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【論文(症例報告)】眼科学 生駒 透 医師らの論文「Acute cataract by a high ‑intensity focused ultrasound procedure: a case report」がBMC Ophthalmology 誌に掲載されました。

 高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound: HIFU)は超音波を利用し深部組織を破壊することで効果を得る治療法であり、近年、前立腺がん治療法や眼科領域では緑内障の代替療法としても研究が進んでいる。一方、HIFUは美容治療としても使用され、眼瞼周囲の弛緩や皺を超音波照射により治す「切らない治療」として注目されている。施術時にはアイシールド等の眼球保護が必要とされているが、今回、上眼瞼にHIFUを施行した後に急速に進行した白内障例を経験したので報告した。
 
 患者は近視以外に既往歴のない47歳女性で両上眼瞼の皮膚弛緩に対しアイシールド等の眼球保護がない状態でHIFUを施行した。その後より左眼の見づらさを自覚し当院外来を受診。受診時の視力は右眼0.08(1.0×-3.5D=cyl-0.5DAx20°)、左眼0.02(矯正不能)であり、左眼の水晶体内に滴状・円錐状の混濁と後嚢下全体に拡がる混濁を認めた。1か月経過を見ていたが視力に改善がないため左水晶体再建術を施行。手術は合併症なく終了し左眼の視力は0.2(1.5×-2.0D)に改善した。
 
 現在HIFUはエステサロンにおいてセルフサービスでも利用することができ、家庭用美容機器としても販売されており、今後今回のケースと同様の合併症をきたす症例が出ることは十分に考えられる。眼瞼周囲へのHIFU施行により引き起こされる眼球損傷の危険性と、HIFU施行時のアイシールド装着の徹底を広く周知していく必要がある。

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