ドクターヘリ試乗会

 平成15年5月23日(金)中日本航空の協力により、ドクターヘリ(ユーロコプターEC135)の試乗会が行われた。本学の医師12名、看護師2名、事務職員約30名、および消防関係者8名が参加した。天候にも恵まれ、短時間ではあったが快適なフライトになった。
 試乗会の目的は、ドクターヘリの存在を知っていただくこと、内灘と日本海の景観を空から楽しんでいただくことであった。以下、ドクターヘリについて若干の説明を行う。
 わが国のドクターヘリは2年前の川崎医大における導入を皮切りに現在では7県(7施設:私立医大5、公立医大1、民間病院1)で運用されている。運行は民間航空会社(単独または複数社)へ委託され、病院のヘリポートにヘリコプターとパイロットを含む3名の要員が365日常駐している。各県が保有する防災ヘリとの違いは、救急専用であること、医療機関に所属していること、の2点である。したがって、本学のドクターカー同様に我々の意志で、救急現場への医療チーム派遣や遠隔地からの患者搬送に使用することができる。石川県では、第3次救急医療機関まで陸路で2時間という地域もあり、重症患者の搬送に苦慮することもある。しかし、ドクターヘリを導入すれば、ヘリ搬送の目安を概ね100km圏としても、北陸地域を越える範囲が金沢医科大学の視野に入ることになる。
 ドクターヘリを導入するまで様々な問題を解決しなければならないが、今後情報提供を行いながら徐々に前進させていきたいと考えている。今回の試乗会に関し管理課をはじめとする皆様のご協力にお礼申し上げるとともに、今後もご理解とご協力を賜るようお願い申し上げる次第である。

(金沢医科大学報No.115August2003に掲載)

   

   

    

     


Star of Life (生命の星) について

スターオブライフ(Star of Life)は救急医療(以下EMS)のシンボルとして使われています。

スターオブライフの放射線状に伸びた6本の柱はそれぞれEMSの機能を表しています。


スターオブライフの由来 『アスクレピオスの杖』

 ギリシャ神話に出てくるアスクレピオス(Asklepios,またはAesculapius)が持っている杖で、彼は太陽神アポロンの子。半身が馬のケンタウロス族の賢人ケイロンから医術を教わり死から人間を救う術を覚え、死者をも蘇らせたという。しかしこれが冥王ハデス(死の世界の王)の怒りを買い、殺されて星座(蛇つかい座)にされてしまったが死後、医学と治療の神として崇められることとなった。また、古代ギリシャでは蛇を神聖視して、健康のシンボルと考えられ、ローマで疫病が流行した際にアシクレピオスが蛇の姿で現れ市民を救ったという伝説もある。
 さらに、もう一つの下記のギリシャ神話もある。
 砂漠を旅する賢者の食べ物が底をつき、あとは死を待つのみとなってしまった。そして最後の夜、死を目前にして賢者は夢を見た。その夢に白い蛇が現れて、こう言った。「そなたの持っている杖で砂を掘ってみなさい」。言われたままに砂を掘ると、水が湧いてきた。こうして、賢者は命を救われた。
・・この言い伝えから、蛇を「知識」、杖は「命」にたとえられるようになったという。