【論文発表】精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らの論文“Shared Genetic Etiology between Anxiety Disorders and Psychiatric and Related Intermediate Phenotypes”がPsychological Medicine誌に掲載されました

精神疾患や疾患に関連する中間表現型は、高い遺伝性があり、複雑で重複する多遺伝子構造を取ることが知られています。パニック症や社交不安症などを含む不安症の大規模全ゲノム関連解析 (GWAS)では、不安症と関連するいくつかのゲノムワイド有意な遺伝子多型が同定されています。
本研究では、大規模GWAS結果を用いて2つの表現型間の遺伝的相関を検討するLD score regression解析により、不安症と様々な精神疾患や中間表現型間における遺伝的共通性を検討しました。不安症の大規模GWASから、2つのモデルに基づく表現型 (Case-controlとFactor score)を不安症の表現型として用いました。精神疾患は、統合失調症、うつ病、双極性障害、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、強迫性障害など8つの精神疾患を、中間表現型としては、海馬、被殻など7つの皮質下体積、認知機能、主観的ウェルビーイング、孤独感、神経症傾向、外向性などの性格傾向の大規模GWAS結果 (n=7,556–298,420)を用いて、不安症との遺伝的相関を検討しました。
精神疾患間では、不安症のリスクは、うつ病 (rg=0.83)、統合失調症 (rg=0.28)、注意欠如多動症 (rg=0.34)と遺伝的に正の相関を示しました。中間表現型では、不安症のリスクは、神経症傾向 (rg=0.81)と遺伝的に正の相関、主観的ウェルビーイング (rg=-0.73)、認知機能 (rg=-0.23)、被殻体積 (rg=-0.50)と遺伝的に負の相関を示しました。Case-controlモデルに基づく不安症表現型の方が、Factor scoreに基づく不安症表現型よりも、各精神疾患や中間表現型とより強い遺伝的相関を示しました。本研究結果より、不安症の併存症の一部は、共通する遺伝子多型によって説明できることを示唆しています。

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