2013年10月

第21回臨床病理検討会(CPC)を開催します。

第21回臨床病理検討会(CPC)を開催します。
病理解剖症例をもとに医療行為を振り返り、医療の質向上を図ることを目的とした勉強会です。
院外の先生方も是非ご参加ください。

テーマ:呼吸困難が急速に進行した皮膚筋炎の1例

日時:平成25年10月16日(水)17:30~19:00

場所:病院本館C41講義室

 

※詳しくはこちらをご覧ください

 

 

平成25年度第4回健康管理講座を開講しました。

日 時 : 平成25年10月7日(土)13:30~

場 所 : 当院 病院本館4階会議室

演 題 : 『アンチエイジング(抗加齢)若さを保つための栄養学』

講 師 : 栄養部 中川 明彦課長

 

第4回目は『アンチエイジング(抗加齢)若さを保つための栄養学』と題して、栄養部の中川明彦課長から、様々な研究のデータについて解説した上で、どのような食生活を送るべきかわかりやすく説明がなされました。受講生の皆さまは、講義中に熱心にメモを取り、講義終了後も残って質問をする等、知識を深めていました。

10月26日の閉講式まで、延べ6回にわたって開講いたしますが、途中からの参加も可能です。
参加ご希望の方は、病院管理課(庶務係)へ電話またはFAX、メール(氏名と連絡先を記入)でお申込みください。
皆さまのご参加をお待ちしております。

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日 程      : ※こちらからご覧ください。

受講料      : 無料(ただし、初回受講時に教材費として500円を負担していただきます。)

申し込み先    : 病院管理課(庶務係)

TEL      : 076-218-8206

FAX      : 076-286-2372

メールアドレス  :  kanrika@kanazawa-med.ac.jp

金沢医科大学 教えて!ドクター 第19回

脳腫瘍の放射線治療

有効性高めたピンポイント照射

 放射線治療は診断・治療技術の進化により高精度化が進んでいます。脳腫瘍に関しても、誤差2ミリ以内でピンポイント照射を行う定位放射線治療をはじめ精度の高い治療法が普及したことで、特に転移性脳腫瘍の治療成績が格段に向上しました。最新の脳腫瘍放射線治療について、金沢医科大学脳神経外科学の岡本一也講師に解説していただきました。


【今月の回答者】

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岡本 一也(おかもと かずや)

金沢医科大学脳神経外科学講師

金沢医科大学病院脳神経外科講師

 

手術と遜色ない成績の
定位放射線治療

脳腫瘍は発病原因が脳にある原発性脳腫瘍と、他臓器のがんから飛び火した転移性脳腫瘍に大別され、転移性のものが全体の60~70%を占めています。

原発性脳腫瘍は、良性の場合は手術による切除が第一選択になりますが、腫瘍がある場所によっては取り切れない場合や、さまざまな理由で手術ができない場合には放射線治療が行われる場合があります。悪性腫瘍の場合は手術で腫瘍が全摘できても放射線治療と抗がん剤治療が必要になる場合がほとんどです。

一方、転移性脳腫瘍では、腫瘍の特性や、位置、数、大きさなどの状態によって、最適な治療方法を選択することになります。例えば、「播種」といって種が散らばったように多数の腫瘍が広がっている場合は手術できませんし、1個1個の腫瘍に放射線を当てられませんので、脳全体に放射線を照射する全脳照射が行われます。また、腫瘍の数が概ね10個以内に限定されていて、大きさが直径3センチ程度以内であれば、手術もしくは病巣部に高い精度で放射線を照射する高精度放射線治療が選択肢となります。

金沢医科大学病院では高精度放射線治療でも最も高い精度をもって実施する定位放射線治療を導入しています。近年、定位放射線治療の治療成績が手術と遜色ないとの評価が定まったこともあり、開頭せずに済み、患者さんの体への負担が少ない定位放射線治療を選択する症例が圧倒的に多くなってきています。

 

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高精度化を実現した
画像診断とITの進化

脳腫瘍に対する従来の放射線治療は全脳照射や、病巣部とその周辺部に放射線を当てる拡大局所照射が基本でした。これらの場合、病巣以外の正常な脳組織に対しても放射線が当たりますので、さまざまな副作用のリスクが高くなります。安全性を考慮して線量を抑えると、治療効果が弱まるというジレンマもあります。

これに対して、高精度放射線治療は病巣部に強力な放射線を当てる一方、周辺組織には極力、放射線を当てないという考え方に基づいて開発された治療法です。病巣部のみに集中的に放射線を当てることから、俗にピンポイント照射とも呼ばれています。

その先駆けとなったのが「ガンマナイフ」という頭部専用の放射線治療装置です。201本のガンマ線を多方向から一点に収束させるように設計されており、病巣部に高線量を集中的に当てることができます。照射は1回が基本で、「ガンマ線のナイフように鋭い」というイメージから命名されたとされています。日本では1990年代から導入されました。

