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臨床病理学 水谷謙一先生の論文 「Serious takotsubo cardiomyopathy: An autopsy case presenting severe irreversible myocardial damage after frequent episodes of recurrence」が「Diagnostic Pathology」に受理されました。

【緒言】たこつぼ心筋症は左心室の一過性の機能不全を特徴とする。月から年単位での再発の報告例が少数あるものの再発率は低い。可逆的な機能障害であり剖検例はまれである。

【症例】91歳、狭心症、高血圧、子宮癌の既往のある日本人女性。両脇の痛みを自覚し救急を受診した。症状改善し帰宅したが、その後も症状が繰り返し、増悪したため初回発症より約1週間後に入院となった。入院時の心エコーでは左心室心尖部側の収縮不良と心基部の過収縮が認められた。入院5日目に死亡し剖検となった。剖検時、肉眼的に左心室は著明に拡張し心尖部左心室壁は菲薄化していた。組織学的に、左心室心尖部、前壁から側壁、心室中隔、右心室にて、細長く波状化した心筋がびまん性に見られ、間質の線維化、出血、好中球浸潤も混在していた。主に左心室の後壁から下壁に収縮帯壊死が認められた。

【結言】本症例では、たこつぼ心筋症と考えられる症状が死亡前の約2週間に繰り返し生じ、剖検では左心室の著名な変性が認められた。短期間にたこつぼ心筋症の発作が繰り返されることで、重篤で不可逆的な心筋の変性が生じ生命に関わる可能性が示唆される。

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