金沢医科大学 呼吸器外科  後期研修医募集

はじめに

呼吸器外科後期研修プログラムの到達目的は以下の3点です。

  • チーム医療の一員として、他の職種の人々と協力・連携し、全人的医療を実践できる医師の養成を行う。
  • 呼吸器外科を基礎に、外科領域一般の基礎知識と技術を教育する。
  • 将来の外科領域(特に呼吸器外科)における指導的役割を担う人材を育成すべく、教育・研究に関する基礎的な教育を行う。

基本的には年間を通じて当科で研修しますが、外科専門医の取得のため、当大学の他の外科部門でも研修を行います。外科専門医取得には、当科以外の外科系教室(消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、小児外科)で数ヶ月の臨床研修が必要となります。必要に応じて他の医療機関での研修も採り入れています。

研修内容と到達目標

第1年次

  • 呼吸器外科関連主要疾患に関する基礎知識を習得する。
  • 病棟において、基本的な処方・指示を適切に出せる。
  • 手術適応の決定に医療チームの一員として参加する。
  • 胸腔ドレーンの挿入と管理が適切に行える。
  • 術前の気管支鏡検査を指導医とともに行える。
  • 基本的な術後管理が行える。
  • 自然気胸の手術および肺楔状切除術の術者を行える。
  • 開胸、閉胸が指導医とともに行える。

第2年次

  • 呼吸器外科関連主要疾患に関する最新の文献的知見を習得する。
  • 病棟において、急変などの緊急時に、指導医の指示のもとに対応できる。
  • 気道内観察、吸痰目的の緊急気管支鏡検査を指導医とともに行える。
  • 高度な術後管理が指導医とともに行える。
  • 胸腔ドレーンの挿入・管理に関して、初期研修医に指導ができる。
  • 肺葉切除術の手術を指導医とともに行える。
  • 開胸、閉胸が行える。

第3年次

  • 主要病棟業務および症例検討会で、初期研修医を指導できる。
  • 病棟における、BSL、CCSの学生に対する指導ができる。
  • 病棟において、急変などの緊急時に適切な対応ができる。
  • 呼吸器外科関連主要疾患に関する抄読会において司会ができる。
  • 気道内観察、吸痰目的の緊急気管支鏡検査を行える。
  • 高度な術後管理が指導医とともに行える。
  • 胸腔ドレーンの管理を適切に行える。
  • 基本的な術後管理を一人で行える。
  • 胸腔鏡下肺葉切除術の手術を指導医とともに行える。
  • 縦隔鏡を指導医とともに行える。

第4年次以降

3年次までに習得した知識・技術をさらに伸ばし、独り立ちした呼吸器外科医としての実力をつけることを目標に研修を行います。

当科で取得できる専門医

呼吸器外科医として臨床・研究活動を進めていくためには、外科専門医および呼吸器外科専門医を取得することが必要です。

外科専門医

修練開始登録後(修練開始の登録が必要です)満4年以上で予備試験である筆記試験を受験します。さらに、修練開始後満5年以上を経た予備試験合格者は、学会の定める最低手術症例数を充足した段階で、認定試験となる面接試験を受験します。なお、卒後初期臨床研修期間満了後約5ヶ月以内に外科修練開始登録した場合は、卒後初期臨床研修開始時まで遡って登録することが可能です。

呼吸器外科専門医

1)卒後修練期間7年以上
2)認定修練施設において3年以上の修練期間
3)3年以上の日本胸部外科学会および日本呼吸器外科学会の会員
4)呼吸器外科学に関する一定の業績、研修実績および手術経験を有する
5)外科専門医である。

以上の5項目を満たすと、呼吸器外科専門医認定試験(筆答試験)を受験できます。

気管支鏡専門医

1)呼吸器内視鏡学会に5年以上在籍
2)呼吸器内視鏡学会学術集会への出席(過去5年間に2回以上)
3)気管支鏡セミナーへの出席(過去5年間に1回以上)
4)気管支鏡診療実績(経験症例計100例以上,術者20例を含む)
5)業績表及び申請に必要な所定単位の取得を証明する書類
6)認定施設、又は関連認定施設での指導医による修練修了証明書を提出して、気管支鏡専門医の試験を受験できます。

気管支鏡の技術を身につけ認定資格を取っておくことは、今後さまざまな面で重要です。

呼吸器専門医(希望者)

他の領域では外科系で研修して内科系の専門医を取ることは困難ですが、呼吸器系では、呼吸器外科医にも呼吸器専門医への道が開かれています。すなわち、将来の診療所開業(継承)に向けて、呼吸器外科医として研修・診療をしながら呼吸器専門医の取得を目指すことも可能です。

1)外科専門医等の資格を取得した年度も含めて3年以上呼吸器学会会員
2)外科専門医を取得し3年間、外科専門医制度の指定施設、呼吸器外科専門医制度の基幹施設または関連施設において、所定の研修カリキュラムに従い呼吸器病学の臨床研修を行った者
3)呼吸器病学関係の論文3編以上および呼吸器関連学会での発表3編以上の業績があれば、呼吸器専門医の試験を受験できます。

大学院進学と研究内容、概要、学位取得後の道筋

当科では、大学院において一定期間、基礎研究に集中することは、将来の研究・臨床活動において重要な役割を果たすと考えます。したがって、後期臨床研修中もしくは後期臨床研修後に、大学院進学を推奨します。
大学院進学希望者には、一定期間、病棟業務を免除し、当科、本大学の基礎系医学教室、もしくは他大学(研究機関を含む)の基礎系医学教室にて、基礎研究に従事することが可能です。学位取得後は、研究結果を英文の医学雑誌に投稿することが義務となります。さらに希望者には留学の機会を提供できます。

他教室・他大学での研修・研究、留学の可能性

他教室・他大学での研修・研究:大学院における研究期間では、当大学の基礎系医学教室のみならず、他大学の基礎系医学教室でも研究が可能です。東北大学を始めとする他大学での研修・研究も可能です。

留学:当科のスタッフは留学経験があり、海外の研究者とも交流があります。留学希望者には、本人の希望する研究内容に対応することができます。

プログラム修了後のコース

コース1(大学院に進学しないコース)
大学病院あるいは国内の呼吸器外科の基幹病院にて臨床に従事し、各種専門医、指導医を取得します。その後も基幹病院で勤務を継続するか、開業をします。

コース2(大学院に進学するコース)
大学院に進学して博士号を取得します。

コース2-1
大学病院にて勤務して各種専門医を取得後に留学します。帰国後は大学もしくは呼吸器外科の基幹病院にて勤務して各種指導医を取得する。その後、大学もしくは基幹病院での勤務、もしくは開業をします。

コース2-2
留学し、帰国後に大学もしくは呼吸器外科の基幹病院にて勤務して各種専門医、さらに指導医を取得します。その後、大学もしくは基幹病院での勤務、もしくは開業をします。

おわりに

以上に示しましたように、当科での研修後には、専門医、大学院、留学、開業(内科系を含む)など、さまざまな選択肢があります。当科では、やる気のある医師を求めていますので、ぜひ後期研修医としての呼吸器外科への参加を期待しています。お問い合わせはこちらまで。