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間脳下垂体腫瘍

31-3 脳脊髄神経科(脳神経外科)|准教授 立花修

開頭しないで手術できる脳腫瘍

1.病状は、勃起不能、高血圧、糖尿病、ときには死に至ります

脳下垂体は径10mm弱の大きさで、頭蓋底のほぼ中央にあり、全身のホルモンの中枢として働いています。脳下垂体に腫瘍(しゅよう)ができると、 さまざまな疾患をひき起こします。良性腫瘍はホルモンを産生しないタイプと産生するタイプに分けられます。

成長ホルモン産生腺腫は、手足の先端、額、あご、舌などが肥大する先端巨大症を起こし、糖尿病、高血圧などを高率に合併します。プロラクチン産生 腺腫ができると女性では無月経で乳汁分泌になり、男性では勃起不能になります。副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫は、ほとんどが高血圧と糖尿病を合併し、放っ ておくと感染症を起こしやすくなり、死に至ります。ホルモン非分泌性腺腫は、頭痛、視力視野障害で発症します。

また、頭蓋咽頭腫といった間脳、下垂体部にできる病気においても、成長障害、水頭症、視力視野障害を呈し、放置すれば死に至ります。

2.診断は、CT、MRI、ホルモン採血などで行います

診断はCTやMRIと、内分泌内科の専門医師によるホルモン採血によって、正確に行われます。

3.治療方法は、鼻の穴または上口唇の裏から行い、頭は開けません

プロラクチン産生腺腫だけは薬物療法が第一選択になりますが、他は手術が第一選択になり、腫瘍をできる限り多く取り除くことで解決します。

手術は、開頭手術ではなく経鼻的下垂体手術で行います。経鼻的下垂体手術はすでに確立した手術です。上の前歯の付け根の口腔粘膜を切開し、鼻腔の 背側からアタックする手術です。開頭手術のように傷あとが残ることはないので、患者さまは社会復帰しやすいといえます。近年は、内視鏡や神経ナビゲーショ ンを使用し、より安全に的確に手術を行えるようになりました。経験豊かな医師が行えば、脳外科の手術の中でもとくに安全な部類に属します。十分に腫瘍が取 り除けなかった場合は、術後に薬物療法や放射線療法をおこないます。

当院の脳神経外科において、間脳・下垂体腫瘍の外科治療は、内分泌内科および放射線科の専門医と密接に連絡をとりあう集学的治療を中心にして、患 者さまの生活の質の向上をめざしています。

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