生活習慣病や炎症、老化、ガン、神経変性疾患、異常行動と細胞ストレスとの関係に興味を持っている。一方、それら細胞ストレスの生体イメージングにも取り組んでおり、生命科学研究に有用なモデル動物の開発にも力を注いでいる。

 ゲノム損傷応答研究分野
Division of Genome Damage Response Research
分野責任者 岩淵 邦芳

 細胞内外は脂質二重膜によって分け隔てられており、細胞は外部からの刺激を受容体などを介して受けることで、増殖、分化、細胞死、炎症などの生理機能を発揮している。この脂質二重膜の主要構成脂質であるセラミドやスフィンゴミエリンをはじめとするスフィンゴ脂質は、細胞外刺激に対する受容体の足場としてその応答を制御しているだけでなく、細胞内で生理活性を持っており、スフィンゴミエリンから加水分解を受けて合成されるセラミドが細胞死を誘導することが広く知られている。本研究分野では、スフィンゴミエリンやセラミドが関わる細胞生理機能の中で、増殖、接着、遊走、細胞死、オートファジーなどに着目し、その分子メカニズムを細胞レベルおよび個体レベルで解明し、スフィンゴ脂質とその合成経路を標的とする創薬や臨床応用へつながる研究を目指している。

 遺伝子機能研究分野
Division of Molecular
and Cellular Biology
分野責任者 長内 和弘

 それぞれの臓器に分化した細胞は機能特異的なリソゾーム関連オルガネラを発達させる。例えばメラノサイトではメラノソーム、血小板では濃染顆粒、肺胞上皮細胞では層状封入体などである。これらの細胞内構造物の形成には多くの輸送タンパク質が関わるが、細胞内輸送は約60種類のRabタンパク質によって精緻にコントロールされている。これらの一つの遺伝子でも異常があると多臓器にわたる病気を引き起こす。本研究分野では特定の遺伝子異常とその発現タンパク質の細胞内での機能異常を遺伝子、タンパク質、細胞、個体レベルで解明し、遺伝子導入方法で改善することをめざしている。
 また、統合失調症、不安症、双極性障害、うつ病、自閉スペクトラム症など多くの精神疾患は、家族集積性を認め、遺伝率40-85%の多因子遺伝を示す。人口の約1-20%が罹患し、臨床的・遺伝的に異種性を示す。これら“こころ”の病気の原因は、脳機能異常の関与が分かっているが、どの遺伝子が、どのように脳の機能異常を引き起こし各精神疾患の病態に関わっているかは不明である。本研究分野では、遺伝子解析研究と脳機能や認知機能研究を融合したImaging GeneticsやCognitive Geneticsを展開しており、それぞれの精神疾患の病態解明だけでなく新たな診断方法や治療方法の開発も目指している。

 蛋白質制御研究分野
Division of Protein Regulation Research
分野責任者 田崎 隆史

 細胞内タンパク質は、遺伝子レベルにおいてその発現が調節されるだけでなく、翻訳後修飾によっても制御されている。ユビキチンによる翻訳後修飾は、タンパク質分解経路のみならず、細胞内分子シグナルとして、細胞分裂、免疫、発生、遺伝子転写、DNA修復、癌など生体内機能のほぼ全ての経路に関与している。中でもN-end rule経路に注目し、ウイルス学、生化学、分子生物学的手法を中心に、タンパク質分子、培養細胞、日本脳炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、遺伝子改変マウスを使って、生理機能とその分子機構の研究を行っている。また、もう一つの重要な蛋白質分解系であるオートファジーが、N-end rule経路と密接な関係にあり、その分子経路の解明を進めている。

先端医療研究領域(Department of Advanced Medicine)

Department of Advanced Medicine(領域長 新井田 要)

 アンチエイジング
研究分野
Division of Aging Research
分野責任者 島崎 猛夫

 本分野では、加齢と関連している「がん」・「老化」に対する機序の解明や診断・治療・応用方法の開発を通して、病的老化・がんの克服や再生医療への先端的医療展開を目指している。これまでに、幹細胞や初期化に関するメカニズム、がんの薬剤耐性メカニズムに関する研究を行っている。さらに、これらに共通の機序としての細胞間相互作用、特にエクソソームを介した機序に着目して、新しい研究ツールを開発し、解析に応用している。又、研究成果の医療産業への応用を視野にいれて、各種特許を出願しながら研究を行っている。

