活動報告

2022.10.04【論文発表】
精神神経科学 嶋田 貴充 助教らの論文"A Retrospective Study on the Relationship Between Cognitive Function and Social Function in Patients With Schizophrenia"がJournal of Clinical Medicine Research誌に掲載されました。

統合失調症における社会機能障害は、身体活動の低下・職業遂行能力の低下・再発率および医療費の増大などと関連するなど、臨床上重要な指標のひとつとなっている。一方、注意力や処理速度などの認知機能は社会機能と関連することが示唆されているが、統合失調症における社会機能障害と認知機能障害との関連については明らかになっていない点が多い。本研究では、統合失調症患者におけるSFS-日本語版 (SFS-J) で評価した社会機能とBACS-日本語版 (BACS-J) で評価した認知機能との関連について、各種の影響因子を含めて後方視的な検討を行った。統合失調症患者全36例が対象となり、多変量解析の結果、BACS-Jの言語流暢性はSFS-Jの引きこもり・対人関係および就労に正の相関が、BACS-Jの運動機能はSFS-Jの娯楽に正の相関がそれぞれ認められた。また、PANSSスコア・病前IQおよび抗精神病薬の服用量はSFS-Jの各項目との相関は認められなかった。結論として、統合失調症患者におけるSFS-Jによる社会機能とBACS-Jによる認知機能障害との間にはいくつかの項目で有意な相関を認めることが分かり、このことは今後の統合失調症の治療戦略に寄与する可能性があると考えられた。
2022.09.23令和4年度 認知症キャラバン・メイト・スキルアップ研修
日時:令和4年9月23日(金)9時30分~17時00分
場所:医学教育棟4階E41教室
講師:玉井 顯(あきら)先生(敦賀温泉病院理事長・病院長)
   川﨑 康弘先生(金沢医科大学 精神神経科学 教授)

 本学教育改善プログラムの支援を受け、観察できる症状から認知症の人の行動の理解と支援や助言の方法を学べる「認知症キャラバン・メイト・スキルアップ研修」を開催した。
 医学部第4学年と看護学部第3学年の学生計4名と今年度新規採用となった教員2名が受講した。
 認知症の人の行動の背景にある脳機能の講義では、世界に先んじて超高齢社会となったわが国の認知症施策を牽引しておられる本学第1期生の玉井顯医師を講師に迎えた。  「人の行動には必ず理由がある。認知症の症状を知ることで、認知症の人の立場に立った支援が可能となる。さらに、少し未来を診立てて情報を伝え、家族が心の準備ができることも大切だ。」とのお話が印象に残った。参加した学生は持参した授業のノートと講師のお話を照らし合わせながら理解を深めようと熱意を持って耳を傾けていた。
 後半では、本学精神神経科学の川﨑康弘医師のファシリテートにより、事例を用いた検討をグループワーク形式で行った。提示された情報から認知症の症状を抽出し、脳の機能の状態の診立てを話し合う場では、医学部の学生の意見に看護学部の学生が感嘆の声を上げていた。一方で、自宅での生活維持の可能性を検討する場において出された看護学部の学生の意見には、患者と家族の視点にたったケアが生きていた。多職種が場を共にした、ディスカッションの体験は、自他の強みの理解を生み、多職種連携の能力の芽となったことであろう。
2022.09.06令和4年度 認知症サポーター養成講座(医学部第3学年)
日時:令和4年9月6日10:10~12:00
場所:本部棟A31講義室(Zoom参加あり)

 「神経・精神系」の講義に取り入れる形で開催した「認知症サポーター養成講座」を、医学部第3学年の学生118名が受講した。
 「認知症サポーター養成講座」は、国の高齢者施策の一部として、地域で認知症の人とその家族を見守る認知症サポーターを養成する。本講座を学生が受講することで、臨床実習の基礎となる認知症についての基本的知識と適切な対応をわかりやすく学ぶことができる。
 今年度は、本学医学部第4学年の学生サポーターと公認心理師が、内灘町地域包括支援センターの保健師と協力し、Zoomを活用した寸劇や講義を行った。身近な先輩の望ましいモデルを示すことで、受講している学生の理解の促進を図った。また、内灘町地域包括支援センターの職員から、地域での認知症高齢者見守りの取り組みや本学学生が地域で認知症高齢者の見守りに貢献した事例の紹介も行われた。内灘町との共同開催を継続し10年目を迎え、本学学生の真摯に学ぶ姿勢が、本学の教育に対する地域の理解を生み、地域と大学の距離を縮めている。
 厚生労働省の試算によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年には日本人の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる。今回、本講座を受講した医学部第3学年の学生が医師として臨床に出て行く時に、必ず求められる高齢者や認知症の問題の理解とその支援における地域連携の能力の基礎を育む本講座は、令和4年度金沢医科大学教育改善プログラムの助成を受け実施された。
2022.09.03令和4年度精神科チーム医療研修会「双極性障害の治療と支援」
日時:2022年9月3日(土)13:30~15:30
場所:病院中央棟3階中会議室3(Zoomミーティング)

 「金沢医科大学教育改善プログラム支援制度」の助成を受けて「令和4年度精神科チーム医療研修会」を開催した。
 本学を中心とした地域における医療・保健・福祉専門職の卒前卒後の多職種連携教育Inter-professional Education(IPE)実践の場として、「双極性障害の治療と支援」をテーマに、院内外の医療専門職を中心に保健・福祉スタッフや教育関係者など31名(内Zoom16名)が参加し、各々の立場や経験に基づいた意見を交換した。
 多職種連携は、より複雑な患者のニーズに対応するための分業化ではなく、目的を共有する他の専門職に敬意と信頼を持つことで、むしろ自身に与えられた役割に専念でき、それらが重なり合って良いコラボレーションを生むことだと改めて実感することができた。
 ある参加者は、「自分は資格を持っているが、立場上、これまで、患者の相談・支援には直接関われないもどかしさもあり悶々としていた。しかし、今回、この研修に参加し、各専門職や各専門機関の有益な取組み、多職種連携の大切さを各々の立場から直接聞くことができ、改めて、自分の役割としてやれること・やらなければいけないことを再認識することができた。今日からの意欲につながった。」と体験を語った。各専門職が場を共にして語り合うことが自他への理解を生む。
 今後も、本研修では、自身の専門性に誇りを持って、臨床場面において他専門職と協働し主体的にリーダーシップを発揮できる学生、医療専門職を育成することを目指していく。
2022.06.18【受賞】医学部4年生 川村 梨彩子さん、5年生 面 美来さんが第118回日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞(学部学生演題部門)を受賞しました。
今年度の日本精神神経学会学術総会は、新型コロナウイルス感染対策のため、2022年の6月16日から18日にWebによるライブ配信にておこなわれました。一般演題の発表はパワーポイントをもちいたオンデマンドでおこなわれ、審査員による選考の結果、医学部4年生の川村 梨彩子さんと医学部5年生の面 美来さんによる研究が優秀発表賞を受賞しました。本学会は日本国内における精神医学領域の主要な研究発表の場としてのみならず、臨床家、研究者、他職種との情報交換と人的交流の場として位置付けられています。今回受賞した2人は、精神神経科学が提案した本学のスチューデント・リサーチャープログラムに参加し、精神神経科学、放射線医学、中央放射線部のスタッフの指導を受けて研究をおこなってきました。受賞研究である「健常者脳における機能的結合と気質・性格特徴の関連」では、研究参加に同意された健常者に対して、最新の脳画像診断法である安静時機能的磁気共鳴画像による脳機能測定をおこないました。その結果、代表的な神経ネットワークにおける結合度の個体差と気質・性格という対象者の個別な特性が関連することが示されました。
2022.05.24令和4年度 認知症サポーター養成講座(看護学部)
日時:令和4年5月24日14:40~16:10
場所:看護学部3号棟 第一講義室(Web)

