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てんかんの治療と予防

22-3 精神医学科(神経科精神科)

1.「てんかん」とは

「てんかん」は脳の神経細胞が一時的に過剰な電気的興奮を起こすことによって、てんかん発作が繰り返し起こる慢性の病気です。てんかん発作には全 身けいれんや意識喪失、手足の部分的なけいれんやしびれ感、頭痛やめまい、嘔吐、腹痛などの自律神経症状、もうろう状態や自動症、不安・恐怖などの精神症 状だけの場合もあり多様です。原因としては遺伝よりもむしろ仮死分娩などの出産時の脳障害や、脳炎や頭部外傷などの産後の後天的な脳障害が多く、人口 1000人に対し3~7人の頻度で、子どもの頃に多く起こる病気です。

2.「てんかん」の診断には脳波や脳画像の検査が必要です

「てんかん」には「てんかん焦点」と呼ばれる脳の局所的な部位が過剰に興奮して、手足の部分的なけいれんやしびれ感などの発作(部分発作)を起こ す「部分てんかん」と、脳全体の同期的な過剰興奮によって全身けいれんや意識喪失などの発作(全般発作)を起こす「全般てんかん」があります。「部分てん かん」と「全般てんかん」では有効な薬物(抗てんかん薬)が異なり、てんかんの診断ではこの両者を区別することが重要です。このために脳波や頭部CT、 MRI、SPECTなどの脳画像検査が必要です。

3.「てんかん」の発作は薬物治療によって長期的に抑えることができます

「てんかん」の患者さまは発作の無い時はまったく正常です。発作型にもよりますが、「てんかん」の患者さまの60~80%は適切な抗てんかん薬を 服薬することによって発作を長期的に消失させることができます。

4.「難治性のてんかん」も厳密な診断や適正な薬物治療あるいは脳外科治療によって抑えることができます

抗てんかん薬の服薬によっても発作が消失しない「難治性のてんかん」に対しては、まず適正な抗てんかん薬を再度選ぶために、脳波や脳画像などの精 密検査によって発作型やてんかん型の診断を厳密にやり直す必要があります。また薬物治療では発作の抑制が困難な「難治性のてんかん」に対しては、「てんか ん焦点」を外科的に切除する脳外科治療が有効で、近年大きな成果を挙げています。

5.「てんかん」の発作の予防には規則的な服薬や生活リズムを守ることが大切です

発作を再発させないためには、まず一日の決められた量の服薬を規則的に守り、絶対に中断しないことが重要です。その他、疲れすぎや寝不足にならな いことや、なるべく風邪をひかないように気をつけ、日常の生活のリズムを守り体調を崩さないことが大切です。

6.現在の「道路交通法」では2年以上発作がなければ自動車の運転が可能です

「てんかん」は2002年6月の道路交通法によって絶対欠格から相対欠格になりました。すなわち「てんかん」と診断されても一定の条件下で自動車 運転が可能です。例えば2年間発作が無く、医師が今後発作が起こる怖れがないと診断した場合や、医師による1年間の経過観察で、意識障害や運動障害を伴わ ない発作に限られると診断した場合は自動車を運転できます。ただし厳格な服薬の履行と医師に対する偽りの無い報告が必要です。

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