腎臓が悪くなったら

腎・泌尿器科・腎臓内科(教授) 横山 仁

1.腎臓の働きが悪くなる腎臓の病気

腎臓の病気は尿の検査(検尿)で見つかることが多いので、腎臓の病気を心配される方は、必ず検尿を受けてください。検尿で血尿などの異常がみられる人は10人に1人と言われています。血尿(とくに目に見える肉眼的血尿)や蛋白尿、あるいはその両方がみられる人は要注意で、すぐに専門医の診察を受ける必要があります。また糖尿病の人は、アルブミン尿が出始めていないかを調べてもらう必要があります。

腎臓の働きが悪くなる病気としては、「慢性糸球体腎炎」と「糖尿病性腎症」の2つが代表的ですが、その他にも「腎硬化症」、「多発性嚢胞腎」などがあります。

腎臓の病気が進行しやすいのは、蛋白尿が多い人や血圧が高い人で、厳密な治療が必要になります。

 

2.腎臓の働きを知る

慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症などが進行し悪くなると、腎臓の働きも悪くなってきます。正常な腎臓の働きを100として、これが30まで落ちてもまだあまり問題はありません。しかし10以下となると、老廃物をはじめ余分な塩分やカリウムが体内にたまったり、貧血がひどくなったりするので、他の方法で腎臓の働きを補わないと命が危なくなります。

腎臓の働きは「血清クレアチニン」という検査で調べます。正常な人ではこの値が1mg/dl前後です。しかしこれが1.5~2.0mg/dlとなると、腎臓の働きは50%(正常の1/2)になったことを示します。6mg/dl前後になると透析の準備をし、6~10mg/dlの間すなわち、腎臓の働きが10%以下(正常の1/10)になると透析療法に入ります。

 

3.腎臓の働きがなくなったら ―3つの治療法―

腎臓の働きを補う治療法には、血液透析、腹膜透析(CAPD)、腎移植の3つがあり、そのいずれかを選びます。

「腎移植」は慢性腎不全の根治療法として最も優れていますが、腎臓の提供者がいないとできません。

「血液透析」はほとんどの人が選ぶ治療法で、2013年末でわが国では31万人が血液透析を受けています。患者さんは原則として週3回、1回4時間の通院透析と厳しい食事療法が必要になります。

「腹膜透析(CAPD)」は毎回通院する必要はなく、自宅でまたは仕事をしながら自分で行う治療法です。ただし、腹膜には寿命があるため生涯腹膜透析だけというわけにはいきません。

患者さんの病状、希望、ライフスタイルを重視して、これら3つの治療法をいろいろ組み合わせて治療します。

 

4.全国でもめずらしい「腎臓病総合センター」

金沢医科大学病院の腎臓内科は、腎疾患の診断から、腎炎の進行抑制、さらには慢性腎不全の3つの治療法まで、腎疾患の全てを診る全国でもめずらしい内科です。そのため腎臓内科の病棟は、入院患者さんの病棟であるだけでなく血液透析や腹膜透析の部門とも一体化されているうえ、ここで腎移植前後の管理も行っています。それぞれ3つの治療法を受けている患者さんが同じ病棟に入院していますので、お互いがそれぞれの体験を聴き、自分にあった治療の方法・時期を選ぶことができます。実際の腎移植手術は泌尿器科医が行いますが、腎臓内科の主治医が泌尿器科の主治医と共にチーム医療体制で免疫抑制療法にも関わります。

これら治療に対する経済的負担は、更生医療などの適応となるため少額ですみます。

 

5.腎移植

腎移植には、提供者により、生体腎移植と献腎移植があります。

生体腎移植

生体腎移植は、血液型が輸血の出来る関係にある親子・兄弟同士の間で行われているのが普通です。ただし、最近では免疫抑制薬の進歩によって血液型が輸血の出来る関係になくても、すなわち血液型が不適合でも移植が出来るようになりました。また、条件が整えば夫婦間の移植も可能です。関心のある方はご相談ください。

献腎移植

腎移植を希望しても提供者がない場合は、日本臓器移植ネットワークに献腎移植希望登録をしておきます。ただし、希望者に比べ提供者がきわめて少ないため、献腎移植は難しいのが実情です。

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