 看護学部「疾病治療論Ⅴ(精神神経系)」の講義に取り入れる形で開催した令和4年度「認知症サポーター養成講座」を、看護学部第2学の学生71名が受講した。「認知症サポーター養成講座」は、国の高齢者施策の一つである。講座では、認知症サポーターの活動経験のある看護学部第4学年の学生・医師・看護師・公認心理師が協力し、Zoomを活用した寸劇や講義を行った。さらに、内灘町地域包括支援センターの職員から、地域での認知症高齢者見守りの取り組みや本学学生が地域で貢献した事例の紹介も行われた。事例は、本学看護学部の学生が夜間に徘徊していた認知症の高齢者に声かけを行い、住所が言えなかった高齢者と上手にコミュニケーションを取り、自宅まで送り届け事なきを得たという内容であり、本学の取り組みの結実の表れとして高く評価されていた。
 受講した学生からの感想には「認知症の高齢者への関わり方が寸劇によってより分かりやすかった」「認知症の方を家まで送ってあげたという話を聞いて、心が温まり、私もそういうことができる人になりたいと思った」等、寸劇で見事に役を演じた先輩の熱意や地域での活躍の事例が心に響いた内容が多く、後輩たちが目指す対人援助職としての姿勢に望ましい影響を与えたことがうかがえた。
 学生にとって地域での活動の意欲を高める、充実した学習機会となった本活動は、令和4年度金沢医科大学教育改善プログラムの助成を受けて開催された。
2022.01.11【論文発表】
精神神経科学 嶋田 貴充 助教らの論文"A case report of late-onset schizophrenia differentiated from a dementing disorder"がNeurocase誌に掲載されました。

遅発性統合失調症は精神医学においてその臨床的重要性を高めておりますが、病態生理学や神経病理学においては不明な部分が多く、また認知症性疾患との鑑別も重要であると考えられています。今回、67歳発症と考えられる83歳の遅発性統合失調症の1例において、認知症性疾患との鑑別を念頭に各種検査 (認知機能検査、頭部MRI、123I-MIBG心筋シンチグラフィ、DATスキャンおよび脳脊髄液) を施行しました。特筆すべき検査所見として、脳脊髄液バイオマーカーにおいて軽微な総タウの増加とアミロイドβ1-42の減少が認められました。これらの結果は、遅発性統合失調症では神経病理学的所見において、アルツハイマー病で認められる神経原線維変化や神経細胞死が認められる可能性を示唆しました。以上より、遅発性統合失調症では神経病理学的基盤には認知症性の変化が存在している可能性が考えられました。
2021.10.12第136回がん診療連携拠点病院研修会 第35回緩和ケアオープンセミナー
がん患者さんへのメンタルサポート〜「死にたい」への対応やピアサポートの役割〜
講師: 小川朝生先生(国立がん研究センター先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野長)
日時:令和3年10月12日(火)午後6時
場所:病院中央棟4階大会議室

 当院では、地域がん診療連携拠点病院の役割の一つとして、院内外の医療スタッフを対象に緩和ケアに関する研修会を開催している。今回は、国立がん研究センターの小川朝生先生を講師にお招きし、患者さんの気持ちのつらさと自死のリスクの関係や、患者さんの病期に応じたこころのケアについてのお話をうかがった。
 がん患者の自殺は他の患者の約2倍と多く、がんの種類によって、診断から約1年以内と5年以上経過したところに2つのリスクの山があるという。気持ちのつらさというとうつ病を、また、こころのケアというと専門的な薬物療法やカウンセリングを思い浮かべてしまいがちであるが、痛み、不眠、得体の知れない倦怠感への対応により気持ちのつらさの軽減が図られることも多いという。日常の診療やケアにおいて、それらについて話題にしやすい医療者–患者関係を構築することが大切だ。自死のリスクが著しく高まった患者の場合には、「支援がなされれば生きたいという願望」を増やせるように切り離すことなく支えることでその危険性を減らすことができるそうだ。
 また、治療を終了した後、患者は、病前とは異なってしまった新たな生活への適応が求められる。がん治療の次にくるその後のQOLを考えるとき、その支えとなり適応のコツを自らの経験として語ってくれるピアサポーターの役割も大切だという。治療を終えて終わりではなく、地域拠点連携病院として、医療資源であるピアサポーターの養成にも貢献する役割があることも再認識することができた。
2021.09.23令和3年度 認知症サポーターキャラバン・メイト・スキルアップ研修
〜認知症の理解を深める〜
日時:令和3年9月23日(木・祝) 9:30~17:00
場所: 金沢医科大学 医学教育棟 1階E11教室
講師:玉井 顯(あきら) 先生(医療法人 敦賀温泉病院 理事長・病院長)
   川﨑 康弘先生(金沢医科大学 精神神経科学 教授)

 本学教育改善プログラムの支援を受け、医学部・看護学部の学生が認知症に対する理解と認知症の人への接し方を体験的に学ぶ「認知症キャラバン・メイト・スキルアップ研修」を開催した。この研修では、日常生活に現れる高齢者の行動から、認知症の症状のアセスメントを行う認知症評価尺度「行動観察方式AOS(Action Observation Sheet)」の理解と活用を中心に学ぶことができる。今回は、看護学部の学生6名が受講した。
 「行動観察方式AOS(Action Observation Sheet)」は、本学の第1期卒業生で現在敦賀温泉病院病院長である玉井顯医師が中心となって臨床のご経験を元に作成され、厚生労働省の認知症施策の「認知症サポーター」の活動で活用を推奨されているアセスメントツールである。日常生活の行動から考えていくため、生活場面での困りごとなどもわかりやすく、支援の工夫にも繋げやすいのが特徴である。
 研修の構成は、玉井医師から具体的な認知症の症状の現れ方やサインとなる行動、その発生のメカニズムについての講義があり、その後、当院精神科の川﨑康弘医師のファシリテートによるグループワークでアセスメントツールを支援に生かす方法について検討した。
 学生らは「スタッフの人数が少ない時間帯での身体拘束」についての質問し、玉井医師から「工夫の仕方で身体拘束を減らすことができる。どうしてその行動が起きているのかを考えることがケアにつながる。」と説明を受け、新鮮な眼差しで耳を傾けていた。
2021.09.14認知症サポーター養成講座 医学部第3学年
日時:2021年9月14日(火)14:20〜15:50
場所:金沢医科大学本部棟3階 A31教室

 新カリキュラムへの移行を受け、従来、医学部第4学年の精神科ユニット講義(「神経・精神系」)において実施していた「学生を対象とした認知症サポーター養成講座」を、今年度より、第3学年において実施し、約130名の学生サポーターが誕生した。
 認知症サポーター養成講座とは、認知症高齢者等に優しい地域づくりを目指した、厚生労働省の認知症施策の一つである。
 講義では、認知症の基本的な知識の他に、「認知症の人と接する時の心構え」を学ぶために寸劇を取り入れた。医学部第6学年の4人のZoomで寸劇は、認知症の人への望ましい対応を印象深く、わかりやすく伝えており、受講した第3学年の学生からも好評であった。
 また、国や自治体の施策を通して、地域連携や他職種への理解を促進し、広い視野を獲得することを目的に、内灘町の地域包括支援センターの職員にもZoomで参加いただき、内灘町の高齢者見守りの取り組みなどの紹介をいただいた。
 認知症サポーターとなった学生は、その後、認知症サポーター養成講座を主催するための研修や、へき地での高齢者支援のボランティア活動への参加、後輩の指導役として本講座への協力を行うなど、地域・医療・保健・福祉の連携の体験的、体系的、重層的な学びの場に参加することができることになっており、新カリキュラムの目指す、多重らせん形式の段階的な臨床医学への初回の学習機会となったと考えている。
2021.04.14認知症サポーター養成講座 医学部・看護学部(Web)
日時:令和3年4月14日15:30〜(医学部)・令和3年5月25日16:20〜(看護学部)
場所:医学教育棟1階E11教室(医学部)・Web(看護学部)

 令和3年度の本学学生を対象として開催した「認知症サポーター養成講座」は、医学部4年生106名、看護学部2年生66名が受講した。
 医学部では「神経・精神系」、看護学部では「疾病治療論V(精神神経系)」の講義の中に取り入れる形で、各々、医学部では6年生の寸劇、以前から本学の認知症サポーター活動に参加してきた医師・学生が講師役を務め、看護学部では3、4年生と長山豊准教授がWeb上で寸劇を行うなど、工夫を凝らした。
 また、感染対策に配慮を行いながら、地域の高齢者の支援活動のリーダーに学生に向けたコメントをいただく機会を得るとともに、地域支援センターの紹介などもしていただいた。
 受講した学生から寄せられたアンケートをティストマイニングのソフトを用いて集約したしたところ、「認知症の人への対応を知るのに先輩の寸劇が理解促進に役立ったこと」、「地域支援センターについて具体的に知ることができたこと」、「実習や身近な場面での関わりが変わると感じること」に対する言及が多いことがわかった。
 本学において講義の中に「認知症サポーター養成講座」を取り入れる「ねらい」である、「高学年の学生が低学年の学生を教えることで互いが学び合う姿勢を育むこと」、「他職種への理解を促進し国の施策で取り組んでいる活動を通して広い視野を獲得すること」、そして、「専門技術の基礎となる対人援助職の姿勢を学ぶこと」が達成できたと考えている。
2020.11認知症サポーターの医学部3年 金森亮佑さん 国連人口基金(UNFPA)アジア太平洋地域事務所主催 国際高齢者デー記念オンラインイベントに参加!
「Successfully addressing rapid population ageing in Asia-Pacific: A Life Cycle Approach with Gender Equality at the Center(アジア太平洋地域において急速に進む高齢化への対応を成功に導くために〜ジェンダー平等を中心としたライフサイクルアプローチ)」

