更年期障害と血の道症

産科婦人科(特任教授) 笹川 寿之

 

1.更年期障害とは

更年期(閉経前後)には、卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少し、顔がほてる、汗をかきやすい、寝つきが悪い、怒りやすく、すぐイライラする、疲れやすい、肩こり、腰痛、不眠、不安感などの症状がみられます。この症状には個人差がおおきく、人によっては日常生活に障害を与えるような場合があります。これを更年期障害といいます。これらの症状の一部は60歳以降にもみられることがあります。

 

2.更年期障害の自己診断

-簡略更年期指数(SMI)-

症状

症状の程度(点数)

点数

①顔がほてる

10

6

3

0

 

②汗をかきやすい

10

6

3

0

 

③腰や手足が冷えやすい

14

9

5

0

 

④息切れ、動悸がする

12

8

4

0

 

⑤寝つきが悪い、または眠りが浅い

14

9

5

0

 

⑥怒りやすく、すぐイライラする

12

8

4

0

 

⑦くよくよしたり、憂うつになることがある

7

5

3

0

 

⑧頭痛、めまい、吐き気がよくある

7

5

3

0

 

⑨疲れやすい

7

4

2

0

 

⑩肩こり、腰痛、手足の痛みがある

7

5

3

0

 

合計点

 

 

※ 簡略更年期指数の評価法

00~25点 = 問題なし

25~50点 = 食事、運動に気をつけ、無理をしないようにしましょう。

51~65点 = 生活指導カウンセリング、薬物療法を受けたほうがよいでしょう。

66~80点 = 長期(6ヶ月以上)の治療が必要です。

81点 以上 = 各科の精密検査を受け、更年期障害のみの場合は、婦人科外来で治療が必要です。

 

3.更年期障害および女性特有の異常(血の道症)の治療

更年期障害の原因は女性ホルモンの低下です。そこで、エストロゲンという女性ホルモンを用いたホルモン補充療法が主に行われています。内服、貼付剤、ジェル剤の塗布など3種類の投与法があります。また、子宮体癌の発生を防止するため、黄体ホルモンを同時に投与します。女性ホルモンの投与によって、骨粗しょう症、高脂血症、高血圧、アルツハイマー病などが予防できると考えられています。また、生活の質を高めることにより、社会への参加も積極的に行うことができるようになります。乳癌の既往があり女性ホルモン剤の投与が禁止されている、あるいは、ホルモン投与を望まない方には、副作用が少ない漢方薬でゆっくり治療する(スロートリートメント法)もあります。もちろん、更年期障害の程度に応じて、ホルモン補充療法以外に漢方薬、抗不安剤、骨粗しょう症予防薬などを組み合わせることもあります。西洋医学の薬に漢方薬を併用することにより、有効で安全な治療が可能となります。また、上記のような典型的な更年期の症状のみならず、頭痛、めまい、冷え性、便秘、不眠症、腰痛は、30歳代後半から現れやすい女性特有の症状(血の道症)です。この治療には漢方薬が適しています。漢方薬で早目に治療すれば、将来の更年期障害を避けることもできると考えられます。更年期障害や血の道症がありましたら、ご遠慮なく婦人科にご相談ください。

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