『リンパ腫コントロール・チーム:Lymphoma Control Team (LCT)』

TOPIC!: LCTの活動が、北國がん基金の啓蒙活動として助成を受ける事が決まりました。
皆様の御協力のおかげです。今後とも宜しくお願い申し上げます。


悪性リンパ腫の診断と治療を診療科の壁を越えて協力し合うための『リンパ腫コントロール・チーム:Lymphoma Control Team(LCT)』を設立いたしました。

1.目的:悪性リンパ腫の早期診断および早期治療による治療成績の向上
 悪性リンパ腫の約4割はリンパ節以外の全身の諸臓器より発生するため、全ての診療科においてリンパ腫に遭遇する可能性があります。また、悪性リンパ腫は不明熱や多臓器不全などの原因疾患としても重要な疾患でもあります。しかし、病型(組織型)や病期、発生部位などが個々により異なり、そのために早期診断や適切な治療が時に困難な場合があります。一方で、適切な治療により寛解のみならず治癒も期待出来る疾患群でもあります。
 近年はインターネットの普及により、患者様自身が予め治療方針に関するエビデンスの正確な情報を持って受診される事も稀ではありません。適切な診断および治療が行われない場合には、医療訴訟に発展する可能性もあります。
 その一方で、医療側としては各科領域の医療理論/技術の進歩が著しく早いため、全ての診療科において本疾患の最新の知見をアップデートし続ける事は至難の技であります。
 そこで、診療科の壁を越えて、悪性リンパ腫の早期診断および最善の治療を協力し合う「リンパ腫コントロール・チーム:Lymphoma Control Team (LCT)」を設立いたしました。

2.活動内容
1)悪性リンパ腫専門外来(LCT外来)を設置。
2)各科で悪性リンパ腫もしくは悪性リンパ腫疑いと診断される症例を系統的にリストアップし、早期診断/早期評価/早期治療方針決定のための協力体制を確立する。
 a)各科の表在リンパ節腫大症例はLCTに紹介いただく。LCTより各外科へ生検依頼し、診断に必要な表面マーカー解析や染色体/遺伝子解析等をもれなく行なう。
 b)病理にてゲフリールなどで悪性リンパ腫疑い例が認められた際はLCTに連絡していただく。診断に必要な表面マーカー解析や染色体/遺伝子解析等をもれなく行なう。
 c)各科に受診した不明熱症例(腫瘤がなくとも血管内リンパ腫:IVLの疑いあり)を早めにLCTに紹介していただき検討する。
3)診断困難例においては各科の垣根を越えたカンファレンスを開催。
カンファレンスは、金沢医科大学病院がん診療連携拠点病院研修会の一環として開催し、学内のみならず北陸地区の各施設に案内し、北陸地区全体の悪性リンパ腫診療のレベルアップを図る。

3.構成
全科による合同事業とし、各診療科/各部門にLCT担当医/担当者を選定。

4.活動実績
第1回LCT検討会
2005年2月1日(火)
 LCT設立概念の説明を行いました。
 一般消化器外科、耳鼻咽喉科、血液リウマチ膠原病科より症例呈示と検討
 参加者66名(11科の医師および看護師、薬剤師、学生)

第2回LCT検討会
2006年2月8日(水)
 皮膚科、一般消化器外科、血液リウマチ膠原病科より症例呈示。
 IVL治療プロトコールの提案
 参加者61名

第3回LCT検討会
2007年2月21日(水)
1、上肢の脱力/疼痛にて発症した頸髄神経根原発リンパ腫 三木美由貴
2、リンパ腫に関する最近の話題〜IVLを中心に 正木康史
3、AIDS関連悪性リンパ腫 高橋 孝
参加者59名

第4回LCT検討会(第2回がん診療連携拠点病院研修会として開催)
2008年7月3日(木)
1、縦隔原発未分化大細胞リンパ腫の小児例 
  岡田直樹(小児科)
2、ぶどう膜炎にて再発したBリンパ腫症例 
  長田ひろみ、永井康太、佐々木洋(眼科)
  中島章夫(血液リウマチ膠原病科)
3、皮膚潰瘍・壊死病変が多発した皮膚原発リンパ腫の1例
  竹田公信、牛上敢、南部昌之、藤井俊樹、田邉洋、望月隆(皮膚科)
  濱田和、三木美由貴(血液リウマチ膠原病科)
4、中枢神経悪性リンパ腫に対するMTX大量療法を含む多剤併用化学療法
  三木美由貴(血液リウマチ膠原病科)
5、IVLBCL(血管内大細胞Bリンパ腫)における最近の話題
  〜改善した予後、残る問題点〜
  正木康史(血液リウマチ膠原病科)
参加者89名

5. 今後の予定
各科より症例に関する相談があった場合には、適時LCT担当者会議を招集し検討する。
             
血液リウマチ膠原病科
教授      梅原 久範
LCT担当医  正木 康史