今回、国連が定めた国連高齢者デーのオンラインイベントにおいて、本学が研究・教育活動の一環として2013年度より取り組んできた認知症サポーターキャラバンの活動を、高齢者施策の先進国としての立場からアジア太平洋地域に広く紹介してほしいという依頼を受け、本学医学部3年の金森亮佑さんがパネリストとして参加した。このイベントでは日本の他に、アジア太平洋地区のインド、マレーシア、ネパールにおける高齢者対策に関わるパネリストが参加しディスカッションが行われた。金森さんは「さまざまな活動や学習において、若者同志や高齢者同志で取り組むのではなく、両世代が共に協力して活動することが大切である」と発言し、各国からの賛同を得た。
「認知症サポーター養成講座」の活動は、厚生労働省が進める認知症政策の「新オレンジプラン」において、認知症への理解を深める普及・啓発の推進の取り組みとして掲げられている。しかし、青年期世代の取り組みは少なく、本学学生ボランティアが地域で暮らす認知症の方やその家族を応援する活動は、世界からも注目を集め期待されている。
2020.10.13【受賞】精神神経科学 片岡譲 医員が第49回日本神経精神薬理学会において、一般演題 奨励賞を受賞しました。
2019年10月12日~13日に福岡県福岡市にて開催された第49回日本神経精神薬理学会において、一般演題 奨励賞を受賞しました。「統合失調症患者、非罹患第1度近親者および健常者間の遂行機能の差異について」というタイトルで発表しました。
2020.09【論文発表】
精神神経科学 大学院生 片岡譲先生の論文「Differences in executive function among patients with schizophrenia, their unaffected first-degree relatives and healthy participants」がInternational Journal of Neuropsychopharmacology誌に掲載されました。
本研究では、統合失調症患者、非罹患近親者、健常者を対象にWCST(Wisconsin Card Sorting Test)を用いて遂行機能を調査した。その結果、遂行機能を示唆する項目である%PENの差が3つの診断群の中で最も有意であり、直線的な差であることが明らかになった。また、%PENが統合失調症患者においてどの臨床変数にも有意な影響を受けなかったことから、%PEN自身が統合失調症の遺伝的病態生理における高感度な表現型であり、統合失調症の発症予防やリスクのある人への早期介入に有用なツールであることが示唆された。
2020.09.28【受賞】医学部5年生 津田彩也香さん、松岡芽生さん、藤田季来々さん、西藤篤城君が第116回日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞(学部学生演題部門)を受賞しました。
今年度の日本精神神経学会学術総会は、新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言の発令により、当初の6月から開催が延期され、2020年の9月28日から30日にWebによるオンデマンド配信にておこなわれました。発表はパワーポイント録音をもちいておこなわれ、審査員による選考の結果、医学部5年生の津田彩也香さん、松岡芽生さん、藤田季来々さん、西藤篤城君による研究が優秀発表賞を受賞しました。本学会は日本国内における精神医学領域の主要な研究発表の場としてのみならず、臨床家、研究者、他職種との情報交換と人的交流の場として位置付けられています。今回受賞した4人は私たち精神神経科学が提案した本学のスチューデント・リサーチャープログラムに参加し、精神神経科学、放射線医学、中央放射線部のスタッフの指導を受けて研究をおこなってきました。受賞研究である「ヒトの社会認知に関する機能的神経画像研究」では、研究参加に同意された健常者に対して、自分と特定の知人の人物評価を行なう課題中に、機能的磁気共鳴画像による脳機能測定をおこないました。その結果、自己評価や他者の評価に関連する脳部位の機能が観察され、対人コミュニケーションにおいて重要な役割を有する脳部位の機能評価が可能であることが示されました。
2020.09.19令和2年度精神科チーム医療研修会「多職種の視点に糸口が見つかる!」
 令和2年9月19日(土)、「令和2年度精神科チーム医療研修会」を開催した。
コロナ禍の中、参加人数を制限し、感染拡大予防に最大限の留意を行いながらの実施であったが、各領域の専門職と共に地域の事例についてそれぞれの「臨床の知」を出し合い検討を行うことができた。
精神科領域の治療において、時に、治療が上手く進展したように見えていたものが、突然後退したり足踏みしたりしているように思える時がある。そのような時には、トレーニングを受けている専門職でさえ、自身の関わりに悩む。今回、検討した事例では、「少し進展が早い時には立ち止まっていいこと」を患者さんに保証し、その間に「次に患者さんが回復への一歩を踏み出すチャンスを作って待つ」という治療者の姿勢の大切さが浮き彫りになった。しかし、この「待つ」ということが患者さんにとっても専門職にとっても実は難しいことが多い。 研修会を通して、改めて、多職種が互いの役割を認め、協力し合うことで、その「待つ」時間を有意味なものにすることができるのだと感じることができた。
本研修会は、本学教育改善プログラムの助成を受けて開催した。多職種連携教育実践の場を創出することを目的として取り組み4年目を迎えた。コロナ禍の経験も踏まえwebでの開催なども模索しつつ、今後も、当院のスタッフや地域医療・保健・福祉の専門職の卒前卒後教育の場として機能していけるよう取り組みを続けたいと考えている。
2019.03【論文発表】
精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らの論文“Intelligence Decline between Present and Premorbid IQ in Schizophrenia: Schizophrenia Non-Affected Relative Project (SNARP)”がEuropean Neuropsychopharmacology誌に掲載されました。
統合失調症患者では、知的機能を含む広範囲にわたる認知機能の障害が認められ、その障害は機能的転帰と強く関わっています。統合失調症患者、その第1度非罹患近親者および健常者間において、認知機能は遺伝的な連続性を認めます。統合失調症患者において、病前から認められる知的機能障害や、発症後に確認される知的機能の低下 (病前の知的機能レベルからの低下)を呈することは知られていましたが、病気の経過中のどの時期に知的機能の低下が出現するかは、よく分かっていませんでした。本研究では、金沢医科大学精神神経科学にて遂行中のSchizophrenia Non-Affected Relative Project (SNARP)よりリクルートした125例の統合失調症患者、61例の第1度非罹患近親者および107例の健常者間で病前推定IQ、現在のIQ、知的機能低下の差異を評価しました。さらに、対象者を知的機能低下の程度に基づいて、知的機能が低下している Deteriorated群と知的機能が保たれている Preserved群に分類して、どのような要因がこの分類に寄与しているかを検討しました。
病前推定IQ、現在のIQともに統合失調症患者、非罹患近親者および健常者群間で差異を認めました。健常者と比べて、統合失調症患者と非罹患近親者では、病前IQと現在のIQはともに低値を示しました。統合失調症患者と非罹患近親者間では、病前IQに差異はありませんでしたが、現在のIQは統合失調症患者で低値を示しました。また、統合失調症患者群のみ病前の知的機能レベルからの低下である知的機能の低下を認めました。非罹患近親者と健常者の大部分は、知的機能の低下を認めなかったため、非罹患近親者と健常者群では、知的機能が低下している Deteriorated群に分類される人は、ほとんどいませんでした。統合失調症患者と非罹患近親者群において、知的機能が保たれている Preserved群は、知的機能が低下している Deteriorated群よりも、高い教育年数を示しました。本研究結果から、統合失調症患者や非罹患近親者における病前知的機能レベルの障害は発症前から存在し、引き続いて起こる知的機能の低下は、統合失調症の発症時期周辺に生じることが示唆されました。病前知的機能障害と発症時/後の知的機能の低下には、それぞれ異なる病態が関わっている可能性があるため、さらなる研究が必要です。
2019.03.01【受賞】 精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師が第11回日本不安症学会学術大会において若手優秀演題賞を受賞しました。
2019年3月1日(金)~2日(土)に岐阜・じゅうろくプラザにて開催された第11回日本不安症学会学術大会において、若手優秀演題賞を受賞しました。
Psychological Medicine誌に掲載された論文“Shared Genetic Etiology between Anxiety Disorders and Psychiatric and Related Intermediate Phenotypes”の内容について、「不安症および精神疾患間やその中間表現型間における遺伝的要因の共通性」というタイトルで発表しました。
2019.02.28【受賞】 精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師が第1回AsCNP-ASEAN International Congress of NeuropsychopharmacologyにおいてYoung Psychiatrist Awardを受賞しました。
2019年2月28日(木)~2日(土)にインドネシア・ジョグジャカルタにて開催された第1回AsCNP-ASEAN International Congress of Neuropsychopharmacologyにおいて、Young Psychiatrist Awardを受賞しました。
これまでの研究業績に基づいてYoung Psychiatrist Award受賞者が日本、台湾、韓国、インドから各1名ずつ選出されました。学会では、Schizophrenia Bulletin誌に掲載された論文“Genome-Wide Variants Shared Between Smoking Quantity and Schizophrenia on 15q25 Are Associated With CHRNA5 Expression in the Brain”の内容について発表して、2nd Winner of Young Psychiatrist Awardを受賞しました。
2018.12.16平成30年度 認知症サポーターキャラバン・メイト養成講座
地域と共催で行う認知症サポーターキャラバン・メイト養成講座も今年で6年目を迎えた。これまで共に開催した石川県、内灘町、かほく市に続いて、今年度は津幡町役場の協力を得て開催することができ、本学の医学部、看護学部の学生6名と石川県内の市町村の民生委員など28名、合計34名の認知症キャラバン・メイトが誕生した。
 認知症キャラバン・メイトは、厚生労働省が、認知症政策である「新オレンジプラン」において、認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進の取り組みとして掲げている「認知症サポーター養成講座」の講師役を担う重要な役割を果たしている。本学においても、毎年誕生する学生認知症キャラバン・メイトが中心となって、精神神経科学主催した学生や教職員対象の認知症サポーター養成講座の活動を支え、地域で暮らす認知症の人やその家族を応援に取り組んできた。
認知症についての正しい知識や支援の情報についての啓発は、認知症当事者の支援に止まらず、介護者や働く世代の離職やメンタルヘルスの不調の予防にも重要である。しかし、忙しい若者や働く世代の成人に対し、どのように啓発をしていくのか、興味を持ってもらうのかは常に課題である。我々の取り組みは、参加した学生の学びの機会としてだけでなく、地域の支援者や福祉行政の方が、若い視点の素朴な疑問などにふれ、ディスカッションを深める良い機会の創出になっていると考えられる。
2018.10【論文発表】
精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らの論文“Smoking rates and number of cigarettes smoked per day in schizophrenia: A large cohort meta-analysis in a Japanese population”がInternational Journal of Neuropsychopharmacology誌に掲載されました
 統合失調症患者は一般集団と比較して喫煙率および喫煙本数が高いことが世界的に一貫して知られています。しかし、日本人統合失調症患者における喫煙率および喫煙本数は、報告間にバラつきを認め、さらに近年、一般集団における喫煙率は徐々に減少してきています。本研究では、金沢医科大学病院にてリクルートした301例の統合失調症患者と131例の健常対象者を含め、本邦における約25年間にわたる12個の研究結果を用いた日本人統合失調症患者の喫煙率のメタ解析を行いました。
 (i) 1,845例の統合失調症患者と196,845例の一般集団、(ii) 842例の統合失調症患者と766例の精神的に健康な対象者の2種類のメタ解析を行いました。
(i) 統合失調症患者は一般集団と比べて男性ではオッズ比1.53倍喫煙率が高いこと (男性統合失調症患者52.9%、一般集団男性40.1%)、女性ではオッズ比2.40倍喫煙率が高いこと (女性統合失調症患者24.4%、一般集団女性11.8%)が分かりました。
(ii) 男性統合失調症患者は男性健常者と比べて喫煙率が高かったが(オッズ比2.84、男性統合失調症患者53.6%、男性健常者32.9%)、女性は患者健常者間に喫煙率の差異を認めませんでした (オッズ比1.36、女性統合失調症患者17.0%、女性健常者14.1%)。男女の結果を層別化して統合すると、統合失調症患者は一般集団と健常者どちらと比較しても高い喫煙率を示しました (一般集団 オッズ比1.88、健常者 オッズ比2.05)。
 患者のリクルート年や外来/入院状況はこれらの結果に影響を及ぼしていませんでした。喫煙本数は、統合失調症患者が22.0本/dayであるのに対して、一般集団は18.8本でした。海外の統合失調症患者の喫煙率に比べると低いものの、本研究結果より日本人統合失調症患者においても一般集団や健常者と比べ約2倍喫煙率が高いことを示しました。
2018.09【受賞】医学部4年生 土田和奈さん、5年生 前田遥さん和田彩令奈さんが第114回日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞(学部学生演題部門)を受賞しました。
 2018年6月21日~23日に兵庫県神戸市にて開催された、第114回日本精神神経学会学術総会において、医学部4年生の土田和奈さん、5年生の前田遥さん、和田彩令奈さんによる研究が優秀発表賞を受賞しました。本学会は日本国内における精神医学の主たる研究発表の場としてのみならず、臨床家・研究者間、さらに他職種との情報交換と人的交流の場として毎年、開催されています。受賞者は本学の精神神経科学が提案したスチューデントリサーチャープログラムに参加し、精神神経科学、放射線医学、中央放射線部のスタッフの指導を受けて研究をおこないました。受賞研究である「ヒトの表情認知に関する機能的神経画像研究」では、研究参加に同意された健常者に対して顔の写真を提示して性別を判断させる課題中に機能的磁気共鳴画像により脳機能を測定しました。その結果、顔の認知と表情の認知に関連する脳部位の機能が観察され、対人コミュニケーションにおいて重要な役割を有する脳部位の機能評価が可能であることが示されました。
2018.09.21~22第31回サオコオンコロジー学会開催
がんに関わるこころの医療ー地域性をいかした連携に向けてー
1031名の全国からの参加者を迎えることができました。
2018.09精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らは(株)じほう より『統合失調症薬物治療ガイド』を出版しました。
本書は2015年に専門医向けに作成された『統合失調症薬物治療ガイドライン』に準拠し、ガイドラインをさまざまな医療者や患者さん・支援者にもわかりやすく・読みやすいものとするために、医師や医療スタッフだけでなく、患者さんやその支援者も意見を出し合い編集した「ガイドライン」を理解するための「ガイド」になります。
2018.09【論文発表】
精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らの論文“Genome-Wide Variants Shared Between Smoking Quantity and Schizophrenia on 15q25 Are Associated With CHRNA5 Expression in the Brain”がSchizophrenia Bulletin誌に掲載されました