 糖化制御研究分野 
(大学院 生体分子解析学)
Division of AGEs Research
分野責任者 竹内 正義

 私達は、体内で生成される終末糖化産物(advanced glycation end-products, AGEs)、中でも糖代謝中間体のglyceraldehydeに由来するGlycer-AGEs(toxic AGEs, TAGEと命名)が、糖尿病血管合併症の発症・進展に強く関わっていることを世界に先駆けて明らかにしてきた。最近では、心血管病、NASH、アルツハイマー病、がん、不妊症等の多様な疾患にも関与することが示されており、TAGEの影響を抑えることが生活習慣病の発症・進展の予防および治療戦略上、必要なことが分かってきた(金医大誌 2012; 37: 141)。また、現代の食習慣の特徴が、体内でのTAGEの生成/蓄積を促進し、生活習慣病の発症・進展に強く関与することから、TAGEの生成/蓄積を防ぐことは生活習慣病予防対策の新たな概念を提示するものと思われる(金医大誌 2015; 40: 95)。さらに、血中TAGE量の増加は糖尿病/非糖尿病問わず、生活習慣病の発症・進展の危険因子であることが明らかになっている。実際、血中TAGE量の変動が、生活習慣病の予防/早期診断/治療の有効性を評価する有用なバイオマーカーとしての可能性を秘めていることが示されている(Diagnostics 2016, 6:E23)。
 本分野では、「生活習慣病の発症・進展における新規ターゲット分子“TAGE”の関与とその阻止」に関する研究を実施している(http://mri-ages.kanazawa-med.labos.ac/one/)。

 ゲノム疾患研究分野
(大学院 先進医療学)
Division of Genomic Medicine
分野責任者 新井田 要

 本分野では、先天性疾患、遺伝性疾患に対する包括的なゲノム解析(染色体分析、FISH法、DNAマイクロアレイ、遺伝子解析)を行っている。遺伝性疾患は、人体における遺伝子の機能を最も端的に表しており、類似した疾患は類似した機能を持つ遺伝子の変異によって生じる等、人間のゲノム構造を解く鍵である。また、この解析技術は実施医療にも応用されており、金沢医科大学病院集学的医療部遺伝子医療センターを受診された患者さんに対して、遺伝学的診察と遺伝カウンセリングを行い、必要に応じた遺伝学的検査をオンデマンドで提供している。

 腫瘍制御研究分野
Division of
Cancer Therapeutics
分野責任者 元雄 良治

 抗がん剤や分子標的薬などの癌細胞への影響を分子レベルで解析し、抗腫瘍活性の増強・薬剤耐性機序の解明と臨床応用をめざす。また既存の治療薬以外に、基礎研究によって発見された新規腫瘍制御分子を診断や治療に応用できるように、臨床検体を用いた橋渡し研究を行う。

 ヒト幹細胞制御研究分野
Division of Stem Cell Research
分野責任者 下平 滋隆

 iPS 細胞の発見により急速に発展している幹細胞技術を駆使したヒト細胞による先端医学研究の推進を目指して、2019年2月に発足した新しい分野です。マウス等を使って得られる知見をヒトに対する医薬へ応用しようとしても多くが治験段階でドロップすることが見受けられる事実から明らかなように、医療応用はヒト由来の材料を用いた基盤研究が必須です。本研究分野では、scientificevidence に基づいたヒト幹細胞による医療に資する研究を目指しています。

プロジェクト研究センター(Project Research Center)

Project Research Center(センター長 米倉 秀人)

 戦略的研究部
Division of Innovative Research

 私立大学における学術研究基盤の強化を図るために、文部科学省が公募した支援事業のハイテクリサーチセンター事業に本学も応募して、平成9年、11年、14年、19年の4期にわたり、各5年計画の合計12プロジェクトが選定され多くの本学の研究者が参加した。その後、戦略的研究支援事業と名称が変更され、平成 21 年には本学でも 2 プロジェクトが採択された。合計 13 のプロジェクトでは研究費の支援のほかに、大型の研究機器・施設の整備が補助されている。これらの最新の機器・施設は現在、総合医学研究所の下におかれ、プロジェクト研究の終了後も全学の研究者の共同研究に供されるように管理運営されている。

