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2024/08/30 論文

本学病院 リハビリテーションセンター 内田 貴洋 理学療法士らの論文「Changes in rotator movement during early gait acquisition in after total hip arthroplasty」が Clinical Biomechanicsに掲載されました。

健常成人の歩行では,股関節の回旋など水平面上の動きが歩行における歩幅や重心移動に影響を与えるが,変形性股関節症では,これらの作用は見られず跛行を呈する.人工股関節全置換術の歩行においては,水平面の変化に関する報告は少ない.本研究では,人工股関節全置換術を受けた患者の術前および術後早期の水平面における歩行特性を明らかにすることを目的とした.解析対象は,後外側アプローチによる初回人工股関節全置換術を受けた女性12名とした.歩行の計測は3次元動作解析装置を用いて術前後に測定した.評価項目として関節可動域,筋力,歩行速度,歩幅,重心移動距離,体幹角度,股関節角度,股関節モーメントを術前後で比較した.結果として,股関節の最大外転モーメントと体幹の手術側への側屈角度は健常成人の正常歩行と比べ低かった.また歩行時の股関節内旋角度は術後で有意に高かった.左右方向の重心移動距離は術後有意に減少した.関節モーメントにおいては全ての項目で有意差を認めなかった.これらのことより,術前より跛行を認めており,術後も残存していることが明らかとなった.人工股関節全置換術後の歩行は,股関節が内旋することにより正常歩行に近づくことが示唆された.また,股関節外旋筋群は股関節を安定させる作用があるが,人工股関節全置換術の後外側アプローチによる侵襲が,歩行時の股関節外旋筋群の筋力を低下させ跛行を呈したと考えられた.その結果,歩行時の股関節内旋および外旋モーメントは有意差を認めなかったと考えられる.結論として,股関節外旋筋群の筋力低下が歩行障害の原因になり得ることが示唆された.

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