お知らせ

金沢医科大学 教えて!ドクター 第12回

 

気軽に足運べる大学病院に

 

常に患者さん目線で

  

~総合医から専門医への橋渡し~

 

総合診療センター


sougo.gif

患者さん本位の医療サービスを提供する総合診療センターの役割や、他の病院にはないメリットについて話し合う(写真左より)赤澤、小林、山川の各医師

  

 金沢医科大学病院に昨年4月、発足した総合診療センター。今や国民病とも言えるメタボリックシンドローム治療の最前線に立つ「生活習慣病外来」、東洋医学から病気にアプローチする「漢方外来」、性差を尊重した医療の窓口となる「女性総合医療外来」が連携し、患者さんの立場にたち親身な医療サービスを提供しています。


オーダーメード医療でメタボを解消


kobayashi.gif

生活習慣病外来

小林 淳二(こばやし じゅんじ)    

総合診療センター センター長
金沢医科大学総合内科学教授

 

メタボリックシンドロームは、不規則な食事や運動不足が内臓脂肪を蓄積させ、肥満症や糖尿病、高血圧、高脂血症の温床となる怖い病気です。2008(平成20)年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上の男性の25・3%、女性の10・6%が該当者、同じく男性の21・9%、女性の8・3%が予備群と推定されます。40~74歳の中高年で見ると、男性の27・0%、女性の11・9%が該当者、同じく男性の24・5%、女性の8・1%が予備群と、比率が上昇します。

治療せずに放置すると、心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患の発症リスクが高まります。また、腎臓病や肝臓病(脂肪肝)、歩行障害などの原因にもなります。それだけに、早期に発見して早期に治療を行うことが最も重要です。

 

患者さんと二人三脚で

生活習慣病外来では、一人ひとりに最適なオーダーメード医療を提供しています。通常は、体重と身長で測るBMI(肥満指数)を参考に治療計画を立てますが、当センターでは「in body計測器」(骨量・体脂肪率・筋肉量)と、被曝せず測定できる内臓脂肪測定器を導入し、患者さん個々の詳細なデータに基づいて行います。

治療は、一般に薬物療法と食事療法、運動療法を組み合わせています。これには、医師と専門看護師、運動療法士、管理栄養士、禁煙指導医などが加わります。多職種の専門家によるチーム医療を推進することで、より高い治療効果が得られるからです。

そして、患者さん個々に生活改善プログラムを作成し、患者さんとセンターのスタッフが二人三脚で治療を進める点に特徴があります。治療開始後は1カ月に1回のペースで通院していただき、血液検査や運動相談、栄養相談を受けながら、目標値に向かって改善しているかどうか経過観察と評価をします。

コミュニケーションを密にすることで信頼関係ができ、患者さんに「病気を治そう」という前向きな気持ちが生まれます。

 

糖尿病の発症に注意を

08年4月から40~74歳を対象にした「特定健診・保健指導制度」がスタートし、メタボリックシンドロームに対する国民の意識も以前より高くなっていると実感します。同時に、生活習慣病外来を訪れる患者さんの高齢化が進んでいます。

そんな高齢者が気をつけなければならないのが糖尿病の発症です。家に閉じこもりがちな高齢者ほど筋肉量が減少して、血糖値が上がり気味だからです。また、筋肉量の減少はいわゆるロコモティブ・シンドローム(※)の原因にもなります。センターでは、筋肉量を回復し維持するために欠かせない運動の指導に力を入れています。

定期健康診断などでメタボリックシンドロームと判定されたら、速やかに専門医に相談し、治療を始めていただきたいと思います。私たちは患者さんと同じ目線で向き合い、つらいことや困ったことなどに耳を傾け、患者さんにとって最良の治療ができるようベストを尽くします。


 “不定愁訴”の改善に漢方薬が効果

 

yamakawa.gif

漢方外来

山川 淳一(やまかわ じゅんいち)    

総合診療センター副センター長
金沢医科大学総合内科学講師

 

漢方外来の患者さんの約80%は女性で、その多くは「西洋医学で治療したけれど効果が見えない」「健康診断で異常がないと言われたが、体の調子が悪い」などと訴えて来られます。中には、受診した病院や医院で病気として扱ってもらえず、「精神科へ行ったほうがよい」と勧められ、ショックを受けて来られる方も少なくありません。まずはじっくりと話を聞き、痛みや苦しみの背景までしっかり把握することが治療のスタートラインとなります。

近年増えているのが、原因となる病気の見つからない状態を指す“不定愁訴”です。自覚症状は動悸や目まい、耳鳴り、頭痛、微熱、不安感、イライラ、無気力など、人によってさまざま。西洋医学では治療されないことも多いのですが、漢方薬を処方することで症状が改善することが珍しくありません。

 

