心臓カテーテル治療

                  循環器内科(教授)梶波康二

 

1.「心血管病」とは何か? 放置するとなぜ怖いか?

心血管病とは心臓や血管の病気を総称した言い方です。現在日本は、人口の高齢化に伴い、高血圧症や糖尿病、高脂血症などの生活習慣から生じた病気、いわゆる〝生活習慣病〟が非常に多くなっています。それらは動脈硬化を起こす要因でもあり、狭心症や心筋梗塞など動脈硬化に起因する心血管病で亡くなる人はますます増加しているのが現状です。そのような次第で、心血管病は日本人の死亡原因の第2位となっています。心血管病にはいろいろなものがありますが、その中でも狭心症や心筋梗塞、不整脈がとても重要であり、突然死の原因としてとても重視されています。

 

2.心血管病の症状・診断法は?

狭心症や心筋梗塞の主な症状は胸痛ですが、そのほかに動悸、息切れ、めまい、失神、悪心・嘔吐、疲労感などもみられます。しかし糖尿病などがあると、発作があっても痛みを感じないことがありますので注意が必要です。また不整脈には、動悸や胸の痛み、失神などの症状がよく見ら、時には突然死の原因にもなります。心血管病の検査法には負担の少ない心電図検査、胸部レントゲン検査、心エコー検査、アイソトープ検査などがあり、必要があれば心臓カテーテル検査法が適用されます。

 

3.「カテーテルによる心臓の検査・治療法」とは?

心血管病の代表的な検査・治療法として心臓カテーテルを用いて行います。カテーテルという細い管を足の付け根の血管から挿入し、その先端を血管内に沿って心臓まで送り込み、冠動脈という心臓の筋肉の血管が詰まっていないかどうかを調べたり(冠動脈造影)、刺激伝導系という心臓の中の電気の通り道に異常があるかないかを調べます(電気生理学的検査法)。異常があればその場で引き続き治療を行ないます。

 

4.「狭心症」や「心筋梗塞」とはどんな病気か? 症状、診断、治療法は?

心臓は筋肉でできていますが、この筋肉は冠動脈という血管から酸素をはじめとする栄養を受け取っています。狭心症はこれらの血液の流れが一時的に途絶えた状態で、長時間にわたって血液が途絶えると、血液の流れない部分の心筋組織の一部は壊れ、心臓の働きが悪くなり、ときには急死することもあります。これが心筋梗塞です。

血液が途絶える最大の原因は冠動脈の動脈硬化です。胸痛をくり返す不安定な狭心症や心筋梗塞では緊急に心臓カテーテル検査を行ない、血管が狭くなったり閉塞していれば、心臓カテーテルを用いて血栓を溶かす治療、風船を膨らませるバルーン治療、ステント(細い管)挿入などで血管を拡張する治療法を行ないます。以前は一度拡張した血管が数か月後には再び狭くなることがしばしば見られましたが、最近では薬剤を含んだステントが使われるようになり、“再狭窄ゼロ”が期待されています。

 

5.「不整脈」に対する治療法は?

不整脈には、脈が極端に速くなるもの、遅くなるもの、脈がとぶものなどがあります。不整脈があるからといってもすべてに治療が行われるわけではありません。治療を必要としないものもかなりあります。その見極めが必要です。不整脈の治療には薬を用いた薬物治療と手術などによる非薬物治療があります。非薬物治療のひとつとして、最近脈の速い頻脈に対してカテーテルを用いたアブレーション治療が盛んに行なわれています。この治療法は不整脈のなかでもWPW症候群、房室結節リエントリー頻拍や心房粗動、他に心疾患がない場合の心室頻拍などに効果があります。アブレーション治療がうまく行きますと、それまでに服用していました薬がいらなくなります。一方、不整脈の中には治療しなければ突然死を起こしてしまう危険なものがあり、これらに対しては不整脈が出現した時に自動的にこれを治すような器械を身体の中に植え込む治療を行なっています。

 

6.心臓カテーテル療法の医療費は?

今のところ、心臓のカテーテル療法はすべて保険診療で行なわれますのでご安心ください。退院後に入院費を市役所等に請求する手続きを必ず行なってください。

 

7.いつ治療が受けられますか?

本学病院では緊急事態に速やかに対応し患者さんに適切な医療を提供できるように、24時間体制で診療に臨んでおり、高度の医療機器を備えた「ハートセンター」があります。集中的な治療を行ない、一日も早く元気になれるよう心がけております。また、循環器の外来では毎日数人の医師が外来を担当し、予約外の患者さんや緊急患者さんにも速やかに対応しています。いつでも気軽にご相談ください。

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金沢医科大学病院

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