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【論文発表】生化学II 池田 崇之 准教授、吉竹 佳の 博士らの論文"EPAC2 acts as a negative regulator in Matrigel-driven tubulogenesis of human microvascular endothelial cells"がScientific Reports誌に掲載されました。

 血管は全身に酸素や栄養を供給する必須の器官である。既存の血管から新たな血管を構築する「血管新生」は、発生段階や創傷治癒など生理的役割のみならず、腫瘍の成長、転移や糖尿病性網膜症など病理的にも重要な役割を果たしている。しかしながら、血管新生がどのように制御されているか、特に血管新生がどのように正常に停止されるのかについて、その分子機構はまだ不明な点が多い。我々は、in vivoでの血管新生を模倣しているin vitro tube formation assayを用いて、血管新生を制御する新規分子EPAC2を同定した。EPAC2は、tube formationが進むにつれて発現が上昇し、tube formationが完了するタイミングで発現がピークに達することが明らかとなった。血管内皮細胞でEPAC2を過剰発現させると、tube formationが抑制されることが示された。また、血管内皮細胞でEPAC2をノックダウンすると、過剰発現とは逆に、tube formationが促進されていることが示された。さらに、EPAC2過剰発現細胞では細胞遊走能が減少しているのに対して、EPAC2ノックダウン細胞では細胞遊走能が亢進していることが明らかとなった。以上の結果から、EPAC2は細胞遊走能を抑制することにより血管新生を負に制御することが明らかになった。本論文は、EPAC2が過剰な血管新生を抑え適切な密度の血管網を形成するための制御因子として機能していることを始めて示し、血管新生の正常な停止機構に関する新たな知見を与えるものである。

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