 統合失調症患者は一般集団と比較して喫煙率および喫煙本数が高いことが知られています。統合失調症と喫煙量は共に高い遺伝率を示し、共通する遺伝基盤の存在が推測されています。統合失調症と喫煙量の全ゲノム関連解析 (GWAS)では、15q25が共通の染色体領域として同定されており、1つの遺伝領域が2つ以上の表現型に影響を及ぼす生物学的多相遺伝の観点から注目すべきゲノム領域と考えられます。
 本研究では、15q25上の統合失調症と喫煙量に共通して関連する遺伝子多型を同定するために、Psychiatric Genomics Consortium (PGC)における統合失調症およびTobacco and Genetics Consortium (TAG)における喫煙本数により評価した喫煙量の大規模GWASメタ解析からのSummary Statisticsを用いました。共通する遺伝子多型の遺伝子発現に及ぼす影響を検討するために、BRAINEACにおける健常者134名の死後脳10領域においてexpression Quantitative Trait Loci (eQTL)解析を行いました。15q25上の22個の遺伝子多型が統合失調症および喫煙量双方と強く関連していました。これらの遺伝子多型は特定の脳領域においてPSMA4、CHRNA3、CHRNB4遺伝子発現と、複数の脳領域においてCHRNA5遺伝子発現と関連していました。複数の脳領域において、リスク遺伝子型は高い遺伝子発現量と関連していました。さらに注目したCHRNA5 exonレベルでは、リスク遺伝子型は、複数の脳領域において、特定のexon発現が高いことと関連していました。本研究の結果より、統合失調症および喫煙量に共通する遺伝子多型は、広範な脳領域においてCHRNA5遺伝子発現を制御することにより双方の表現型の病態に寄与する可能性を示唆しています。
2018.08.02【論文発表】
精神神経科学、総合医学研究所 松田幸久元研究員、大井一高講師らの総説“Cortical gyrification in schizophrenia: current perspectives”がNeuropsychiatric Disease and Treatment誌に掲載されました

