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【論文発表】臨床病理学 大学院生 鄭 剣波さんの論文「Peroxiredoxin 4 promotes embryonal hepatoblastoma cell migration but induces fetal cell differentiation」がAmerican Journal of Translational Research誌に掲載されました。

肝芽腫(Hepatoblastoma, HB)は、肝前駆細胞が正常に分化しないことにより、小児の主な腫瘍性肝疾患である。抗酸化酵素であるペルオキシレドキシン(PRDX)ファミリーは腫瘍性疾患との関連性が示唆された。最近、我々は、PRDXファミリーの中で唯一の分泌型酵素、PRDX4が肝細癌において、重要な役割をもつことを報告した。本研究では、HBに対する、PRDX4の役割を検討した。まずHB 87症例でPRDX4免疫染色を施行し、臨床・病理的な指標との関係を統計学的に評価した。次にHuh6とHepG2のHB株を使用し、PRDX4の発現と細胞増殖能および分化との関係を調べた。臨床データは、胎盤様HBにおいて、PRDX4の高発現群は腫瘍の進行度が高く、転移が多い。胎児様HBに対して、PRDX4の高発現群では、腫瘍細胞の分化度が高い。一方、in vitro実験では、PRDX4過剰発現は、胎盤様HB細胞(Huh6)において上皮‐間葉移行(EMT)を伴った遊走を促進した。さらに、PRDX4過剰発現は胎児様HB細胞(HepG2)において増殖を抑制し、stemnessマーカーを減少させ、肝マーカーを増加させた。PRDX4は胎盤様HB細胞の遊走を促進するが、胎児様HB細胞の分化を誘導する。PRDX4はHB予後の重要マーカーおよび治療応用への可能性が期待される。

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