矯正歯科について

歯科矯正学とは

歯・歯周組織・顎とさらにそれらを包含する顔の正常な成長発育を研究し、それら諸構造の不正な成長発育から引き起こされる不正咬合や顎の異常な関係を改善して顎口腔系の正しい機能を営み、同時に顔貌の改善を計って、社会・心理的に個人の福祉に寄与し、不正状態の発生を予防するための研究と技術を含む歯科の一分科です。

治療内容

一般的な治療の流れおよび費用について

①矯正相談:治療に関する疑問などについてご相談をお受けします。(3千円+税)

②精密検査:レントゲン・顔や歯の写真撮影・歯型の採得などを行います。
(初回限りの検査ではなく矯正治療期間全体を通してかかる費用として3万円+税)

③診断:精密検査で得られた結果と治療方法・料金について十分にご説明いたします。
治療を行うかどうかについては、患者さんに納得していただいた上で決定いたします。
(初回限りのものではなく矯正治療期間全体を通してかかる費用として3万円+税)

④矯正治療開始
1期治療:子供(乳歯列期あるいは混合歯列期)から始める矯正治療
症例により様々な装置を選択し装着します。主に顎骨の成長を利用した骨格的な改善および永久歯の萌出スペースを確保します。
2期治療:大人(永久歯列期)から始める矯正治療
口腔内にワイヤーを約2~3年程度装着して歯並びを改善します。
〈上あごと下あごの歯並び全体を整える場合の費用〉
表側の矯正装置(マルチブラケット装置)の場合は基本料金70万円+毎月6千円の治療費がかかります。また、審美的に目立たないセラミックブラケットを希望される場合には上記金額に20万円の材料代が別途かかります。歯の裏側に矯正装置をつける舌側矯正装置を希望される場合は基本料金100~150万円+毎月7千円の治療費がかかります。
不正咬合の状態により選択できる装置や治療方法が様々あります。お口の中の状態に適した詳細な金額や使用できる装置については担当医よりご説明いたします。

⑤保定:約2年間程度噛み合わせが安定するのを観察します。(通院毎に3千円+税)

矯正治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  • 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日間~1,2週間でなれることが多いです。
  • 歯の動きには個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長することがあります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
  • 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
  • ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ごくまれに歯を動かすことで歯の神経が障害を受けて壊死し、歯の変色や疼痛などがみられ神経の治療が必要となることがあります。
  • 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • 治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状がでることがあります。
  • 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  • 歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
  • 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • 装置を外す時に、歯の表層の歯質であるエナメル質に微小な亀裂が入る可能性やかぶせ物の一部が破損する可能性があります。
  • 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 装置が外れた後、現在の噛み合わせにあった状態のかぶせ物や虫歯の治療などをやり直す可能性があります。
  • あごの成長により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • 治療後に親知らずが生えて、凹凸が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  • 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。