人の大脳は一部では平坦であり別の部位では入り組んでいるなど複雑な構造をしている。この構造上の特徴は皮質の複雑さ(cortical gyrification: GI)と呼ばれ、統合失調症の病理研究の関心となっている。GIの測定法は用手的GI、自動算出GI、局所的自動算出GIがある。また、GIについては数多くの研究がなされているが“hypergyria”(過皮質形成)と”hypogyria”(未皮質形成)という正反対の知見が存在している。本総説では、GIの異常に焦点を当て、統合失調症患者、初発患者、同胞および家族、ハイリスクおよびアット・リスクの個人、臨床症状との関係、ソフトサインとの関係、実行機能との関係についての知見を紹介した。先行研究からは、1)異なるGI測定法が異なる結果を生む原因であること、2)対象者の年齢、性差、病期、臨床症状の重篤さなど数多くの要因が複合的に作用し異なる結果を生んでいることが示唆された。今後、これらの要因を考慮した統合的研究が期待される。
2018.07.23平成30年度金沢医科大学医学会にて大井一高講師、康山俊樹助教、学部生 梁祐輔、武内美奈、上田菜保子の3本の論文が金沢医科大学医学会論文表彰を受賞しました。
受賞論文は以下になります。
論文“Cognitive Clustering in Schizophrenia Patients, their First-Degree Relatives and Healthy Subjects is Associated with Anterior Cingulate Cortex Volume” NeuroImage: Clinical誌
著者: 大井一高講師ら
論文“Differences in social functioning among patients with major psychiatric disorders: Interpersonal communication is impaired in patients with schizophrenia and correlates with an increase in schizotypal traits” Psychiatry Research誌
著者: 康山俊樹助教
論文“Olfactory Function in Neuropsychiatric Disorders” Psychiatry Research誌
著者: 学部生 梁祐輔、武内美奈、上田菜保子ら

写真 左から大井一高講師、学部生 梁祐輔、武内美奈、上田菜保子、康山俊樹助教(代理 桑田有紀)
2018.07.17大井一高講師らが「統合失調症の認知機能障害を考える会in金沢」を開催しました。
平成30年7月14日に本学にて大井一高講師らが「統合失調症の認知機能障害を考える会in金沢」を開催しました。石川県、富山県の医師、臨床心理士、作業療法士、理学療法士、看護師ら14施設49名が参加されました。
考える会の講師陣(大阪大学心理士、産業医大堀輝先生、国立精神神経センター橋本亮太先生、金沢医科大学大井一高ら)
2018.05.28【論文発表】
精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らの論文"Meta-analysis of physical activity and effects of social function and quality of life on the physical activity in patients with schizophrenia"がEuropean Archives of Psychiatry and Clinical Neurosciences誌に掲載されました。
2018.05.22看護学部で認知症サポーター養成講座実施
看護学部2年76名の認知症サポーターが誕生しました。
2018.05.20内灘町ロマンチックウォーク&ふれあい健康フェア
晴天に恵まれての開催となりました。
ふれあい健康フェアの「認知症相談」ブースには、3時間で30人程の地域の皆様からのご相談がありました。
2018.04.24【論文発表】
精神神経科学 嶋田貴充助教らの論文「Cerebellar activation during a motor task in conversion disorder with motor paralysis: A case report and fMRI study」がNeuropsychopharmacology Reports誌に掲載されました。

