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【論文発表】川口治彦・社会人大学院生 (再生医療学:下平滋隆教授)の研究がVaccines (Basel)誌に掲載されました。

論文名
 “Quality Verification with a Cluster−Controlled Manufacturing System to Generate Monocyte−Derived Dendritic Cells”
 
 背景:樹状細胞(DC)は、病原性抗原および自己腫瘍抗原に対する免疫応答において中心的な役割を果たす抗原提示細胞である。腫瘍抗原特異的な免疫応答を誘導するDCワクチンは、様々ながん種を対象として臨床試験や臨床研究に適用されているが、個別に製造されるDCの品質が不均一であることは課題であった。クラスター形成を制御する培養法と低付着性ディッシュを用いた培養法と比較しすることにより、DCの品質と製造プロセスとの関連性を明らかにすることを目的とした。
 対象と方法:クラスター制御を可能にするスフェロイド形成用細胞培養容器(スフェロイド形成ディッシュ)を用いて、クラスター制御IL-4-DCの表現型、生存率、細胞傷害性T細胞(CTL)誘導能、サイトカイン分泌、遺伝子発現に及ぼす影響を検証した。
 結果: DC成熟時にクラスター形成を制御することにより、均一なサイズのクラスターおよび生理食塩水下での高いDC生細胞率の推移を確認した。表面マーカー解析よりT細胞を活性化させる共刺激分子であるCD80, CD83, CD86, CD40及びリンパ節への遊走に関わるCCR7の発現上昇が認め、成熟DCからのIFN-γの産生増加がみられた。DNAマイクロアレイ解析では、抗アポトーシス遺伝子であるBCL2A1遺伝子の発現が上昇しており、リアルタイムPCR法においてもBCL2A1の有意な発現上昇を認めた。CD80,CD83,CD86の発現が上昇した検体では、クラスター制御したDCはCTL誘導能の上昇する傾向が示唆された。
 結論: クラスター制御DC培養法は、従来の低接着培養法に比較し、DCの機能性の維持と免疫獲得性の向上に寄与することを明らかにした。スフェロイド形成ディッシュを用いたIL-4-DC製造プロトコールは有用であると考えられる。

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