教育・研究指導
共通科目 生命倫理学(1単位:昼間開講)
科目責任者 | 本田康二郎教授 |
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講義者 | 細見 博志 金沢大学 名誉教授 |
開講期 | 後 期 (昼 間) |
授業場所 | 基礎研究棟3階 大学院セミナー室 |
科目番号 | 504020 |
学習目標
1.一般教育目標(GIO)
伝統的な医の倫理と対比して,1970年代に米国で展開した生命倫理学にはいかなる歴史と特質があるかを学ぶ。米国の生命倫理学の三(四)原則の中心は患者の「自律」(自己決定)であり,その重要性とともに,それを社会的「正義」で補足する必要性をも学ぶ。さらに欧州のバルセロナ宣言における人間の「脆弱性」が,患者中心医療にとって重要であることを学ぶ。
2.行動目標(SBO)
医療と倫理の関連に対する理解から,学習者は医療における実際の倫理的問題に対して感性を鋭敏にすると共に,その問題に取り組む論理的な過程を学ぶことができる。
3.行動目標と学位授与方針(DP)の関係
DP1・2・3・4 学位授与方針は こちら
評価方法等
- 評価方法:学期途中の小レポートと学期末の大レポートによる。
- 評価配分:小レポート50%, 大レポート50%
- 成績評価基準:こちら
教科書
教科書は特に定めず,事前に資料を配布する。
準備学習(60分/1回の講義あたり)
医療における重要な宣言書を学習しておくことが必要である。
具体的な例を挙げれば,ニュルンベルク綱領,ジュネーブ宣言,ヘルシンキ宣言,リスボン宣言等。
課題に対するフィードバック
レポート等の課題を提出させた場合は、内容のチェック・添削を行い、本人へフィードバックして理解度のアップをめざす。
授業時間割・講義内容
№ | 講義日 | 講義時間 | 講義内容(テーマ) |
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1 |
2024年10月 2日(水) |
9:00〜10:30 | (生命倫理との対比における)医の倫理:ヒポクラテスの誓いとジュネーブ宣言(1948) |
2 |
2024年10月 2日(水) | 10:40〜12:10 | 医の倫理から生命倫理へ:両者の対比とリスボン宣言(1981),医師中心医療と患者中心医療 |
3 |
2024年10月 9日(水) | 9:00〜10:30 | 生命倫理成立過程(1)研究倫理におけるインフォームド・コンセント:ニュルンベルク綱領(1947)とヘルシンキ宣言(1964) |
4 |
2024年10月 9日(水) | 10:40〜12:10 | 生命倫理成立過程(2)研究倫理におけるインフォームド・コンセント:タスキーギ梅毒研究実験(1972) |
5 |
2024年10月16日(水) | 9:00〜10:30 | 生命倫理成立過程(3)臨床倫理における研究倫理における患者自己決定の成立過程:クインラン裁判(1975/76) |
6 |
2024年10月16日(水) | 10:40〜12:10 | 生命倫理成立過程(4)「神の委員会」(1962)と社会的正義の原則:生命倫理の三(四)原則 |
7 |
2024年10月23日(水) | 9:00〜10:30 | 米国とEU(バルセロナ宣言1998)の生命倫理:米国における「自律」とEUにおける「脆弱性」の強調 |
8 |
2024年10月23日(水) | 10:40〜12:10 | 生命倫理成立過程のケース・スタディ:ダックスのケース(1973,ビデオ) |
履修上の注意
- 本科目は,医学研究科において必修の共通科目となります。1,2,3年次のいずれか年次において必ず履修してください。
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質問は,各講義の終了時にて随時受け付けます。
- 特別な配慮を必要とする場合は,事前に担当教員に相談してください。
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履修科目届にて履修希望を届け出し,履修の際は,共通科目履修報告書を持参し、担当教員の出席承認印を受けること。
- 履修報告を行うことにより,修了要件の単位として認定されます。
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履修報告の際には,「授業方法改善のためのアンケート」を提出すること。