避けたい自己判断の服用

近年、漢方治療に対する関心が高まっていますが、誤解や偏見もしばしば見受けられます。例えば、「漢方薬には副作用がない」「漢方薬は薬効が表れるまで時間がかかる」などです。

漢方治療は一人ひとりの個人差を重視し、体質や病気の状態を見極めながら、最適な漢方薬を使い分けていきます。「薬は毒であり、偏ったもの」との考えを基本に、有効な作用だけでなく有害な作用にも絶えず気を配って処方を決定するのです。また、漢方薬を2週間ほど服用しても効果がなければ、その薬が合っていない証拠であり、「漢方は遅効性」というのも誤りです。

ですから、自分の判断で市販の漢方薬を服用するのは、リスクがあると言えます。やはり、漢方の専門医に相談して処方してもらうのが安全であり、確実です。

もちろん、漢方は万能ではありません。手術を要するケースなど西洋医学の治療が適している病気もたくさんあります。金沢医科大学病院の強みは、西洋医学と東洋医学をうまく組み合わせ、患者さんに一番適した医療を提供できる点です。生活習慣病外来の患者さんで、肥満症から肩こりや冷え症などを訴える方も多いのですが、その緩和にも漢方治療が役に立っています。

 

女性同士の気安さで緊張感とく

 

akazawa.gif

 

女性総合医療外来

赤澤 純代(あかざわ すみよ)    

総合診療センター副センター長
金沢医科大学総合内科学講師

 

女性特有の病気は、やはり女性の医師に相談したいという患者さんが少なくありません。私たちはその気持ちに寄り添い、婦人病などで悩む患者さんが気安く受診できるよう心がけています。

女性総合医療外来の患者さんの症状は、10代から20代前半は生理不順、30代は結婚や仕事のストレスからくる体調不良、そして、中高年は更年期障害、骨粗鬆症が多いようです。更年期障害などは漢方治療が適していて、患者さんから「随分と楽になった」と喜ばれます。これも、総合診療センターに漢方外来があり、連携が非常にスムーズにできるメリットと言えるでしょう。

早期発見につながる例も

受診者の約半数は専門の診療科での診察や検査が必要なことから、その橋渡しをします。女性総合医療外来というワンクッションを置くことで、その緊張もかなりほぐれます。

脂肪肝や卵巣腫瘍などは症状が表れにくく、女性総合医療外来では相談を受けながら可能性のある病気を探り、CTやMRI検査などで早期発見に努めます。専門の診療科につないだ患者さんで手術が必要だったケースも多数あり、いずれも大事には至っていません。

中には、不定愁訴の相談に来られ、検査の結果、膵臓に腫瘍が見つかった患者さんもいました。ささいな異変でも敏感に察知し、大学病院ならではの検査ができることもメリットで、早期発見がいかに大切かをあらためて実感しています。

私たちは、女性の生涯にわたる健康のサポートをめざしています。今年4月からは女性医師が6人体制となり、一層充実します。女性の健康について、どうかお気軽に足を運んで相談いただければと思います。

 

~3月 女性の健康週間~

金沢医科大学・金沢市 協定事業「女性の健康づくりプロジェクト」により、女性の意見が反映された「女性の健康サポートBOOK」が完成しました。美容院や若者向けの飲食店などで無料配布されています。

beauty.gif

~3月8日「世界女性デー」「ローズデー」~
  
女性の健康づくりセミナーが開催されます

「美と健康と食のマリアージュ」

★知っていると安心 女性特有の症状・女性のがん(女性総合外来 医師・藤本由貴)
★ビューティフルエイジング 今日から血流美人 食事の取り方(女性総合外来 医師・赤澤純代)
★話題の発酵食品 美人になるために 金沢ゾンタクラブ会員によるプレゼンテーション
(美食のプロ : 松多 愛 発酵食品のプロ : 加葉田恵子)

●日時/3月8日(金)午後6時より
●場所/金沢市学生のまち市民交流館 交流ホール(金沢市片町2丁目5-17)
●定員/40名 ●会費/1000円(体にやさしいお弁当付き)
●お申し込み先/金沢市男女共同参画課
詳しくはお問い合せください TEL.076-220-2095 FAX.076-233-9999

主催/金沢市男女共同参画課  委託/金沢ゾンタクラブ
共催/金沢医科大学 総合内科学、集学的医療部 総合診療センター 女性総合医療外来

 

【月刊北國アクタス2013年3月号掲載】


金沢医科大学病院

〒920-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1

TEL 076-286-3511

【診療受付時間】
平日 初診 8:30~13:00
  再診 8:00~13:00
土曜   8:30~12:00
【休診日】
土曜日の午後・日曜・祝日
年末年始(12/29~1/3)
大学開学記念日(6/1)
旧盆(8/15)