2024/08/19
論文
本学看護学部 北村 佳子、看護部 成瀬 生萌、矢﨑 未来、前川 幸江らの論文「Effect of the 2024 Noto Peninsula earthquake on outpatient chemotherapy among cancer survivors in Japan: a retrospective study(令和6年能登半島地震が金沢医科大学病院で外来化学療法を受けるがんサバイバーの受診への影響)」がBMC cancerに掲載されました。
この研究の目的は、令和6年能登半島地震が金沢医科大学病院で外来化学療法を受けるがんサバイバーの受診への影響を明らかにすることである。
私たちは、2024年1月4日から31日までの電子カルテから後ろ向きなデータを収集し、286人の対象者のデータを分析した。
対象者286人のうち、95.1%が最初の診察日に受診できた。地震のために受診できなかった12人(4.2%)のうち、7人(58.3%)が予約日を変更していた。また、8人(2.8%)は、最初の診察日に受診できたが、1月に予定されていた2回目の診察日には受診できなかった。 53 名 (18.5%)は、主に好中球減少症、病気の進行などで化学療法は実施されなかった。避難状況について、 25 人 (8.7%)の記載があり、そのうち 8 人 (28.6%) は自宅に、7 人 (25.0%) は公共避難所に、4 人 (14.3%) は金沢医科大学病院近くのアパートに避難していた。災害状況に関する情報は 62 人 (21.7%) から入手でき、自宅損壊、断水、受診するために家族からの通院支援を頼るなどの状況が示された。
金沢医科大学病院で外来化学療法を受けているがんサバイバーのほとんどは、外来通院を継続することができていた。しかし、地震のために受診できなかった人もいた。がんサバイバーに対する災害の影響と受診できなかった潜在的な要因について、さらなる調査が必要である。
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