疲労回復への挑戦
52-4 総合診療科
1.今なぜ、疲労回復か?
疲労および疲労感は、現代社会に生きる多数の人が日常向き合っている現象です。米国における近年の調査結果によると、2週間以上続く疲労感は人口 の24%に存在するとされ、6ヶ月以上続く日常生活に支障を来すような原因不明の疲労を訴える患者数は人口の22%にも及んでいます。日本では、平成11 年に厚生省研究班が4,000人の疫学調査で、35.8%の人が半年以上続き慢性疲労を認めていると報告しています。総合診療科としては、疲労専門の外来 (火曜午後1時~3時半)を設けて疲労メカニズムの解明と治療の研究を行い、皆さまが健康で生き生きと生活できるように努力しています。
2.慢性疲労症候群の症状など
初期症状
かぜや下痢からはじまることが多く、ストレスにさらされた条件下で起こるとされています。
特徴的症状
頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛や脱力、集中力の欠如等が見られます。
うつ病との違い
- 本疾患は自己認識の偏り(運動はだめとか、完璧主義とか)が強く、うつ病は自己喪失感や楽しめないなどの強い傾向があります。
- 本疾患は免疫機能異常が合併して咽頭痛やリンパ節腫脹を認めますが、うつ病ではこれを認めません。
- 本疾患では、運動後の長引く疲労感や寝汗を強く訴えますが、うつ病では不眠や食欲不振などが主な訴えになります。
発症状況
女性が男性の2倍から4倍多く発症します。米国では50万人いると言われています。
3.慢性疲労症候群の有効治療
簡単に言うとバランスのよい食事と適切安静、適度な運動をし、ストレスの少ない環境で過ごすことです。
認知療法(自己分析療法)
- 現実の思考課程の歪みを解消するため治療です。
- 自分の認知、行動、感情、身体感覚それぞれを再度分析してみる方法です。難しい言葉で言うと、自動思考を検討し中核思考を導き修正するもので す。たとえば「友人から電話がないのは、きっと私が嫌いだからだわ」とか、「きのう外を歩いたから、今日気分が悪くなったのね」とかの心の動きを解析しま す。
段階的運動療法
NK細胞活性を高める効果があり、疲労感の軽減に役立ちます。
代替医療
- 入浴や、ハーブなど図で説明します。
- 漢方薬や西洋薬を相談します。
- 針やお灸なども希望により紹介します。
4.NK細胞活性について
慢性疲労症候群の方は、正常人に比較してNK細胞活性が低下しています。ただし診断基準になるほどの明らかな差はありません。NK細胞活性は、ス トレスで低下するし、ウイルス感染後にも低下します。原因や治療法については現在研究中です。



