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【論文発表】頭頸部外科学・臨床病理学大学院生 小林義明先生の論文「The potential role of follicular helper T cells and helper T cells type 1 in Warthin tumour  」がPathology - Research and Practice誌に受理されました。

 Warthin腫瘍(WT)は、唾液腺原発の良性腫瘍で、腺上皮成分とリンパ組織成分の双方が増殖し、稀に嚢胞性変化を示す。
 濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)は胚中心の形成・維持、B細胞から形質細胞への分化誘導、helper T cell type 2 (Th2) 優位の液性免疫反応の維持に関与している。T-betはTfh細胞への分化を抑制することで、helper T cell type 1 (Th1) への分化を誘導し、細胞性免疫反応を亢進させることが知られている。この研究の目的は、ワルチン腫瘍におけるTfh細胞とTh1細胞における免疫反応とその関係性にっついて理解を深めることである。
 本研究では、WT (n=64)を、充実型(n=25)と嚢胞型(n=39)に分類した。更に、TfhのマーカーであるCXCR5とCD40L、Th1のマーカーであるT-betの免疫染色を施行し、統計学的に解析した。嚢胞型では、胚中心の面積の有意な萎縮(P=0.0019)、胚中心におけるTfh陽性リンパ球数の有意な低下(P<0.0001)、上皮内におけるT-bet陽性リンパ球数の有意な増加(P=0.0017)がみられた。WTでは、Tfhがリンパ濾胞の形成維持に関与していることが明らかとなり、嚢胞型では、Th2優位の液性免疫反応が抑制され、Th1優位の細胞性免疫反応によって、腫瘍組織が傷害されている可能性が考えられた。

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