悪性リンパ腫の最適診療

血液・リウマチ膠原病科(教授) 正木 康史

1.悪性リンパ腫の病態・症状

悪性リンパ腫は、血液細胞の一種であるリンパ球から発生する腫瘍全般の総称です。このうち約6割は体のリンパ節が腫れますが、残りの約4割はリンパ節以外の全身の諸臓器に発生します。悪性リンパ腫にも色々な病型があり、悪性度や進行の早さが異なります。どこからどのようなタイプのリンパ腫が発生してくるかによって、症状も異なります。腫瘍自体による圧迫症状、発熱や寝汗、体重減少、かゆみなど、リンパ腫の産生するさまざまな物質による全身症状があります。悪性リンパ腫はときに不明熱や多臓器不全などの原因となるため、早期診断や適切な治療が重要ですが、これらは時に困難な場合もあります。

 

2.悪性リンパ腫の早期診断のための検査

腫れているリンパ節または組織があるときは、まずその部位の組織を外科的に採取し、病理組織診断を行うことが何よりも重要です。採取したリンパ節などの組織は、血液・リウマチ膠原病科と病院病理部で詳細な検査を行ないます。診断が難しいときには、学外の専門家と協議して最終診断を確定することもあります。更にどこまで病気が広がっているか(病期)を決定するため、全身のCT、アイソトープ検査(ガリウムスキャン、PETなど)を行ない、骨髄への転移を確認するために骨髄穿刺生検という検査を行ないます。また治療前に、心臓、肺、肝臓、腎臓など重要臓器の機能も検査します。

このように正確な病理組織型と病期の決定、および全身状態の把握により、患者さんひとりひとりの病態にあったオーダーメイドの治療が可能となります。

 

3.悪性リンパ腫の治療

悪性リンパ腫は全身性の血液の腫瘍ですから、治療の中心は抗がん剤を使った治療(化学療法)が中心となります。ただし発生部位や組織型などにより、外科的切除や放射線治療を併用することもあります。抗がん剤治療は近年非常に進歩し、寛解率や治癒率が大変向上してきています。さまざまな抗がん剤を組み合わせる治療法があり、患者さんの状態に最も適切と考えられる治療法を選択します。また、抗がん剤治療の副作用を減らすための補助療法にも十分に注意を払い、可能な限り安全で苦痛のない治療となるよう心がけています。

 

4.全学的な診療体制:LCT(リンパ腫コントロールチーム)

悪性リンパ腫の治療は、病型(組織型)や病期、更に発生部位などが一人一人異なります。早期診断や適切な治療法の選択が時に困難な場合がありますが、一方、適切な治療を行うことにより寛解のみならず治癒も期待できる病気です。当院では悪性リンパ腫の早期診断と最善の治療法について協議しあう「リンパ腫コントロールチーム:Lymphoma Control Team (LCT)注」を2005年2月に設立しました。LCTは、悪性リンパ腫の診断および治療について各科の担当医が話し合い最適な診断や治療法を決定していくための診療科の壁を超えた全学的組織です。定期的な症例検討会と啓蒙活動を行い、診断困難な症例があるときはその都度検討会を開いて、迅速かつ正確な診断を目指します。LCTの活動は、第22回北國がん基金の啓発活動部門の助成を受けました。

 

5.「集学的がん治療センター」とのタイアップ

血液・リウマチ膠原病科は、当院の集学的がん治療センター(2005年10月稼働)とタイアップし、専任の看護師や薬剤師とチームを組んで外来化学療法を行ない、より安全で快適な患者さんのニーズに合った治療を提供しています。

 

(注)LCTホームページhttp://www.kanazawa-med.ac.jp/~hematol/LCT.html

 

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