その後、この原理を応用して次々と新しい高精度放射線治療装置が開発されました。本院で導入している「m3」は、リニアック(直線加速機)という汎用機に取り付け、エックス線で治療する装置で、1回当たりの線量を少なくして複数回に分けて治療する分割照射も可能です。「ノバリス」も同じような機能を有する装置です。

ロボットアームによって装置自体が移動しながら、患者さんの頭が多少動いても追尾して照射する「サイバーナイフ」、放射線の方向や範囲だけでなく強さも調整でき、病巣部がいびつな形でも対応できる「IMRT(強度変調放射線治療)」といった装置も登場しています。本院ではIMRTも導入しており、頭部よりも精度が若干低くても許容される体幹部の治療に使っています。

こうした高精度放射線治療はCT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴映像法)、PET(陽電子放射断層撮影)などの画像診断技術やIT技術の進化に伴って普及が進みました。病巣部の位置、範囲、形状などの正確な情報に基づき放射線方向などを3次元的に評価するとともに、どこにどれだけの放射線を当てるかを決める線量分布をコンピューターで計算して、精密な治療計画を立てた上で治療が行われています。

 

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「m3」による定位放射線治療の位置合わせ=金沢医科大学病院放射線治療センターリニアック治療室

 

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位置合わせの精度をモニターで確認=金沢医科大学病院放射線治療センター

分割照射により
3センチ超にも対応      

先にも少し触れましたが、定位放射線治療は誤差2ミリ以内という最も高い精度基準で実施される治療法です。分割照射の場合、その都度、位置合わせをしなければなりませんが、エックス線画像やCT画像をモニターで見ながら正確に補正して、高精度の照射を可能にしています。慎重に位置合わせを行うため、1回当たりの治療時間は照射時間を含め30~40分かかります。

本院で実施している脳腫瘍に対する定位放射線治療は年間40~50症例です。そのほとんどが転移性脳腫瘍です。

全例について経過をフォローしていますが、転移性脳腫瘍の場合、治療後にこれが原因で亡くなる患者さんは10%程度で、それ以外の方は原発腫瘍が原因で亡くなっています。従来型の治療法に比べると治療成績は格段に向上しており、副作用も少なくなっています。

定位放射線治療は下垂体腺腫に対しても有効な治療法とされています。良性の腫瘍ですが、腫瘍と視神経がくっついているため、失明のリスクが高い病気です。高線量を当てると視神経に悪影響を及ぼしますので、少ない線量を25回に分けて照射する手法を用います。

最近では直径3センチを超える脳腫瘍についても、分割照射による定位放射線治療を試みるようになっています。本院ではまだ数例に過ぎませんが、予後が改善されるなど治療効果はあると評価しています。

脳腫瘍の患者さんに限らず、近年は体の負担が大きい手術をできるだけ避けたいというニーズが強まってきています。そうした意味からも放射線治療に対する期待は高まっており、今後もより高精度の治療技術の開発を目指した研究が進むものと思われます。

 

 

多分割化進む全脳照射◉太田清隆

金沢医科大学放射線医学助教、金沢医科大学病院放射線治療科助教

 

高精度放射線治療になじまない脳腫瘍に対しては従来型の治療法である全脳照射や拡大局所照射が行われます。

全脳照射は脳全体に放射線を当てる治療法で、転移性脳腫瘍のうち播種をきたしていて、手術も高精度放射線治療もできない場合や、脳内での再発を防ぎたい場合などに用いられます。

従来は1回当たり3Gy(グレイ=放射線のエネルギー量を表す単位の一つ)×10回=計30 Gyで治療するのが一般的でした。しかし、副作用を軽減するために、近年は1回当たりの線量を下げ、回数を増やす工夫が行われています。特に若年層など生命予後の長い患者さんに対してはこの手法で腫瘍をコントロールするケースが増えており、本院でも2・5 Gy×15回、2 Gy×20回といった照射法を実施しています。

拡大局所照射は病巣部だけでなく、その周辺部2センチ程度まで照射する手法で、原発性脳腫瘍のうち周囲への浸潤が見られる悪性腫瘍などに対して主に行います。浸潤の境界が正確に診断できないため、やや広めに放射線を当てるわけです。こちらは2Gy×25回=計50 Gy照射後、局所照射で2Gy×5回計10 Gy追加し、総線量は60 Gyとなるのが一般的です。

どのような治療計画で臨むかは治療効果と副作用との兼ね合いを見極めて判断することになります。ただ、高精度放射線治療の治療成績が向上しているのに対して、従来型治療法の成績は残念ながらここ20年ほどあまり変わっていません。

 

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【月刊北國アクタス2013年10月号掲載】


金沢医科大学 教えて!ドクター(第15,16回)を掲載しました。

医科大病院特集ページに「金沢医科大学 教えて!ドクター」を掲載しました。
掲載記事は「月刊北國アクタス(北國新聞社)」で紹介されているもので、
毎月、最新の治療法や医療に関するトピックスを本学の医師が分かりやすく説明します。

「金沢医科大学教えて!ドクター」はこちらです。

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