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高齢者のプライマリケアと専門医療

20-2 高齢医学科

1.高齢者のプライマリケア(数疾患のバランスコントロール)

金沢医科大学には、北陸地方で唯一の高齢者診療を専門とした「高齢医学科」が設置されています。高齢者には、同時に多くの疾患を有すること、個人 差が大きいこと、加齢に伴う各機能の低下が見られること、社会環境の影響を受けやすいこと、精神面での支援を要することなど、多くの特有の特徴がみられま す。したがって、質の高い日常生活が送れるようにするためには、日頃から複数の疾患のバランスをとっていかなければなりません。また、発症の可能性のある 病気を予測し早期から予防策を講じることも大切です。

高齢医学科は、このような視点から高齢者の診療を行っています。具体的には、高齢者の寿命に大きく影響する主な疾患として、心臓病、脳卒中、肺 炎、悪性疾患などが挙げられますが、心臓病や脳卒中に対しては発症前の高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの生活習慣病の段階からの年齢や生活様式 に応じたコントロールを、また肺炎、特に誤嚥性肺炎に対しては嚥下機能の管理や栄養管理による予防を、そして悪性疾患については日常診療でのスクリーニン グなどを行っています。一方、高齢者の生活の質に大きく影響する主な疾患として、認知症、骨折、不眠、排尿障害や便通異常などが多くみられますが、これら についても、たとえば認知症では物忘れの段階から、骨折には骨粗鬆症の段階からコントロールを行っています。このようなプライマリケアをさらに充実させる ため、必要に応じて他の専門診療科やコメディカル部門と連携し、総合的な高齢者診療を行うことで、高齢者の生活の質の向上に努めています。

2.高齢者のための専門医療

高齢者の急性疾患の治療はしばしば全身の各臓器の機能の低下により、あるいはいくつかの疾患の同時発症により困難となります。また高齢者では、個 人差が大きいために一律の治療が施せず、個人個人に応じて治療方針を微調整していく必要があります。そこで、救命救急科などと連携し、高齢者の急性疾患の 全身管理を行っています。特に循環器病学を専攻してきた経験を生かした全身管理や心疾患、脳卒中といった循環器疾患の急性期治療に主に携わっています。ま た、高齢者に多く見られる肺炎の急性期の治療にも力を入れており、老年医学会専門医としてのノウハウを高齢者に対する高度医療に生かしています。

この他、高齢者のための専門医療として高齢者の心臓病、高血圧症、脳血管障害、栄養障害などを特に得意分野として、高齢者の重症疾患の診療にあ たっています。

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