以前にも丁寧にお答えいただいたことがあります。今回もよろしくお願いします。

【回答】
　基本的に貴方の認識が正しいと考えます。入院中のほとんどすべての患者が幼少時に水痘に感染した既往をもつ療養型病院という環境では, 帯状疱疹の患者から医療従事者の手にウイルスが付着し, さらに手洗いを怠った医療従事者がその家族 (特に幼児) に接触感染させるという可能性だけだと考えられます。水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した方のみが水痘を発病し, 帯状疱疹は水痘の既往をもつ方が自らの体内にもつウイルスによって発病するものです。小児病棟をもつ医療施設や細胞性免疫不全の患者を入院させている医療施設では水痘・帯状疱疹ウイルスの院内感染防止が特に重要となりますが, 療養型病院で“帯状疱疹が院内感染により帯状疱疹として発病する”ことはありません。それと, 水痘・帯状疱疹ウイルスが空気感染するのは水痘の患者と細胞免疫不全の患者が播種性帯状疱疹を発病した場合のみであり, 通常の帯状疱疹ではウイルスが気道粘膜で増殖しないため, 接触感染のみです。