免疫療法とは

私たちの体内では毎日多くの細胞が“がん化”しており、この脅威に常にさらされています。
がんとは、簡単に言えば、「細胞の遺伝子が傷ついて起こる病気」です。がん細胞は遺伝子が傷ついているために、周りの正常な細胞を押しのけて増え続けたり、転移して他の臓器を壊してしまいます。実は、私たちの体のなかでは、毎日「がん細胞」が生まれています。例えて言うならば「がんの芽」のようなものです。ただ、がんの芽が生まれても、すぐに発病するわけではありません。人には体内に発生してしまったがん細胞を抑えるために、がんの芽を排除する免疫監視システム(免疫細胞)が備わっているからです。免疫は、さまざまなカビ、細菌、ウイルスなどを排除して感染症から体を守ってくれていますが、同時に毎日生まれるがん細胞を、小さな芽のうちにつぶしてくれているのです。
しかし、がんの芽の数があまりにも多い場合や、そこに体力の極端な消耗や免疫力の低下のような要因が重なると、免疫監視システムが十分に働かず、がんの芽を取り逃すことになります。取り残されたがんの芽が増え続け、やがて大きながんに成長していくのです。
免疫監視システムは、毒性を弱めたり不活化した病原体(ウイルスや細菌など)を「ワクチン」として注射すると、その病原体を記憶し、本物の病原体が体内に侵入してきたときに、すぐに免疫細胞が働いて攻撃できるようになっています。免疫細胞は病原体だけでなく、がん化した細胞も認識して排除することもできますが、がんに対するワクチンはその力を増強させることができます。

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がん免疫療法とは

標準的ながん治療の3大療法として、手術療法・化学療法(抗がん剤)・放射線療法があります。一方、がん免疫療法は、人の体にもともと備わっている免疫の力を利用して、がん細胞を取り除く治療法です。がんの標準的な治療法とがん免疫療法では作用の仕方が異なることから、両者を組み合わせることで、よりよい効果があると考えられています。
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がん免疫療法の種類

がん免疫療法にはさまざまな種類があり、がん細胞を狙い撃ちするがん特異的な治療法と、身体の免疫力全体を底上げする非特異的な治療法に大別できます。

免疫力を増強 免疫抑制を解除
がんを狙い撃ちする 免疫力全体を高める
細胞を使用

樹状細胞ワクチン療法

リンパ球療法

  • 活性化リンパ球療法
  • NK細胞療法
細菌サイトカインペプチド抗体等を使用

抗体薬

  • トラスツズマブ
  • イブリツモマブチウキセタン

ペプチドワクチン療法

免疫賦活剤

  • 丸山ワクチン
  • OK-432
  • レンチナン
  • クレスチン

サイトカイン療法

  • IFN-α
  • IL-2

免疫チェックポイント阻害剤

  • 抗PD-1抗体
  • 抗PD-L1抗体
  • 抗CTLA-4抗体

最新世代のがん免疫療法「樹状細胞ワクチン療法」とは

がん細胞の特徴を覚えて攻撃します。

最新世代のがん免疫療法「樹状細胞ワクチン療法」とはどういう治療法なのでしょうか?