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頭頚部がん治療

41-3 耳鼻咽喉・頭頚科|教授 辻裕之

耳鼻咽喉・頭頚科の「頭頚科」とは、頭頚部がんの治療をおこなう専門科です。

1.頭頚部がんとは?

頭頚部がんとは、頭と目以外の首から上の領域、つまり耳、鼻、口、のど、頚部、顔面などに発生した「がん」のことです。これらの部位は「容貌」だ けでなく話す、噛む、呼吸をする、飲み込むなど、ヒトがヒトらしく生活を送るためにきわめて「重要な機能」があります。さらに、におう、味わう、聴く、視 るなどに関係する重要な「感覚器」がこの領域に存在します。

以下に主な頭頚部がんを列記します。

  • 鼻・副鼻腔がん
  • 唾液腺がん(耳下腺がん、顎下腺がん)
  • 甲状腺がん
  • 口腔がん(舌がん、歯肉がんなど)
  • 咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)
  • 頚部食道がん
  • 喉頭がん
  • 聴器がん(外耳がん、中耳がん)

2.頭頚部がん治療の特殊性

がんそのものによって、またその治療のための手術で、大切な機能が損なわれることがあります。したがって治療に際しては、根治性を重視しながらで きるだけ機能(とくに音声、嚥下、呼吸機能)を温存するよう配慮して、頭頚部がんの専門医が治療に当たります。

3.当科での治療の原則

1)「早期がん」に対しては、放射線治療や狭い範囲の切除で治療が可能です。この場合には発声、嚥下などの機能が温存できます。

2)「進行がん」に対しては、放射線治療、化学療法、外科的治療を組み合わせて治療をおこないます。現在、放射線治療と化学療法を同時に併用する 放射線化学療法が効果的であるとされており、「集学的がん治療センター」で化学療法の専門医と協力しながら行っています。

進行がんの手術は、大きな切除になる場合が多く、術後機能や形態ができるだけ損なわれないように配慮することが大切です。

当科では、まず放射線化学療法をおこない、放射線治療30Gy(グレイ、放射線の単位)の時点で治療効果を判定します。がんが完治あるいは完治に 近い状態の場合は、外科的治療をおこなわず放射線化学療法を続けておこない、臓器を温存するような治療をします。また、30Gyの時点で効果の乏しい場合 は、外科的治療をおこないます。切除により生じた組織欠損部には、そこに適合した血流の良い組織を身体の他の部分から移植することで切除後の機能低下を改 善させます。

頭頚部領域には生命の維持と快適な生活を営むために重要な機能をもった臓器が多く存在していますので、がんの根治性のみならずできるだけ機能を温 存し、患者さまの生活の質(QOL,QualityofLife)を重視した治療がきわめて重要です。

当科では「集学的がん治療センター」の一部門として、高いレベルの頭頚部がん治療を目指しています。

セカンドオピニオンについては、本学耳鼻咽喉・頭頚科の辻裕之助教授が全国セカンドオピニオン協力医として登録しております。頭頚部がん治療につ いてのセカンドオピニオンをご希望の場合は、お申し出ください。

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