【概要】
平成9年にリハビリテーション科が新設されて以来、平成16年にはリバビリテーションセンターの理学療法士は 4名から16名に、作業療法士は3名から6名に、言語聴覚士は1名から3名に増え、リハビリテーション科所属医 師は常勤2名、非常勤講師2名、登録医3名になった。それに伴って、リハビリテーション医療の年間新処方件数も 平成10年の992件から平成16年の1387件に増えた。整形外科疾患が660件と半数近くを占めるが、脳血管障害も、 283件を数える。その他、神経・筋疾患、小児運動発達障害、呼吸器疾患、循環器疾患、悪性腫瘍、言語障害・嚥下 障害、廃用症候群など身体障害のほぼ全種類を対象としている(表)。最近では心疾患リハビリテーションと摂食嚥 下障害の患者が増えている。年間リハビリテーション医療新処方件数の推移(H10〜H16)
H 10 | H 11 | H 12 | H 13 | H 14 | H 15 | H 16 | |
脳血管障害等 | 143 | 172 | 213 | 182 | 192 | 236 | 283 |
骨・関節疾患 | 643 | 729 | 731 | 741 | 615 | 646 | 660 |
神経・筋疾患 | 55 | 49 | 64 | 53 | 153 | 75 | 30 |
小児運動発達障害 | 6 | 21 | 8 | 7 | 6 | 12 | 45 |
呼吸器疾患 | 7 | 18 | 19 | 16 | 17 | 40 | 36 |
循環器疾患 | 10 | 16 | 13 | 14 | 14 | 29 | 70 |
悪性腫瘍 | 28 | 66 | 99 | 83 | |||
言語障害・嚥下障害 | 6 | 6 | 98 | ||||
廃用症候群 | 64 | 62 | 18 | ||||
その他 | 114 | 102 | 120 | 140 | 90 | 91 | 64 |
年間新処方総件数 | 992 | 1105 | 1168 | 1181 | 1223 | 1296 | 1387 |
【当院の特徴】
本大学病院におけるリハビリテーション医療の特徴は、大学病院であるにもかかわらず、急性発症の脳血管障害、 骨折、熱傷、手の損傷、頭部外傷などの外傷が多いことであり、急性期、早期からのリハビリテーション医療が介 入している。また整形外科では股関節外科の症例が多く、術前からのクリニカルパスに参入している。一方、嚥下 造影と鼻咽喉内視鏡検査を基にして、摂食嚥下治療を体系的に行っている。
【将来構想】
平成17年4月から、21世紀集学的医療センター(1.集学的癌治療センター、2.生活習慣病センター、3. 健康管理センター、4.リハビリテーションセンター、5.小児遺伝疾患センター、6.セカンドオピニオンセン ター)が設置され、リハビリテーションセンターがその一つに位置付けられた。集学的という形容のとおり、各部 門、各専門職の協力のもとに、患者中心のサービスを提供するセンターとして発展する方向が示された。近々心疾 患リハビリテーション施設基準を届け出る計画がある。
【回復期リハビリテーション病棟】
平成15年5月から回復期リハビリテーション病棟40床が開設され、患者さんの在宅復帰の要望にも応えるこ とができるようになった。脳血管障害、脊髄障害、大腿骨頚部骨折、股関節外科術後、廃用症候群などのリハビリ テーション医療を急性期から回復期に渡って継続でき、臨床研修、卒前教育、臨床研究などの場としても大学病院 における役割を果たしている。
【リハビリテーション科所属医師】
氏名 | かな氏名 | 役職 | 卒業年 | |
山口 昌夫 | やまぐち まさお | 教授 | 昭和43年卒 | 日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医 |
坪川 操 | つぼかわ みさお | 助手 | 昭和62年卒 | |
河崎 寛孝 | かわさき ひろたか | 非常勤講師 | 昭和59年卒 | 金沢脳神経外科病院リハビリテーション科医長 |
白石 尚基 | しらいし なおき | 非常勤講師 | 平成元年卒 | 杏林大学医学部解剖学教室講師 |
大酢 和喜夫 | おおす わきお | 登録医 | 昭和54年卒 | 金沢赤十字病院リハビリテーション科医長 |
佐原 まゆみ | さはら まゆみ | 登録医 | 平成元年卒 | 佐原病院副院長 |
大西 仙泰 | おおにし のりやす | 登録医 | 昭和57年卒 | いま泉病院院長 |
【研究】 大学院 運動機能病態学(リハビリテーション科)
1.筋電図学的研究
a.歩行周期と下肢筋の筋電図周波数的特性
b.筋電図周波数と下肢筋力の関係
2.変形性股関節症術後患者の教育的アプローチ
3.変形性股関節症の重心動揺
4.大腿骨頚部骨折のリハビリテーション
【連絡先】
詳細についてお知りになりたい方は以下のメールアドレスに連絡してください。
「山口 昌夫」 ms-yamch@kanazawa-med.ac.jp