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【論文発表】臨床病理学 韓 佳 研究員の東京海洋大学や東京工科大学間による共同研究原著論文「Zonarol Protected Liver from Methionine- and Choline-deficient Diet-induced Nonalcoholic Fatty Liver Disease in a Mouse Model」がNutrients誌に掲載されました。

「褐藻類由来のゾナロールはメタボリックシンドローム、特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を抑制し得る」
 ワカメ・コンブ等の褐藻類は、日本人には馴染み深い。しかし産業化されているものはごく一部にすぎない。本共同研究は、褐藻類シワヤハズ(鹿児島の南に位置する屋久島等で多く採取可能)が産生するテルペノイド(ゾナロール)の持つ顕著な抗炎症性の分子機序の一端を解明し、機能性食品の素材としての有用性を示すことを目的とする。
 山田らのグループは、以前から東京海洋大学大学院の小山先生、東京工科大学応用生物学部の佐藤先生と協力して、150種類ほどの藻類からの抽出物の抗炎症作用を比較し、活性体がアミジグサ科シワヤハズ由来のゾナロールであり、ゾナロールが抗酸化ストレス因子の中でも、細胞内レドックスのマスター調節因子nuclear factor-like 2 (Nrf2)を活性化することを見出している。さらに産業医科大学時代、in vivoでゾナロールがマウスモデル潰瘍性大腸炎を顕著に抑制することをも報告した。
 私たちは今回、ゾナロールの生体内での機能性をより広く深く証明するため、NASHマウスモデルを用いた。本研究成果により、ゾナロールを含有するシワヤハズ抽出物にも生活習慣病を有意に抑制する基礎データの蓄積とその作用が確認された。近年、食の欧米化により日本人のメタボリックシンドロームへの関心は高まるばかりである。肝臓への「脂肪沈着・炎症」を主な病理所見とするNASHは罹患率が徐々に高まってきており、この病態を放置すると重大な疾患(脳梗塞・糖尿病等)に移行する可能性が高い。従って「脂肪沈着・炎症」を抑制する薬剤(特に食材由来の天然分子)の開発が望まれている。今後シワヤハズを原料とした機能性食品としての実用化にむけた発信を行って参らねばならない。

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