記事のみ印刷する

【論文発表】総合内科 大井一高非常勤講師(岐阜大学精神科 准教授)らの短報"Shared Trans-ancestry Genetic Etiology between Panic Disorder and Anxiety Disorders"がPsychiatry and Clinical Neurosciences誌に掲載されました

 不安症の1つであるパニック症は、家族集積性を認め、遺伝率30‐40%の多因子遺伝を示す精神疾患である。我々は、これまでに、ポリジェニックリスクスコア (PRS)解析を用いて、欧米人不安症 [Anxiety NeuroGenetics STudy (ANGST)、iPSYCH; n<25,000]と日本人パニック症間における遺伝的要因の共通性を検討し、iPSYCHの欧米人不安症と     関連するPRSが、日本人健常者よりもパニック症で高値であることを示した (R2=0.0035)。最近、UK Biobank (UKBB; n=83,566)は、さらに大規模な欧米人を対象とした不安症の大規模全ゲノム関連解析 (GWAS)や、ANGST、iPSYCH、UKBBのメタ解析 (META)を報告している。
 本研究では、東京大学、三重大学、岐阜大学、金沢医科大学らとの多施設共同研究にて、日本人パニック症と欧米人不安症 (UKBB、META)間の民族差異を超えた遺伝要因の共通性を、PRS解析にて検討した。欧米人における不安症の大規模GWASデータ (UKBB、META)を、PRSを算出するためのDiscoveryサンプルとして利用した。また、これらのGWASに基づくPRSを、日本人パニック症患者718例および健常者1,717例をTargetサンプルとして算出した。UKBBの欧米人不安症に起因するPRSは、日本人の健常者よりもパニック症で高かった (R2=0.0078)。さらに、METAの欧米人不安症に起因するPRSも、日本人の健常者よりもパニック症で高かった (R2=0.0062)。
 本研究結果より、Targetサンプルの表現型を予測するためには、より大規模なDiscovery GWASに基づくPRSを用いることで、予測精度が向上することを示した。さらに、欧米人不安症と日本人パニック症間に民族間差異を超えた遺伝的要因の共通性があることを示唆している。

詳細はこちら
新着一覧へ