一般・消化器外科学は、初代教授 小坂 進先生、2代目教授 木南義男先生、3代目教授で本学理事長の ��島茂樹 先生、4代目教授の 小坂健夫 先生に続き、私で5代目となります。本学は金沢市近郊の内灘町に位置し、石川県の名峰白山から北アルプスの立山連峰までが一望でき、対面には能登半島へと続く海岸線と日本海の大海原が広がり、来院された誰もが 360°の大パノラマに魅了される好立地にあります。2019年に本学に着任した際には、理事長を中心とした科の垣根のない one team な雰囲気とスタッフのフットワークの軽さ、臨床能力に長けた精鋭ぞろいの指導医陣、北陸で唯一の形成外科教室の存在などが頼もしく感じられ、自らが担える医療の新たな可能性の広がりを確信しました。

当科は乳腺外科診療も担っておりましたが、現在は、井口雅史 臨床准教授と 野口美樹講師を中心に乳腺外科が診療科として独立し、主に消化器・肛門疾患とヘルニアの外科治療を担っております。当初、スタッフの多くが金沢大学外科同門会出身者で占められておりましたが、今では本学出身者や他大学医局出身者が診療の屋台骨を支えるまでに成長し、出身大学や出身医局に関係なく、それぞれの能力や希望に応じたキャリア形成を進めております。今後は、教室員数の増加に取り組むとともに、金沢大学外科学教室や福井大学外科学教室とも連携して良医育成のためのオール北陸体制の構築も進めてまいります。この他にも、本学呼吸器外科の浦本教授や小児外科の岡島教授の尽力により、関東や関西の複数のハイボリュームセンターでの外科研修が可能となりました。

私自身、金沢大学旧第二外科に入局し、（故）宮崎逸夫 先生、三輪晃一 先生、藤田秀春 先生、太田哲生 先生、清水康一 先生、谷　卓 先生などの多くの諸先輩方から厳しく指導を受けて外科医として大きく成長させていただき、この北陸の地で肝移植や腹腔鏡下肝胆膵手術を含めた高度な肝胆膵移植医療を担うとともに、後人の育成も担わせていただきました。本学でも、若手外科医が消化器系学会の専門医や指導医取得はもちろんのこと、内視鏡外科学会の技術認定医取得やロボット支援下手術の習得、肝胆膵外科学会の高度技能専門医などを取得できるよう、育成に粉骨砕身で取り組む所存です。また、本学には再生医療センターやゲノム医療センター、総合医学研究所など、トランスレーショナルリサーチの各分野の精鋭がそろっておりますので、教室員がこれらのセンターでの研究を通して博士号を取得するのみならず海外への留学や、真の Academic Surgeon へと成長できるように支援を惜しまない所存です。

切除不能と診断された消化器がんや悪性軟部腫瘍の患者様がおられましたら、是非一度当科へご紹介もしくはセカンドオピニオンのかたちでお越しいただければ幸甚です。また、一般・消化器外科ないしは乳腺・内分泌外科での外科専門研修や入局を希望される医学生や研修医がおられましたら、一度見学にお越しいただければ幸いです。本 WEB サイトにアクセスしていただいた皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。  　                                                                    （2020年4月吉日）