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うつ病磁気刺激法

22-1 精神医学科(神経科精神科)|助教授 窪田孝

1.「うつ病」とは?

うつ病は、憂うつな気分を主要症状とする病気です。最初は身体的な不調から始まり、睡眠障害、食欲減退、易疲労感などが現れ、仕事の能率が低下し て不安、焦燥感も強くなります。将来に対する希望がなくなり、「こんなに苦しいなら死んだほうがましだ」などと考えるようになり、最悪の場合、自殺してし まうこともあります。一生の間にこの病気にかかる可能性(生涯有病率)は、13~17%といわれています。

2.うつ病に対するこれまでの治療法は?

一般に行われている治療法は、薬物療法すなわち抗うつ薬による治療ですが、最近では副作用が少なく、効果も優れた薬がたくさん開発されています。 ところが、薬物療法の効果がない場合や、効果が出るまでに時間がかかる場合がしばしばあります。

3.磁気刺激法の適応は?

磁気刺激法(正式名「反復性経頭蓋磁気刺激」)は、パーキンソン病、統合失調症、強迫性障害などに対する新しい治療法として注目されています。磁 気刺激法はうつ病にも有効で、これまでの抗うつ剤治療では充分な効果が得られなかったうつ病患者にも有効な場合があります。実際の方法としては、磁気発生 装置で作り出した磁気を、円形のコイルを頭皮上に当てることによって「前頭前野」という脳部位に与えます。1日1回、10~12日間、刺激を繰り返しま す。

4.磁気刺激法の対象外は?

磁気刺激の強さは人体に害がなく、また不快感がない程度に調整されています。しかし、まれには軽い頭痛を訴える人がいます。

磁気刺激の対象にならない人は、

  1. 脳の器質的障害のある人
  2. てんかんなどのけいれん性疾患のある人
  3. 重大な身体疾患のある人
  4. 妊娠中の人
  5. 頭蓋内に金属がある人
  6. 心臓ペースメーカーを使用している人

などです。

5.磁気刺激法の治療費用は?

現在、磁気刺激は新しい治療法のため保健診療外で行われ、磁気刺激そのもの対しての治療費用は必要ありません。

現在うつ病の治療中で薬の効果が思わしくない人が一番の適応です。

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