「こども型」の糖尿病

小児科(講師)伊藤 順庸

 

1.糖尿病とは

糖尿病とは血の中の糖分(血糖)が健康な人の2〜3倍以上に高くなってしまう病気です。多すぎる糖分があふれて尿に出てくるので「糖尿病」という病名がつきました。血糖はインスリンというホルモンによって下がるのですが、インスリンが何らかの要因により不足することにより血糖が高くなり、糖尿病になります。

 

2.「こども型」の糖尿病とは

糖尿病は、一般的に太っている人や贅沢な食べ物ばかり食べている大人がかかる病気と思われがちですが、こどもでもかかる病気です。ただしこどもがかかる糖尿病は一般的に「こども型」の糖尿病と言われ、普通の食生活をしているこどもがある日突然診断を受けることが多いです。「こども型」の糖尿病は、風邪をひいた後などにインスリンが徐々に少なくなり、最終的には全くなくなってしまうために起こります。このような糖尿病は1型糖尿病と呼ばれており、太っている人などがなる「おとな型」の糖尿病(2型糖尿病)とは少し性質の違う病気です。

(注:最近こどもの間でも「おとな型」糖尿病が増えてきています。一般の方には見分けづらいですので、専門の先生にご相談してください)

 

3.「こども型」糖尿病の症状

「こども型」糖尿病の初期症状はまずよくのどが渇き、水分を多くとるようになります。また水分を多くとるため尿も多量になります。小さいお子さんなどでは一度止まったおねしょが再発するようなこともあります。さらに体が疲れやすくなり、元気がなくなります。体重がみるみる減ってきて、最終的には意識がなくなり昏睡状態になります。これを糖尿病性昏睡といい、一刻を争う危篤状態です。

小学校以上のお子さんであれば学校の尿検査で「尿糖陽性」として、精密検査を受けるよう指示されることもあります。「家族に糖尿病の人がいるから仕方ないかぁ」とゆっくりかまえず、すみやかに受診してください。

 

4.「こども型」糖尿病の治療

「こども型」糖尿病はインスリンがなくなっていますので、注射によってインスリンを与えてあげなければいけません。「おとな型」糖尿病は飲み薬で治療することが多いですが、「こども型」糖尿病ではインスリン注射が必ず必要になります。インスリンを食事量や運動量、体重などにあわせて適正な量を使用しなければいけません。特にインスリンが適正量よりも多く使用された場合、血糖が低くなりすぎる「低血糖」といわれる状態になります。重症な低血糖は意識がなくなり、早期に適切な処置を受けなければ死亡することもある危険な状態です。低血糖はこどものほうが食事量や運動量にムラがあったり、うまく自分の症状を他の人につたえられないなどの理由により、「おとな型」糖尿病よりも「こども型」糖尿病に多くみられます。このため一般的に「こども型」糖尿病のほうが「おとな型」糖尿病にくらべ治療が難しいとされています。

 

5.糖尿病の合併症

糖尿病はある程度の治療を受けていれば、普段はほぼ無症状です。ところが糖尿病の本当に恐ろしい点は合併症にかかってしまうことです。普段から適切な治療がなされていないほど高率に合併症にかかってしまいます。また厄介なことにある日突然発症することもしばしばあります。糖尿病合併症には三大合併症とよばれるものがあり、これは「こども型」でも「おとな型」でも同じです。三大合併症とは

・ 糖尿病性網膜症

・ 糖尿病性腎症

・ 糖尿病性神経症

の三つです。いずれも合併してしまうと病気の進行を止めることは出来ても、治すことは出来ない病気です。たとえば網膜症が進行すると目が見えなくなり、神経症が進行すると手足が腐って切り落とさなければならなくなる場合があります。このような合併症にかからないよう普段から適切な治療を受けることがとても重要なのです。

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