 環境原性視覚病態研究部
Division of Vision Research
for Environmental Health
部責任者 佐々木 洋

 本研究部門では環境の眼疾患発症への影響についての研究を行っている。現在は電磁波、紫外線に関する研究が進行中である。電磁波については日常の生活環境の中で用いられる異なる波長の電波ばく露による眼部組織傷害を、生体動物眼を用いて検討している。平成28年度からは超高周波電波の眼部ばく露への影響のしきい値を明らかにし、ミリ波帯電波の利用において考慮すべきばく露ガイドラインの根拠を具体的、定量的に明らかにする事を目標とした研究を行っている。紫外線については、マネキン型紫外線センサーを用いた眼部紫外線ばく露の測定やサングラス・眼鏡などの有効性評価、気象条件の異なる国内外の地域での眼疫学調査を行い眼部紫外線被曝と白内障、翼状片、瞼裂斑の関連、小児期被曝の影響について研究を進めいている。
 平成25年度からは東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者の放射線被曝量と水晶体混濁発症に関する調査を開始し、現在は全国約2万人を対象とした調査の準備を行っている。

 先制分子食料科学研究部
Division of Anticipatory
Molecular Food Science and Technology
部責任者 古家 大祐

 本研究部門では、糖尿病合併症、特に腎症の発症・進展機序の解明と新たな治療法の開発を目指している。主な基礎研究テーマとして、糖尿病による腎線維化機序とDPP4阻害薬あるいは内因性抗線維化ペプチドAcSDKPの有効性に関する研究、またカロリー制限およびたんぱく質制限のオートファジーの活性化、ミトコンドリアの恒常性の維持を介した腎保護効果に関する研究に取り組んでいる。

 天然変性蛋白質創薬科学研究部
Division of Systems Bioscience for Drug Discovery Based on Intrinsically Disordered Proteins
部責任者 友杉 直久

 天然変性蛋白質は、単独で存在しているときには一定の構造をとらずに細胞質で揺らいでいる。しかし、ひとたび標的分子を認識して結合すると、特定の立体構造をとり機能を発揮する。我々は、細胞分裂周期の中で、異なる時相で数種類の作用を有している複合体の存在を明らかにし、その構成分子の一つが天然変性蛋白質であり、その発現を抑制するとapoptosisが誘導され、抗がん作用を発揮することを報告してきた。
 天然変性蛋白質の特異な蛋白質相互作用を抑制する化合物は、これまで開発が困難とされ未だ医薬品化には至っていないが、天然変性蛋白質創薬科学研究部では、上記天然変性蛋白質を標的とした創薬アプローチとして、helix-loop- helix peptide設計法、および蛋白質立体構造情報に基づく薬剤設計法(Structure Based Drug Design)などを駆使して抗がん薬創薬を目指している。
 その他、腸内細菌叢、加齢に伴う動脈硬化、鉄代謝などを対象とした創薬研究も手掛けている。

産婦人科微生物・がん免疫研究部
Division of Gynecology and Obstetrics Research in Microbiology and Cancer Immunology
部責任者 笹川 寿之

 

共同利用センター(Core Facility Center)

共同利用センター

Research Support Center(センター長 石垣 靖人)

動物管理室 (Office for Animal Resources)、放射線安全管理室 (Radiation Safety Office)、機器管理室 (Office for Research Equipment and Resources)、病理組織室 (Histology Laboratory)、臨床研究支援室(Clinical Research Support Office)の5管理室で構成されている。本センターでは研究所の一つの使命である研究支援の目的で、学内研究者の研究を側面からサポートしている。動物飼育施設は5カ所あり、小・中動物・遺伝子改変動物等を飼育している。RI実験施設は2カ所に設置されている。機器管理室では学内設置の遺伝子解析関連機器、細胞解析関連機器、メタボローム解析機器、電子顕微鏡等、100台以上の共同利用研究機器を管理・運用している。病理組織室では、学内各教室から要望のある組織標本作製を行っている。臨床研究支援室では、臨床研究の支援 を目的とし、各種申請、統計解析支援、英語論文作成依頼などの業務を行っている。

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