金沢医科大学病院リハビリテーション科後期研修プログラム

1.プログラムの目的と特徴

 目的 : リハビリテーション科専門医に相応しい知識、技能を修得する

 特徴 : 1 リハビリテーションの理念(障害者の社会的統合)に則って診療できる医師を目指す。
      2 連携とチームワークによる、患者中心の医療を行う医師を目指す。
      3 全てのリハビリテーション医療対象症例を研修できる。成人・小児の運動器系・神経系
        障害以外に、熱傷、心臓疾患、呼吸器疾患、嚥下障害などのリハビリテーション医療を
        行っている。
      4 回復期リハビリテーション病棟(40床)があり、急性期リハビリテーション医療から回復
        期リハビリテーション医療まで連続して診療できる。



2.プログラム指導者と参加施設の概要

 1)プログラム指導者  リハビリテーション科科長 山口 昌夫 教授

  2)基幹施設
   リハビリテーション科
   リハビリテーションセンター
   回復期リハビリテーション病棟

  3)プログラムに参加する教育関連施設(指導医リスト)
   石川県リハビリテーションセンター
    岸谷 都(日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医)


3.定員

   2名


4.教育課程

 1)期間割(後期臨床研修開始後)

   第1年次
    一般的なリハビリテーション医療対象患者の診療を修得する

   第2年次
    第1年次の研修を続ける
    特殊な障害のリハビリテーション診療とスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、
    義肢装具士、リハビリテーション看護師、医療ソーシャルワーカーなど)の管理・指導能力
    を修得する。
    臨床研究を行う

   第3年次
    第1年次、第2年次の研修を続ける
    障害者の社会参加へのアプローチを修得する。
    各科との連携に習熟する。
    臨床研究発表をする。

 2)研修内容と到達目標(後期臨床研修開始後)

   第1年次
    1.リハビリテーション科指導医による運動学の講義
    2.リハビリテーション科主要疾患の理解とその診断、治療手技の取得
    <具体的には以下の到達目標>
    ・障害の評価と各種検査(電気生理学的検査、運動負荷試験、嚥下造影と内視鏡検査)
     ができる
    ・理学療法、作業療法、言語療法、嚥下療法、義肢装具療法の処方ができる
    ・治療の効果判定と治療方針(プログラム)の修正を行い、それを指示できる

   第2年次
    1.リハビリテーション科指導医によるカンファランスの実践指導
    2.リハビリテーション科指導医による高度な検査と治療法の講義
    3.臨床研究発表の指導
    <具体的には以下の到達目標>
    ・高次脳機能障害の評価・測定と治療方針を立てることができる
    ・筋電図診断ができる
    ・義肢の処方ができる
    ・カンファランスの司会ができる
    ・スタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、リハビリテーション看
     護師、医療ソーシャルワーカーなど)を管理・指導できる
    ・専門医認定試験の受験資格に必要な研究発表ができる

   第3年次
    1.リハビリテーション科指導医による地域リハビリテーションに関する講義
    2.リハビリテーション科指導医による介護保険制度に関する講義
    <具体的には以下の到達目標>
    ・就学・就業の支援ができる
    ・地域リハビリテーションへの引継ぎができる

 3)教育に関する行事

    初期・中間・退院時カンファランス
    症例検討会(リハビリテーション科医、非常勤講師、登録医)
    英文抄読会(リハビリテーション科医、非常勤講師、登録医)
    研修会(リハビリテーションセンターのスタッフと共同)

 4)指導体制

    山口昌夫教授(日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医)
    坪川  操助手(日本リハビリテーション医学会)



5.プログラム修了後のコース

    日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医の受験資格を得る
    当大学の助手に就職
    各病院のリハビリテーション科専門医として就職
     特に回復期リハビリテーション病棟には専従医が必要
    施設(介護保険制度などの)に就職
    各県、市町村のリハビリテーションセンターに就職



6.取得できる認定医、専門医

     日本リハビリテーション医学会の専門医認定試験を受けるには、卒後5年間の研修が必要
    である。卒後臨床研修の2年間はその中に含まれており、それに加えて学会認定の研修施設
    で3年間の研修が必要となる。金沢医科大学病院は日本リハビリテーション医学会認定研修
    施設であり、当リハビリテーション科で3年間の後期臨床研修を終えれば、専門医認定試験の
    受験資格が得られる。



7.大学院進学と研究内容

    大学院運動機能病態学に入学の上、運動学、電位生理学分野の研究指導を行う。
    学位取得後講師への道がある。


8.他科研修、他教室での研究、留学の可能性

     リハビリテーション医療は総合的医療の性格をもち、リハビリテーションセンターは集学的医療
    センターの一つとして展開するので、関連各科との連携が密である。
     したがって、関連診療科への研修、共同研究、国内留学、海外留学を積極的に推進する。



9.週間スケジュール

  午前 午後 午後5時以降
前週の新患症例検討会 検査、各病棟往診
スタッフとの調整
 
外来
(各科からの紹介新患、再診)
同左
装具外来
リハビリテーション医学科
カンファランス
スタッフ研修会
リハビリテーションセンター運営会議
(第1火曜)
検査、各病棟往診
スタッフとの調整
同左
回復期リハビリテーション
病棟カンファランス
 
外来
(各科からの初回新患、再診)
同左
検査(嚥下障害)
嚥下造影検査症例検討会
検査、各病棟往診
スタッフとの調整
装具外来
回復期リハビリテーション
病棟回診
回復期リハビリテーション
病棟カンファランス
英文抄読会
症例検討会(第3金曜)
外来
(各科からの紹介新患、再診)