卵巣腫瘍茎捻転


はじめに

 この書類は、私が以前に学会発表用の資料として作成した覚え書きです。 一部に、自験のデータも書き加えました。 意味不明な点などございましたらご指摘お願いします。


目次

発症機転 | 発症しやすい条件 | 発生頻度 | 妊娠合併例
| 発症年齢 | 発生側 | 腫瘍の大きさ | 病態生理
| 自覚症状 | 他覚症状 | 鑑別疾患 | 腫瘍組織型
| 治療

1)発症機転

 卵巣腫瘍茎捻転を発症させる要因とは?

2)発症しやすい条件

 卵巣腫瘍茎捻転を発症しやすい条件として、以下の点が挙げられていました。

3)発生頻度

 卵巣腫瘍茎捻転の発生頻度について過去の報告を列記しました。

4)妊娠合併例



5)発症年齢

平均年齢

頻度

20歳代30歳代40歳代合計
西田
(1981)
21/59
(35.6%)
16/59
(27.1%)
8/59
(13.6%)
45/59
(76.3%)
金武
(1986)
16/37
(43.2%)
9/37
(24.3%)
6/37
(16.2%)
31/37
(83.8%)
金城
(1994)
8/34
(23.5%)
8/34
(23.5%)
6/34
(17.6%)
22/34
(67.6%)
藤井
(1996)
10/38
(26.3%)
9/38
(23.7%)
8/38
(21.1%)
27/38
(71.1%)

20〜40歳代に好発する理由


6)発生側

 従来より右側に多いことが指摘されている

 左側に少ない理由

 両側発生


7)腫瘍の大きさ

 茎捻転を起こした卵巣腫瘍の大きさについて過去の報告を列記しました。

8)病態生理

絞扼が重度の時

   cf.30.8%に開腹時、血液を含有した腹腔内貯留液を認めた。(1964:McGowan)

絞扼が軽度の時

極めて緩徐な茎捻転の場合


9)自覚症状



10)他覚症状



11)鑑別疾患



12)腫瘍組織型

(a)類皮嚢胞腫

 最も多い(1888:Thornton)

 頻度

 類皮嚢胞腫に合併する頻度

 茎捻転を起こした類皮嚢胞腫/全類皮嚢胞腫(%)

(b)傍卵巣嚢腫

 頻度

(c)悪性腫瘍

 少ない

 頻度

 悪性腫瘍が少ない理由

(d)正常卵巣

 頻度

(e)組織診断不能例

 頻度

 時間経過と組織学的変化(1981:西田)


13)治療

 手術療法が第一選択

(a)腫瘍摘出術

(b)付属器摘除

 頻度

(c)子宮全摘術+両側付属器摘除術

 

(d)緊急手術

 頻度

  cf.病変部の卵巣卵管を供給する血管系に血栓形成を認めたり、それらの臓器が壊死に陥っている場合、捻転部を元に戻して腫瘍摘出を行うと血栓や壊死物質が全身循環に入り、肺塞栓が起こりうる。(1985:Nichols)


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最終更新日:96/10/14, version 1.2