メタボリックシンドローム
15-1 内分泌・代謝科|教授 古家大祐(こや・だいすけ)
-肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などの代謝障害をコントロールして動脈硬化を予防-
1.「生活習慣病」から「メタボリックシンドローム」へ
「生活習慣病」とは、不適切な食事、運動不足、喫煙、飲酒など適当ではないライフスタイルを続けることによって起こる病気、すなわち糖尿病、高血 圧症、肥満症、高脂血症、高尿酸血症などを指します。かつて使われていた「成人病」という名称は不適切なので、厚生省が1996年に導入しました。
最近は、動脈硬化症の危険因子となる肥満、高血圧、高血糖、高脂血などの個々の代謝異常の程度が軽度であっても、それらが重複して複合生活習慣病 の状態になれば、動脈硬化症を起こしやすく、その結果、心筋梗塞や脳梗塞を発症しやすくなることが示されており、そのような複合生活習慣病の病態を「メタ ボリックシンドローム(metabolicsyndrome)」と呼んでいます。
このような疾患については、「内分泌・代謝科」が診断、治療、指導を行い、「生活習慣病センター」が診療のサポートを行っています。いずれも軽症 のうちに対策を立てることが重要ですが、とくに最近急増している糖尿病においては、合併症を阻止するために早期からの指導を重視しています。すなわち、医 師による血糖値の管理を含む治療、栄養士による食事指導、看護師による生活指導など、チーム医療による糖尿病診療を展開しています。
2.「糖尿病」の診断と治療について
検査としては、糖尿病性三大合併症(神経症、網膜症、腎症)の進行度の評価に加え、個々の患者さまのインスリン分泌能および人工膵臓を用いたイン スリン感受性の評価を行い、治療方針の決定に役立てています。さらには24時間血圧変動、頚動脈の超音波検査、脈波伝播速度などにより、総合的な動脈硬化 の予防および治療をめざしています。
3.「外来通院でのインスリン注射」の導入
糖尿病患者さまで、飲み薬を服用しても血糖値が高く、さらに膵臓からのインスリン分泌能が少ない場合は、インスリンの自己注射が必要になります。 このような場合、従来は入院してインスリン注射の要領を覚えていただきましたが、最近は外来での指導が可能になりました。外来で2~3回、自己注射の指 導、自己血糖測定の指導を受けていただき、それ以後は自己血糖測定値をもとにインスリン量を調整していく方法をとっています。
4.「糖尿病教室」と「糖尿病教育入院」
糖尿病治療においては、糖尿病に関する正確な知識を持ち、その病気を深く理解することが不可欠です。
当院では、糖尿病教室と糖尿病教育入院の体制を充実させています。糖尿病教室は、外来患者さまと入院患者さまを対象に、毎週月曜日と火曜日の午後 2時から開催されています。糖尿病教育入院には、1週間コースと2週間コースがあり、患者さまのご都合により選択できるようになっています。

藤原道長 は、日本で最初の糖尿病患者としての記述が残されています。