転換性障害の背景にある神経学的基盤についてはほとんど知られていない。今回、転換性障害の運動麻痺に関連するメカニズムを解明するために、機能的核磁気共鳴画像(fMRI)を用いて検討を行った。運動麻痺を伴う転換性障害患者において、fMRIを用いて両側足関節の底屈・背屈により誘発された脳賦活領域を運動麻痺の改善前後で比較した。結果は運動麻痺の残存時では小脳後葉における賦活を認めたが、改善時では消失していた。小脳は随意運動と密接に関連する領域であることから、小脳における相補的な異常機能が運動麻痺を伴う転換性障害の神経学的基盤と関連している可能性が示唆された。
2018.04.18医学部で認知症サポーター養成講座実施
医学部4年114名の認知症サポーターが誕生しました。
2018.01.29論文アクセプトのご報告
精神神経科学 大井一高講師らの総説“A Brief Assessment of Intelligence Decline in Schizophrenia As Represented by the Difference between Current and Premorbid Intellectual Quotient”がFrontiers in Psychiatry にアクセプトされました。
2017.11.05「金沢市医師会金沢医学館記念医学賞」を受賞しました。
大井一高講師が「統合失調症の病態における中間表現型を用いた分子遺伝基盤の解明」のテーマで第11回金沢市医師会金沢医学館記念医学賞を受賞しました。
2017.10.11【論文発表】
精神神経科学 大井一高講師らの論文“Cognitive Clustering in Schizophrenia Patients, their First-Degree Relatives and Healthy Subjects is Associated with Anterior Cingulate Cortex Volume”がNeuroImage: Clinical誌に掲載されました
2017.10.02統合失調症ガイドライン講習:北國新聞朝刊にて掲載されました。
大井一高 講師が指導医として講師を務めた統合失調症ガイドライン講習の様子が平成29年10月2日の北國新聞朝刊にて掲載されました。
 全国の 30 以上の精神科医療施設が参加する「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究:Effectiveness of GUIdeline for Dissemination and Education in psychiatric treatment」略してEGUIDEプロジェクト(http://sp-web.sakura.ne.jp/eguide/)では、ガイドラインの普及と教育を行うために、ガイドラインの講習を若手の精神科医を対象に行うことにより、その効果が得られるかどうかを検討することを行っています。今後、EGUIDEプロジェクトを推進することにより、精神科医に対するガイドラインを用いた教育が行われ、より適切な治療が広く行われることを期待しています。
 EGUIDEは、昨年から始まったプロジェクトであり、約10年間統合失調症とうつ病のガイドラインの普及と教育に努めていく予定です。北陸の4大学の中では、昨年度から金沢医科大学が参加し、今年度からは金沢大学、富山大学、福井大学も加わり、北陸の4大学すべてが参加することとなりました。そのため、今年度は北陸で初となるEGUIDE講習の開催が可能となりました。平成29年10月1日に金沢大学にて統合失調症のEGUIDE講習され、北陸4大学からは若手だけでなく中堅から教授まで各大学医局員の大多数の精神科医が参加されました。大井一高講師が指導医として講師を務め、その様子が平成29年10月2日の北國新聞朝刊にて掲載されました。
2017.9.23多職種精神科オープンカンファレンス
 医学部・看護学部の学生に「チーム医療」を学ぶ機会を有機的に提供するため、教職員および医療スタッフのスキルアップを目的としたオープンカンファレンス研修会を開催しました。
 また、院内の多職種・地域の訪問看護ステーションとともに、地域医療連携促進について語り合う機会にもなりました。
 参加者からは、「多職種の方々の意見が聞けて、患者さんとご家族の生活のあり様が具体的にイメージできました。地域生活を支えるうえで、どのようにアプローチしたらよいかを、様々な立場から話し合えたことも、非常に勉強になりました」などの声をいただきました。
*オープンカンファレンスにおきましては事前に患者さんから許可をいただき、加えて、個人情報の保護を厳守しております。
2017.09.08「橘会賞」が授与されました。
大井一高 講師のTranslational Psychiatry誌に掲載された論文“ Variability of 128 schizophrenia-associated gene variants across distinct ethnic populations”の内容について、金沢医科大学橘勝会 金沢医科大学「橘会賞」が授与されました。
2017.09.08「論文表彰」が授与されました。
大井一高 講師のSchizophrenia Research誌に掲載された論文“Specific gene expression patterns of 108 schizophrenia-associated loci in cortex”の内容について、金沢医科大学医学会 金沢医科大学医学会「論文表彰」が授与されました。
2017.07.07北國新聞朝刊に掲載されました。
大井一高 講師の論文が2017年7月7日の北國新聞朝刊に掲載されました。
2017.06.27大久保 裕章助教が第113回日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞(一般演題部門)を受賞しました。
 精神神経科学 大久保 裕章助教が第113回日本精神神経学会学術総会 優秀発表賞(一般演題部門)を受賞しました。
 2017年6月22日~24日に愛知県名古屋市にて開催された、第113回日本精神神経学会学術総会において、200をこえる一般演題の中から、精神神経科学の大久保裕章助教が優秀発表賞を受賞しました。本学会は日本国内における精神医学の主たる研究発表の場としてのみならず、臨床家・研究者間、さらに他職種との情報交換と人的交流の場として毎年、開催されています。受賞研究である「うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激法の効果の検討」では、研究参加に同意されたうつ病患者に対して反復経頭蓋磁気刺激法を施行し、その前後で各種心理検査を施行したところ、反復経頭蓋磁気刺激法が抑うつ気分よりもむしろ不安感や恐怖感といった面により効果を発揮することが明らかになり、反復経頭蓋磁気刺激法が扁桃体への作用と関連した機序を有する可能性が示唆されました。この結果は、反復経頭蓋磁気刺激法の作用機序を解明する一助となり、ひいては反復経頭蓋磁気刺激法の効果の予測、さらには反復経頭蓋磁気刺激法のうつ病以外の精神疾患への適応を考える点で大きな一歩となると考えられます。
2017.06.18大井一高講師がWFSBP2017 Young Investigator Award for Best Postersを受賞しました。
2017年6月18日(日)~22日(木)にデンマーク コペンハーゲン・Bella Center Copenhagenにて開催された第13回World Congress Of Biological Psychiatry(WFSBP 2017)において、WFSBP2017 Young Investigator Award for Best Posters を受賞しました。Young Investigator Award for Best Postersは、ポスター発表者の中から8名を選考した賞になります。2010年の第10回大会においても同賞を受賞しており、2回目の受賞になります。残念ながら受賞式のClosing Ceremonyには飛行機の時間の都合で参加できませんでした。本学会は、2年に1度開催されており、生物精神医学の国際的な研究発表の場として活動が継続されています。今回、私はScientific Reports誌に掲載された論文“Impact of Familial Loading on Prefrontal Activation in Major Psychiatric Disorders: A Near-Infrared Spectroscopy (NIRS) Study”の内容についてポスター発表をしました。本研究では、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いて、統合失調症、うつ病、双極性障害といった主要な精神障害を対象に、家族集積性の有無が言語流暢性課題中の前頭葉血流に及ぼす影響を検討し、家族歴を有する患者 (特に統合失調症患者)は家族歴を有しない患者に比べ言語流暢性課題中の前頭葉血流が低下していることを見出しました。このように、精神障害の家族集積性に着目し、NIRSにて測定する前頭葉機能を中間表現型として用いることで、今後、精神障害の分子遺伝学的基盤が明らかになることを期待しています。
2017.6.4能登空港で認知症キャラバン・メイト養成講座開催!
 石川県 健康福祉部 長寿社会課のご協力を得て、認知症キャラバン・メイト養成講座に、金沢医科大学の学生、病院職員とともに参加しました。
快晴の天気の休日にもかかわらず、135名の参加者が集い、当科の卒業生である玉井顯先生(現敦賀温泉病院理事長)の認知症の基礎知識のお話しに聞き入り、また、当科の主任教授の川﨑康弘先生の指導でグループワークなどに取り組みました。  参加者の多くは介護や福祉、地域の医療に携わる専門職の方でしたが、ボランティアの方もご参加になられていて、それぞれの経験を背景にもった多くの方に、分かりやすくお伝えする工夫をスタッフ自身が考えさせていただくいい機会になり、対面式でキャラバン・メイトやサポーターの研修が行われる意義を再確認しました。
 「ほかの人が実際にやっているところを見学させてほしい」などの感想があり、今後はキャラバン・メイトになられたこの意欲のある方々が、実際にサポーター養成講座の開催に取り組みやすいような支援体制が必要だという新しい課題も見えました。
2017.5.30看護学部で認知症サポーター養成講座実施
 今年も、内灘町のご協力を得て、看護学部2年生71名が認知症サポーターになりました。看護師として就職したばかりの卒業生が寸劇を通してわかりやすく対応を説明してくれました。
2017.5.21内灘町ロマンチックウォーク&ふれあい健康フェア
 好天に恵まれ、当日は550名の方の参加があったそうです。
 ふれあい健康フェアでは、血圧や骨密度の測定などとともに、認知機能の簡易検査の機械を置いて認知症診断コーナーが設置されました。簡易チェックを希望される方の列は、3時間半の開設時間いっぱい途切れることなく続きました。
2017.5.15論文アクセプトのご報告
精神神経科学 大井一高講師らの論文“Spatial and Temporal Expression Patterns of Genes around Nine Neuroticism-Associated Loci”がProgress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatryにアクセプトされまし た
2017.5.12北國新聞朝刊に掲載されました。
大井一高 講師の論文が2017年5月12日の北國新聞朝刊に掲載されました。
2017.5.8論文アクセプトのご報告
大井一高講師らの論文“Response to benzodiazepines and the clinical course in malignant catatonia associated with schizophrenia:A case report”がMedicineにアクセプトされました
2017.3.2論文アクセプトのご報告
康山俊樹 大学院生らの論文”Differences in social functioning among patients with major psychiatric disorders: Interpersonal communication is impaired in patients with schizophrenia and correlates with an increase in schizotypal traits”がPsychiatry Researchにアクセプトされました。
2017.2.28論文アクセプトのご報告
医学部学生 梁祐輔、武内美奈、上田奈保子、大井一高講師らの論文”Olfactory Function in Neuropsychiatric Disorders”がPsychiatry Researchにアクセプトされました。
2017.2.20論文アクセプトのご報告
大井一高講師らの論文”Impact of Familial Loading on Prefrontal Activation in Major Psychiatric Disorders: A Near-Infrared Spectroscopy (NIRS) Study”がScientific Reportsにアクセプトされました。
2017.2.15金沢医科大学病院に認知症サポーター続々誕生!
 金沢医科大学サービス向上委員会主催で、病院職員を対象とした認知症サポーター養成講座を開催しました。病院内を歩いていると、オレンジバッジをつけている職員が増えた実感があります。
 2年目の開催だったにもかかわらず、130名の参加があり、認知症の方へのサポートの意識の高さを感じました。「昨年も参加したけれど、とてもよかったので、今年も参加しました」との声も聞かれました。
今年度は、新しい試みとして、講座の最後に、参加者の皆さんにサポーターとしての取り組みを一言表明してもらいました。「ゆっくりと話しをします」「あたたかく見守ります」「話を聞きます」など、具体的ですぐできる言葉が多く、認知症サポーターの役割がしっかりと伝わったと感じました。
2017.02.12市民公開講座「知って得する、知ると安心 認知症の知識」
2017年2月12日日曜日、金沢市内のホテル日航金沢にて、市民公開講座を開催しました。
多くの市民の皆さんのご参加をいただき、認知症への関心の大きさを実感しました。
金沢医科大学神経科精神科の川﨑康弘教授からは、
認知症サポーターキャラバンの活動への本学学生の取り組みの紹介、
生理学の加藤伸郎教授からは最新のアルツハイマー予防の研究、
そして、高齢医学の入谷敦講師からは最新の認知症診療の流れなどの紹介がありました。

