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KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY

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since Sept 25, 1997.

講義概要

 バイオエシックス(生命倫理学)を専ら扱うコース(哲学)とこれを倫理学史の中で扱うコース(倫理学)のいずれかを選択することができる。学生は自分で考え、自分の言葉で表現することが求められ、そのような態度の育成がこれらの授業の目標となっている。

 哲 学:バイオエシックスの主な問題(インフォームドコンセント、死の定義、生命操作等)を一通り概観するとともに、ビデオテープで生殖技術や遺伝子診断に具体的な理解が得られるように配慮している。バイオテクノロジーが社会に引き起こす影響と問題を理解しておくことが医学生にとって重要であると考えるからである。

 倫理学:大きく3部に分かれ、古代に確立した幸福論、近代の追求した社会的規範の論、そして、価値が多様化した現代の倫理学の代表として、バイオエシックスが登場する。教養としての西洋思想史という性格をもたせているのは、ギリシア思想やキリスト教、近代市民社会の思想等が、ヨーロッパ科学の背後に存在してきたことを理解してもらうためである。

スタッフ紹介 

助教授 竹田浩一 TAKEDA Kohichi 

略歴:1951年3月生。1982年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得(文学修士)、同年金沢医科大学医学部人文科学講師。日本哲学会、関西哲学会、科学基礎論学会会員。
 
専門領域:哲学・思想史。ヨーロッパ近代というものの思想的な意味を探求、ことに神秘主義と合理主義が共存するライプニッツの論理思想の中に中世から近代への連続と不連続を見極めようとしている。派生的なテーマとして、近代ヨーロッパに出会う前の18世紀の日本思想、とくに国学の研究を行っている。これによって、ヨーロッパ近代の日本における意味が逆照射されることを期待しつつ、さらに、ヨーロッパをまともに受けとめた思想としての西田哲学の研究にも取り組んでいる。

主要著書・論文:共訳カルバー&ガート著『医学における哲学の効用』(北樹出版, 1984)、論文「場所と西田哲学」(金医大教養論集22:1-10, 1994)などがある。

書  評:西田哲学選集
西田幾多郎
 西田哲学選集(灯影舎)の刊行が始まりました。すでに第1巻『西田幾多郎による西田哲学入門』と第2巻『「科学哲学」論文集』が配本されています(第3巻以降は、宗教哲学、現象学、歴史哲学、芸術哲学の順で配本される予定)。北國新聞(1998.4.6.朝刊)に寄稿した書評の内容を少しかみ砕いてお伝えしましょう。

 この選集の編集方針は、「現代哲学の諸分野に沿ってテクストを組み替え」るというものです。ねらいは、一般読者に理解できるように西田哲学を提示するというところにあります。西田哲学の難解さは、主として、体系的主著がないという点に由来します。西田の著作のほとんどが論文集であり、その論文の一つひとつが、人間の現実に関わる種々の事柄についての、ある時点での論理的追求のドキュメントとなっています。それゆえ読者は、一つの論文が西田哲学の中にどう位置づけられるかに戸惑い、複数の論文の関係づけに悩むのです。新しい選集は、このような読者のために、西田の論文群を時系列にそってではなく分野別に整理しなおしました。

 既刊のうち、第1巻は、西田哲学が時に誤解されるような宗教的独白ではなく、正しく哲学であることを西田自身の言葉で語らせています。新しい読者には、巻中の「現実世界の論理的構造」という講演が標題を含めて特に参考になります。

 第2巻は、分野別に整理しなおした選集の特色が最も発揮されています。西田の数理への指向は、学生時代から晩年に到るまで一貫しており、その「科学哲学」論文集の編集は特に驚くほどのことではありません。しかし、西田にたいしてそのような印象をいだいていないのが一般世間の現状ですから、本書は一般読者に清新な展望を与えることでしょう。

 分野別に整理された選集は、西田哲学へのより容易な道を提供するだけでなく、既存の全集に親しんだ人に西田哲学を眺める新たな視点を与えるものです。ただし、やむを得ないことですが、時系列にそって西田の著作に取り組む際に感得される西田の苦闘の軌跡は見失われることになります。

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