顎関節脱臼の高度先端手術

歯科口腔科(教授) 瀬上 夏樹

 

1.「習慣性顎関節脱臼」とは?

あくびや歯科治療の際に大きく口を開けたあと、片方あるいは両方の顎関節でガクッと音がして関節がはずれ口が閉まらなく状態をいいます。この時には関節の強い痛みが生じます。もし自力で口が閉められない場合は病院で徒手整復を受けますが、自力で元に戻せても多くの場合は脱臼を繰返し習慣性(たびたび同じことを繰返す状態)となります。

 

2.診断や必要な検査は?

あご(顎)がはずれた時の状態、すなわち下顎が前に突出して大きく口が開いたまま閉まらず、はずれた側の顎関節の痛みを伴う症状で概ね診断ができます。さらに画像診断(X線、MRI)で脱臼の原因となる骨や関節円板の形態異常を調べます。

 

3.一般的な治療法は?

基本的に手術で治療します。さまざまな手術法がありますが、関節結節削除術(顎関節を構成する突出した骨を削除して引っ掛かりしにくくするもので、関節の動きをより円滑にする方法)が簡単で成功率が高いので一般的です。

 

4.本学病院で行われている特殊な治療法は?

本学病院では、内視鏡的に行う低侵襲手術法を独自に開発し、1999年に厚生労働省より高度先進医療の認可を受けております。狭い関節ですが、2本の細い関節鏡を挿入し、片方でみながらもう一方に電動ドリルを入れて余分な骨を削る方法で、1時間程度で終わります。この方法では、従来の手術法と同等の改善率が挙げられるばかりでなく、顔面の皮膚に切開を加える必要がないことや顔面神経麻痺を回避できること、術後2~3日で退院し、早期回復できることなどの大きな利点があります。

さらに、私どもの歯科口腔科では、重い呼吸器疾患や心臓病をもつ特に高齢者の顎関節脱臼に対して局所麻酔でできる手術法を開発しました。顔の側面に2cm程度の小さな切開を行いますが30分程度で終わるので80歳以上の高齢者でも行え、場合によっては日帰り手術も可能です。身体に重い病気や認知症があることから全身麻酔がかけにくい患者さんでも安心して治療できるようになりました。

 

5.診療体制は?

本学病院では、口腔外科専門医3名、顎関節学会専門医3名によるチーム体制で顎関節疾患の診療に取組んでおります。また私どもの顎関節の内視鏡治療は専門的、先端的に成果を挙げており国際的にも評価されております。

 

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金沢医科大学病院

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