文責:精神科橋本
2016.12.20論文アクセプトのご報告
大井 一高講師らの論文”Variability of 128 Schizophrenia-Associated Gene Variants across Distinct Ethnic Populations”がTranslational Psychiatryに アクセプトされました。
2016.7.30夏休みキッズ探検隊活動報告
2016年7月30日、金沢医科大学病院夏休みキッズ探検隊が行われました。
「夏休みキッズ探検隊」は、がんの親をもつお子さんに
病気の正しい知識を提供させていただくと共に、
病院内の見学や、病院スタッフ、同じようにがんの親を持つ子どもさん達との交流を通して
子どもさんたちが様々な困難に取り組む力を育むことを目指した取り組みです。
子ども達は、手術室での看護師や医師、患者役に分かれた体験や、
点滴の針が柔らかいことなどを体験したり、薬局でお薬を分ける機械に触れたり、
放射線治療室で大きな機械に目をおおきくして学んでおられました。
2年目になるこの取り組みは多くの方のご理解とご協力をいただきました。
お世話になった皆様に深く御礼申し上げます。
文責:精神科橋本
2016.7.30~31認知症サポーターキャラバン活動報告
2016年7月30日・31日と氷見市の高齢化の進む地域へ、健康調査を実施いたしました。
今年も金沢医科大学医学部・看護学部の学生16名
と教職員で個別にお宅訪問させていただきました。
本活動は、4年目を迎えました。
学生ボランティアの皆さんの地域貢献をしたいという熱意に感動し、
また、ご協力くださった地域の皆さんのやさしいお心づかいに
ホッと心のなごむ時間となりました。
お世話になった地域の皆様に深く御礼申し上げます。
文責:精神科橋本
2016.5.24認知症サポータ養成講座実施
今年も金沢医科大学看護学部2年生を対象に認知症サポーター養成講座を開催しました。
内灘町に新たに約80名の認知症サポーターが誕生しました。
昨年、氷見の調査活動などに参加し、現在は金沢医科大学病院の看護師として活躍してくれている卒業生が、認知症の方が元気で地域で生き生きと生活されるために、一般人として、そして、医療スタッフとして私たちにできることを寸劇を交えて教えてくれました。
認知症サポーターキャラバンの活動を通して感じたことや後輩へのエールをうかがい、この活動は素晴らしいな!また明日から頑張ろう!という気持ちになりました。
内灘町の地域包括支援センターの皆様にもご協力をいただきました。ありがとうございます。文責:精神科橋本
2016.5.24論文アクセプトのご報告
大井 一高助教らの論文”Polygenetic Components for Schizophrenia, Bipolar Disorder and Rheumatoid Arthritis Predict Risk of Schizophrenia”がSchizophrenia Researchにアクセプトされました。
2016.4.25論文アクセプトのご報告
大井 一高助教らの論文”The Five-Factor Model Personality Traits in Schizophrenia: A Meta-Analysis”がPsychiatry Researchにアクセプトされまし た。
2016.4.18論文アクセプトのご報告
大井 一高助教らの論文”Specific Gene Expression Patterns of 108 Schizophrenia Associated Loci in Cortex” がSchizophrenia Researchにアクセプトされました。
2016.4.12新年度の歓迎会が行われました


精神科医局も2016年の春を迎えました。喜ばしいことに、医師1名、看護師2名、臨床心理士1名のニューフェイスが仲間に加わりました。 近年、病気の予防に精神面の影響の大きさが注目され、精神医学の専門知識や技術のさらなる向上がわれわれに求められるようになりました。 より専門性の高い見識や技能の追求に加え、幅広い分野への応用など新しい仲間共々今年度も頑張ります!
2016.4.13論文アクセプトのご報告
大井 一高助教らの論文”Schizophrenia Risk Variants in ITIH4 and CALN1 Regulate Genes Expression in Dorsolateral Prefrontal Cortex.”がPsychiatric Geneticsにアクセプトさ れました。
2016.4.5論文アクセプトのご報告
大井 一高助教らの論文”Structural Alterations of the Superior Temporal Gyrus in Schizophrenia: Detailed Subregional Differences.”がEuropean Psychiatryにアクセプトされました。
2016.3.31論文アクセプトのご報告
大井 一高助教らの論文”A comprehensive meta-analysis of ZNF804A SNPs in the risk of schizophrenia among Asian populations.”がAmerican Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Geneticsにアクセプトされました。
2015.10.19第2回 医局説明会のお知らせ
2015年11月10日(火)17時から臨床研究棟4階精神神経科学医局にて医局説明会を開催いたします。精神神経科学にご興味のある研修医や学生の皆さん、是非ご参加ください。
*終了後は懇親会を予定しております。

お問い合わせ、参加申込みは
E-mail:psychiat@kanazawa-med.ac.jp
TEL:076-286-2211(代)内線3437
2015.10.01医局説明会のお知らせ
2015年10月6日(火)17時から臨床研究棟4階精神神経科学医局にて医局説明会を開催いたします。精神神経科学にご興味のある研修医や学生の皆さん、是非ご参加ください。
*終了後は懇親会を予定しております。

お問い合わせ、参加申込みは
E-mail:psychiat@kanazawa-med.ac.jp
TEL:076-286-2211(代)内線3437
2015.08.09宮崎ますみさんにご講演いただきました
2015年8月9日北陸がんプロ主催の市民講座に宮崎ますみさんがいらしてくださいました。
「乳がんの母子間の精神的サポートのあり方」という題でお話しいただきました。ご自身が乳がんのサバイバーであり、また、ご家族にがんの患者さんがいらしたご経験の中で自分自身のこころやからだからのメッセージに素直に耳を傾け、いたわることの大切さ子どもたちの話を聞く当事者ではない立場の大人の存在の重要性などが語られました。
2015.08.08夏休みキッズ探検隊開催
2015年8月8日金沢医科大学病院夏休みキッズ探検隊を開催しました。これは、当院の緩和ケア委員会主催で行い、精神科も協力しました。
6名の小学生がご参加くださいました。
夏休みキッズ探検隊はがんをわすらった親御さんのお子さんを対象として病院見学やがんについての学習、工作などの活動を通し同じ立場の仲間を作り、正しい知識を持つことで、子どもたちの成長力を促進することを目的としています。
やはり病院探検は一番人気で、各見学場所のスタッフの工夫に感動でした。

参加して下さったご家族の皆さん、お世話になったスタッフの皆様に深く御礼申し上げます。
2015.08.01認知症サポーターキャラバン
2015年8月1日・2日と氷見市の高齢化の進む地域へ、健康調査を実施いたしました。
本活動は、3年目を迎えました。毎年参加してくれる学生ボランティアの皆さんの成長を感じまた、毎年お目にかかる地域の皆さんの変わらないお元気なご様子にホッと心のなごむ時間となりました。

お世話になった地域の皆様に深く御礼申し上げます。
2015.07.16就労応援セミナー開催しました!
7月16日(木)の午後13時より石川労働局のみなさまを講師に就労支援セミナーを実施しました。
当事者のみなさまに加えて、ご家族様、当病院のスタッフなど総勢19名の参加がありました。セミナーには現在治療を継続しながら、一歩一歩階段を上がるようにご自分の夢に向かって就労を果たされた先輩当事者の方のお話などもうかがえ良い相互交流が出来たように思います。
2015.07.16認知症サポーター養成講座開催!
看護学部に次いで、医学部でも実施しました
昨年度、認知症サポーターキャラバンメイト講座を受講された学生ボランティアのうちの医学部6年生の3人が、認知症サポーター養成講座の講師役をしてくれました。学生の皆さんの参加型で、医師としての見識に加えて地域を知り患者さんやご家族の心のケアも視野に入れた医療について先輩から後輩へ熱いメッセージが語られました。
【文責:橋本玲子】
2015.06.16夏休みキッズ探検隊
北陸CLIMB
金沢医科大学病院では、がん患者さんと、お子さんを含めた総合的支援に取り組んでいます。
このイベントは、親ががんである子どもさんが、同じような状況にある子どもさんたちと集い、「同じ立場の仲間と出会うこと」、「がんに対する理解を深めること」、「医療関係者との関わりを持つこと」などの体験を通して病院や病気に対する怖さや不安を和らげ、更には家族内のコミュニケーションの促進や子どもが本来持っている困難を跳ね返す力を高めることを目的としています。

日 時:平成27年8月8日(土)10:00~14:00(9:30受付開始)
場 所:金沢医科大学病院 新館12階 特別会議室
対 象:小学1~6年生
定 員:10名
内 容:①がんについて学ぼう!
    ②病院内を探検しよう!など
参加費:無料(昼食付き)
応募締切:平成27年7月17日(金)

