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【論文発表】腎臓内科学 足立浩樹臨床准教授らの「Long-term retrospective observation study to evaluate effects of adiponectin on skeletal muscle in renal transplant recipients」がScientific Reports誌に掲載受理されました。

【背景】サルコペニアは、要介護につながる日常生活機能の低下および転倒だけでなく、死亡率の増加とも関連することが明らかにされており、注目されている病態であるが、腎移植後、長期にわたり血清アディポネクチン(ADPN)と骨格筋量との関連について検討した報告はない。
 
【目的と方法】当院にて1998年以降に腎移植を施行した51例の患者(生体腎40例,献腎11例:男性31例,女性20例)を後ろ向きに観察調査し、CT画像より経年的にPsoas muscle index(PMI)およびIMAC(Intramuscular adipose tissue)を評価し、血清ADPN分画との関連について検討した。さらに移植後糖尿病とPMIおよびIMACとの関連についても検討した。
 
【結果】移植時年齢は移植前PMIと負の相関、移植前IMACと正相関を示した(各々rS=-0.427,p<0.01,rS=0.501,p<0.01)。腎移植前に比し、PMIは腎移植後に徐々に増加した(p<0.01)。一方、IMACは腎移植後に低下した後、再び増加した。多変量解析において、PMIの平均変化量に対して高分子量ADPN濃度の平均変化量の増加が増悪因子となった(p=0.003)。また、PMIおよびIMACの平均変化量の増加が移植後糖尿病の発症に対する増悪因子であった。
 
【結論】腎移植前と比較しPMIは移植後に徐々に増加し、IMACの改善がみられたが、観察期間を延ばすことで筋肉の脂肪化が進み、一旦移植後に増加した骨格筋量が減少に転じる可能性も考えられる。そのため、骨格筋の筋量の維持ならびに脂肪化予防のため、移植後も十分な運動療法が重要になると思われる。

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