2014年10月

「うちなだ・夕べのひとときコンサート150回記念イベントPart.Ⅱ~スペシャルコンサート」が11月19日(水)に開催されます。

当院では、お食事前の患者さんや帰途に着く前の職員に、ホッと一息やすらぎの時間を感じてもらえるよう、
セラピーコンサートとして「うちなだ・夕べのひとときコンサート」を実施しております。

今回は、その150回記念イベントとして「うちなだ・夕べのひとときコンサート150回記念イベントPart.Ⅱ
~スペシャルコンサート」
を開催致します

日 時 : 平成26年11月19日(水) 17:00~

場 所 : 病院新館1階ロビー

出演者 : ピアニスト 宮谷 理香さま・ソプラノ 竹多 倫子さま

内 容 : ピアノとソプラノのスペシャルコンサート

 

多数の皆さまのご参加をお待ちしております。

連絡先 : 金沢医科大学病院 音楽療法研究会

                         東野 千夏 <内線 4151(整形外科外来)>

金沢医科大学 教えて!ドクター 第30回

血管治療の最前線

動脈瘤、静脈瘤は血管の
内側から治す時代に

破裂すると高い確率で死に至る大動脈瘤や、脚に血管の青筋が浮き出て特に女性を悩ませる下肢静脈瘤などを、血管内に器具を挿入して治療する新しい方法が近年、次々と臨床に導入されています。金沢医科大学病院の小畑貴司講師に動脈・静脈の最新血管内治療について聞きました。

 

【今月の回答者】

小畑 貴司

金沢医科大学病院 血管外科講師
日本外科学会認定医・専門医
日本ステントグラフト実施基準管理委員会
腹部ステントグラフト指導医
胸部ステントグラフト指導医 など

 

専門性を高めた「血管外科」

「血管外科」が金沢医科大学病院に開設されたのは3年前の10月です。単独の診療科として血管外科を持つ病院は日本海側ではまだ珍しく、北陸では本院が唯一です。

開設以前は心臓血管外科で血管治療全般を担当していましたが、組織を細分化して専門性を高める狙いから、人工心肺を使用する心臓、冠動脈などの外科治療は「心臓外科」、人工心肺を使わなくて済む動脈・静脈などの血管、リンパ管の治療は「血管外科」が担当する役割分担を行いました。

可能な限り患者さんの身体的負担が軽い低侵襲の血管内治療を心掛けており、そうしたコンセプトに沿った最新の治療法として、大動脈瘤に対する「ステントグラフト内挿術」や下肢静脈瘤に対する「高周波焼灼術」などを手がけています。

大動脈は、心臓から血液を全身に送るための一番太いパイプで、その内壁の一部が弱くなり、血圧に負けて膨らんでしまう病気が大動脈瘤です。胸にできるものは胸部大動脈瘤、おなかにできるものは腹部大動脈瘤と言います。

大動脈の正常な直径は、胸部で30ミリ、腹部で20ミリで、これが胸部で60ミリ、腹部で50ミリを超える大きさに拡大したり、血管の側面からこぶが突出したりすると手術が必要な大動脈瘤と診断されます。

この病気で怖いのは、膨らんだ個所が激痛を伴いながら破れて、体内で大出血することです。すぐに出血を止める一刻一秒を争う処置が必要となりますが、救急車での搬送時間も影響し、胸部90%、腹部70%の確率で亡くなってしまいます。

 

自覚症状なく突然死の原因にも

大動脈瘤ができる原因については、動脈硬化が強く関連しており、その起因となる高齢、高血圧、喫煙が発症リスクとなっています。50歳から70歳くらいが発生のピークで、女性と比べ男性に多いのが特徴です。

大動脈瘤には自覚症状がほとんどありません。大動脈瘤が発生する場所によっては、声がれや食べ物が飲み込みにくいといった症状が出ることがありますが、自覚症状だけで発見するのは困難です。それゆえ、前触れのない突然死の死因ともなっているわけですが、だからこそ、破裂する前に大動脈瘤を発見し、治療しておくことが大変重要です。