【申込み・問い合わせ】
金沢医科大学病院 がん診療連携拠点病院
相談支援センター

直通電話:076-218-8217
E-mail:center21@kanazawa-med.ac.jp
FAX:076-286-2372
2015.06.04認知症サポーターキャラバン 認知症サポーター養成講座開催!
昨年度、認知症サポーターキャラバンメイト講座を受講された学生ボランティアのうちの4人の卒業生が、今年度、認知症サポーター養成講座の講師役をしてくれました。
講師役の皆さんは、現在、氷見市民病院で日夜、地域の皆様への医療に従事しておられ、その体験を踏まえ、講座で学んだ認知症に対する知識が役立っていることや認知症の患者さんの気持ちによりそった地域の見守りの大切さを実演・熱演を交えて熱く語ってくださいました。
【文責:橋本玲子】
2014.12.20リエゾンチームの活動報告
リエゾンチーム立ち上げ準備のため神戸市立医療センター西市民病院へ見学に行きました。
今年度本格的に活動を開始した、リエゾンチームの精神科医、リエゾンナース(精神看護専門看護師)、 及び、臨床心理士が派遣されました。
兵庫駅から徒歩10分の市街地に位置するこの市民病院では、身体疾患の治療のため入院された患者さんの手術後のせん妄などの対応やこころのケアに、精神科医師、リエゾンナース、臨床心理士・ソーシャルワーカー、作業療法士が、チームとして協働し、病棟スタッフとの連携を図っておられました。
その熱い活動に学び、金沢医科大学病院での医療に貢献していきたい思いを熱くしてきました。
【文責:橋本玲子】
2014.01.15261名の参加を得て、大盛況で終わりました!
第45回日本芸術療法学会 開催報告
平成25年11月30日(金沢医科大学)~12月 1日(金沢都ホテル)
テーマを「ホンモノ」とし、川﨑康弘教授を会長に開催された第45回日本芸術療法学会は、2日間を通じて「表現と人生」「コラージュ」「描画」「イメージ」「音楽」を研究素材とした一般演題24題が熱心に討論され、シンポジウムでは4人のシンポジストの先生方によるお話に参加者全員が真摯に耳を傾け、多くの学びを得ることができました。
また、懇親会には、金沢の礼楽研究会の皆様による雅楽の演奏で彩りを添えていただき、様々な交流がもたらされました。
多くの方々の御力添えを得て、無事終えることができましたことに深く感謝をいたします。
【文責:北本福美(実行委員長)】
2014.01.15465名の来場者の皆様と共に命の輝きを感じました☆
第2回 ホスピタルアート展 開催報告
(第45回日本芸術療法学会同時開催)
平成25年11月29日~12月2日(病院新館12階大会議室)
命の輝きを感じられる芸術を届けたいとの思いを込め制作された陶彩画家・草場一壽氏による作品展示に触れた患者様からは、「この時期に入院していて良かった」「今、未来、感じた。穏やかになった」「心が元気になりました」「心が洗われました」等の好評を得ました。

また、29日に開催された同氏のトークショーでの池末みゆき氏のライアー演奏(シュタイナー教育で用いる楽器)、30日に開催された同氏と池田知枝子氏の表現アートセラピーの会場へも多くの患者様が足を運ばれました。

【文責:北本福美(実行委員長)】
2013.10.01認知症サポーターキャラバン
8月10日・11日と氷見市の高齢化の進む地域へ、健康調査を実施いたしました。
スタッフは、本学の学生や職員のボランティアによって構成されました。
地域の方の健康維持・増進の他に、当学のスタッフの教育的効果も期待しての企画でしたので、参加された何人かの方に、ボランティア体験を通しての感想をいただきました。
お世話になった地域の皆様に深く御礼申し上げます。

「インタビューの体験を通して、ある目的を持って接し、何かを聞き出す事の難しさを心の底から実感しました。
もしこのプログラムに参加していなかったら、認知症の患者さんを抱えるご家族の苦悩に目を向ける事もなかったと思います。精神科は人間カが問われる印象をうけ、短期間ながら現地で感じた事と、教室で学んだ事とを結び付けて、今後の深い理解につなげたいです。」
Kさん(金沢医科大学医学部4年)

「検査を実施する上での実践的な技術を学ぶことができ、高齢者の方への聞き取りの力も磨かれた有意義なボランティアであったと思います。」
Kさん(金沢医科大学医学部4年)

「2日にわたるボランティアでしたが、実際的な面接経験を積めたことは私にとって大きな収穫でした。
このような機会を与えてくださった精神神経科学教室の皆様や、仲間たちに感謝したいです。ありがとうございました。」
Iさん(金沢医科大学医学部4年)

「今回の実習を通して医師という仕事の幅を広げることができました。
以前は、医師の仕事の殆どは病院に来られる患者さんを診察するものだと思っていました。
しかし、地域の皆さんの所に足を運び病気の予防や早期発見、そして情報を発信し、「健康なまちづくり」の推進も医師にできる重要な仕事の一つであることを実感しました。
今回の体験は地域医療も含め医師の仕事の範囲の広さを再認識し、さらなる勉学の必要性を痛感しているところです。
最後になりますが、実習に参加してくださった地域の皆様方、そして、未熟な私たちに丁寧にご教示くださった先生方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。」
Sさん(金沢医科大学医学部4年)
2013.08.06川﨑康弘教授が「からだ大辞典」(テレビ金沢)に出演しました!
当科の川﨑康弘教授が「早期発見・治療を!統合失調症」というテーマでお話しされています。
非現実的なことが身の回りで起きているように錯覚してしまう幻覚や妄想に悩まされる心の病、統合失調症。
100人に1人ともいわれる珍しくない病気で今後の社会生活に大きく関係しているため、 早期治療が大切との話題です。(ダイジェストより)

ご興味のある方は、テレビ金沢の「からだ大辞典」をご覧ください。
2013.08.06「家族教室」の取り組みが始まりました!
精神疾患を患われ療養生活をおくる中であっても、夢・希望を持つことや、社会とのつながりの中での癒しが重要視されるようになり、取り巻く制度も変化しつつあります。
金沢医科大学神経科精神科で始まった「家族教室」は、統合失調症と診断を受け、治療を行っている患者様のご家族に参加していただくプログラムです。
「最新の情報提供」と、日常的な対処の仕方の工夫をご家族・スタッフが共にアイディアを出し合う「グループワーク」の2本立てで行われます。
このようなプログラムは、最近活発に病院や地域などで行われており、今後も広がりが期待されています。

2012年の3月より研修を積み重ね、ご家族の声に支えられながら2013年1月からの開催にたどり着きました。
参加されたご家族の皆様に「参加してよかった!」と心から思っていただけるよう、試行錯誤をしながら取り組んでいます。
2013.08.06川﨑教授の講演を聞いてきました!
ファイザー株式会社主催の「精神科診療連携カンファレンス」が行われました。
地域の精神科病院、及び、クリニックの先生方が一堂に会しての交流研修会です。
その中の基調講演で、当医局の川﨑教授の講演があり、医局員みんなで参加しました。

「金沢医科大学における精神科診療連携の取り組み」と題した講演は、
① 高度な技術を持つ総合医療機関として地域連携に取り組み
② 教育研究機関ならではの特性のある先進医療を活かした、
③ 患者中心の医療を提供したい。

という内容で、現在取り組んでいる、『「オアシス」こころのリスク外来』や『こころの健康検査入院』の取り組みなどの紹介がありました。

心に残ったのは、「病気かどうか、お薬が必要かどうかだけでなく、本当に患者さんの困っていることから診療が始まり、患者さんの解決したいことに一緒に取り組んでいくことを大切にしたい。」
という話でした。

その後の、フリーディスカッションでは、参加されていた皆様からの意欲のあるあつ~い討論(!?)が交わされていました。
連携はいろいろなところにあって、継続して考えていく必要があるのですね(^。^)
文責:臨床心理士 橋本玲子
2013.08.06高齢化の進む地域における地域支援・連携の在り方を研究中!
「高齢化の進む過疎地域におけるライフ・イノベーション創出」という目標を掲げ、金沢医科大学内の決起大会が、去る2013年6月14日(金)に行われました。
これまで、金沢医科大学は、氷見市民病院や公立穴水病院との連携を通して、能登地区医療の充実を図ってきました。
地域の拠点病院と連携し、地域で生活される高齢者の皆様やそのご家族の抱える不安・悩みに応え、支えとなるシステムを構築していきたいという熱意が語られました。
また、この取り組みにボランティア・スタッフとして参加する、本学・本院の学生や医師、職員が、地域の様子を肌で学ばせていただくことで、「患者さんのニーズに応じた質の高い診療業務、地域に根ざした特色ある医療教育」の実現を目指しています。

その一環として、8月4日(日)には、当医局の先輩方の試行錯誤が結集した調査ツールを学ぶ「キャラバンメイトスキルアップ研修」が、ボランティア・スタッフに向けて行われました。

また、8月10日(土)・11日(日)の2日間を通して、研修を受けたボランティア・スタッフによる地域調査の取り組みが行われます。

お住まいの地域に「キャラバンメイト」が訪問しましたら、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
文責:臨床心理士 橋本玲子