学部・大学院・研究所 大学院医学研究科

研究をしている女性

次世代北信がんプロ

超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成(第3期:2017-2021年度)

背景

がんは、我が国の死因第一位の疾患であり、生涯のうちに約2人に1人が、がんにかかると推計されているなど、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっており、新たながん対策が求められています。
「今後のがん対策の方向性について」(平成27年6月)や、「がん対策加速化プラン」(平成27年12月)などにおいては、ゲノム医療の実用化に向けた取組の加速化、小児がん及び希少がん対策、AYA(Adolescent and Young Adult:思春期および若年成人(15歳〜39歳))世代や高齢者等のライフステージに応じたがん対策のほか、緩和ケアに関する教育の推進等が、新たなニーズとして求められています。
そのため、本事業は、大学間の連携による「がん医療人材養成拠点」において、各大学の特色を生かした教育プログラムを構築し、がん医療の新たなニーズに対応できる優れた「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」を養成することで、我が国におけるがん医療の一層の推進を目的として実施します。(公募要領より抜粋)

超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成(北信がんプロ)

北陸・信州(以下、「北信」という。)地域は大学での高い基礎研究力、大学附属病院の高い臨床研究力や国内・国際連携力、信州大学での遺伝カウンセラー養成等先進的特徴があります。また、全国と比較し、15年以上進んだ超少子高齢化状態にあり、将来の日本を反映したモデル地域でもあります。

本事業では、2007~2016年度の北陸がんプロ(金沢大学、富山大学、福井大学、金沢医科大学、石川県立看護大学)の実績を踏まえ、先駆的ゲノム医療を実施し、1995年に全国初の遺伝子診療部を設立した信州大を加えた国公私立の6大学(北信がんプロ)の強みを生かし相互保安的教育の実施、症例数が少ないがんでも効率よく学習できる遠隔教育・研修システムの確立、北信全体の症例・がん医療のデータベース化による医療実態の把握に取り組み、県の枠を超えた戦略的がん医療人育成システム構築を目指します。

2018年度より、山梨大学オブザーバー参加

  1. 北信地域における多様な新ニーズに対応できる知識を相互補完的に習得
    北信6大学の強みを生かした相互補完的教育プログラムを19コース新設(本科10コース、インテンシブ9コース)し、大学の枠を超えて履修できる共通選択科目や単位互換を導入します。
  2. 北信地域での遠隔教育システム構築・活用
    TV会議システムを活用した従来の北陸がんプロキャンサーボードを充実・発展させ、北信地域での遠隔教育システムの構築・活用に取組みます。6大学やがん診療連携拠点病院の専攻生や教員、医療スタッフ等の多職種が一堂に会する北信オンコロジーセミナー(病態や治療中心)やライフステージ事例検討会(患者ケア・支援中心)を定期開催します。これにより北信地域全体の多職種が、最先端のゲノム医療、小児・AYA世代・高齢者がんや希少がん、ライフステージに応じたがん医療の研究、診断、治療、緩和ケア、就労支援等を効率的に学習することができます。
    また、全国E‐learningクラウドに参画し、特色ある教材を提供します。
  3. 障がい者がん症例、妊孕性保存症例など特色ある症例を対象とした独自の北信地域がんデータベースを構築
    北信地域のがん診療連携拠点病院の院内がん登録データを活用し、希少がん症例、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬使用症例、高齢者がん症例、障がい者がん症例など特色ある症例を対象とした独自の北信地域がんデータベースを新たに構築します。臨床研究(高額な薬剤の有効利用法の探索を含む)成果の国内・国際学会発表や英語論文発表を推進することで、専攻生や教育スタッフの意欲を高め、本事業の求心力を保ち、データベースの情報や論文等の成果を北信がんプロの教育コースへも還元します。研究成果を継続的に社会に発信・還元することで、将来のがん対策の一環として地域住民へ「がん教育(がんの理解)・予防・検診受診・早期発見・早期治療・早期社会復帰」に対する啓蒙を行います。
  4. 海外FDの実施
    スタッフ研修として海外のがん診療・研究機関に教員・医療従事者が視察訪問し、研修を受けた者がTV会議システムを活用した北信地域でのFD講習会で参加者による成果発表(成果共有・還元)を行うことにより、多職種のスキルアップを図り、多施設・多職種連携を一層推進するチーム医療教育を行います。
  5. 人材交流を目的としたセミナーやシンポジウムを開催
    他のがんプロ拠点と合同シンポジウムを開催し、連携を深め、本事業の普及を図る他、他の文科省人材養成プログラムとも合同シンポジウム等で交流し相互の事業内容の改善を図ります。
  6. 市民啓発、教育を目的とした取り組みを行います
    6大学合同市民公開講座開催で予防・検診受診による早期発見・早期治療・早期社会復帰の概念を市民に啓蒙・普及させます。北陸信州4県の患者会とは運営協議会や市民公開講座を通じて意見を広く取り入れ、患者目線の医療立案に役立てます。

 これらの活動により、県の枠を超えた患者中心のチーム医療を行う超少子高齢化地域で活躍できる先進的がん医療人を輩出し、将来の日本の超少子高齢化社会におけるがん医療人材育成モデルを確立することが北信がんプロの目的です。

達成目標・実施体制・評価体制・連携体制

達成目標

  • 本科(大学院生)コース 10、インテンシブコース 9、計19コースを開設し、本事業全体として、355名の医師、薬剤師、看護師、遺伝カウンセラー等を輩出し、北信地域における超少子高齢化社会に対応した地域医療従事者の輩出および北信地域医療へ貢献します。
  • 独自の北信地域がんデータベースにより、高額な薬剤の有効活用の探索を含む臨床研究成果を北信がんプロの教育コースへも還元します。
  • 研究成果を継続的に社会に発信・還元することで、将来のがん対策の一環として、地域住民へ「がん教育(がんの理解)・予防・健康診断・早期発見・早期治療・早期社会復帰」に対する啓蒙を行います。
  • 多施設・多職種連携を推進し、効率的な学習によるチーム医療教育を行うことでスタッフの活性化、レベルアップを図ります。
  • 現状の北信地域、ひいては将来の日本の超少子高齢化社会において、ゲノム医療や多職種による就労支援及び切れ目ない緩和ケアを実践し、活躍できる先進的がん医療人を輩出します。

連携体制

6大学の学長が各施設においてガバナンスを発揮して事業を推進します。
全学長が集まる学長連絡協議会において事業の進捗を管理、6大学・地域医療機関・医師会・自治体・患者会等による運営協議会(年1回開催)において実際の意思決定及び運営を行います。
さらに、6大学による総務委員会(ステアリングコミッティー)、教務委員会、がんデータベース委員会(がんデータベースの個人情報管理状況、倫理審査状況も掌握)、広報委員会、企画委員会等が実務を担当します。
金沢大学の統括コーディネーターを中心とし、信州大学・富山大学・福井大学・金沢医科大学・石川県立看護大学のコーディネーターが6大学の連携強化・調整を行います。

文部科学省の補助期間は、2022年3月31日で終了しました。2022年4月1日以降は、北陸医科系4大学、関連医療機関、自治体等が連携して当事業の実施を継続しています。