レントゲンやCT、エコー(超音波検査)といった内臓の画像診断の際に偶然発見されるケースが多く、治療法としては、1990年代までは開胸、開腹して患部を人工血管と置き換える外科手術が主流でした。2000年代に入って、開胸、開腹する必要のない新治療法であるステントグラフト内挿術の臨床導入が本格的に始まり、現在、ステントグラフト内挿術と開胸・開腹手術の実施比率は、全国で6対4から8対2と言われています。

ステントグラフトは、針金状の金属を細長いパイプの形に編んだステントに人工血管を通して糸で結びつけた血管内用の留置器具です。バネ付きの人工血管と言い換えることもできます。

これを使ったステントグラフト内挿術は、動脈内にカテーテル(細い管)を挿入して、その中から大動脈瘤のある血管内にステントグラフトを差し込み、患部を内側から補強する治療法です。ステントグラフト内を血液が流れることで、大動脈瘤は血流から遮断されて血圧がかからなくなり、さらなる拡大や破裂を予防します。

 

大動脈の複雑な形状にも対応可能に

本院では、この内挿術が保険適用となる前の01年から私が手作りでステントグラフトを用意し、臨床の現場に導入していました。07年に腹部用、08年に胸部用の米国製ステントグラフトが保険適用の医療機器として認可され、既製品を使えるようになったことで手作りせずに済むようになりました。

13年には日本のメーカーが、セミカスタムメードの胸部大動脈用ステントグラフトを開発し、従来は開胸手術しか選択肢のなかった大動脈の上部湾曲部分でも脳につながる血管をふさがずにステントグラフトを留め置くことが可能となっています。

手術の手順としては、太ももの付け根を3~4センチ切開して血管からカテーテルを入れ、大動脈に挿入していきます。患部に到達したらカテーテルの先端に仕込んだステントグラフトを抜き出し広げます。ステントグラフトは骨組みとなっている金属の力で拡張し、大動脈内で保持される仕組みです。

手術時間は、胸部で2時間ほど、腹部で3時間ほどです。腹部の大動脈は途中で逆Y字に分かれるため、少し手術時間がかかります。通常は全身麻酔下で施術しますが、局所麻酔や鎮静剤を使用しながら行うこともあります。入院期間は合併症がなければ手術日も含めて2週間ほどで、早い人は10日で退院できます。

このように大動脈瘤を破裂する前に治療する方法は確立していますので、50歳を過ぎたら定期的に人間ドックで胸やおなかのCT検査を受け、大動脈瘤の有無を確かめるようにしてください。

 

発熱カテーテルで下肢静脈瘤を治療

このほか、本院では今年6月から、下肢静脈瘤に対する最新の治療法として高周波焼灼術を始めました。

下肢静脈瘤は、脚の表面を走る静脈の中にある弁が閉じなくなり、本来なら心臓に向かうべき血液が逆流して、血管が脚の表面に浮き出る病気です。大動脈瘤のように破れて死に至るような重篤な疾患ではなく、脚がだるい、重く感じられる、こむら返りが出るなどの自覚症状が現れます。何よりも外見上の問題があり、特にスカートをはかれる女性が気にされることから、この下肢静脈瘤を消失させる手術は、全国で年間1万件以上実施されていると推定されます。

体表面に近い静脈はなくなっても健康上差し障りがないことから、これまでは問題のある血管を引き抜く「ストリッピング」や、血管内に極細のレーザーファイバーを通してレーザーを照射し、血液を沸騰させて血管壁を加熱することで血管をふさぐ「血管内レーザー焼灼術」が普及していました。ただ、前者では痛みや傷跡、後者でも術後早期の痛みや腫れが残りやすい欠点がありました。

一方、先端部が発熱する構造のカテーテルを血管内に挿入する高周波焼灼術は、これらの治療法より格段に痛みや内出血が少なく、傷跡もごくわずかですので、今後、普及が期待されています。

先端部の発熱温度は約120度で、血管内部の壁を加熱して収縮させ、最終的には血が通らないよう血管をふさいでしまいます。手術時間は片足20~30分ほど。念のため手術日を含めて2泊3日の入院をしていただきます。今後は、日帰り治療もできるように検討しています。

 

 

 


先端部分が発熱する高周波焼灼カテーテル


下肢静脈瘤では、脚の表面に血管やこぶが浮き出てくる

 

【月刊北國アクタス2014年9月号】

「患者さんの声」を更新しました。

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