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2025/01/16 論文

臨床病理学教室 大学院生の 劉 堯 先生の論文「The immunohistochemical combination of low SGLT2 expression and high PRDX4 expression independently predicts shortened survival in patients undergoing surgical resection for hepatoblastoma」がDiagnostic Pathology誌に掲載されました

免疫組織化学的な、SGLT2(ナトリウム・グルコース共役輸送体2)低発現とPRDX4(ペルオキシレドキシン4)高発現を組み合わせることによって、肝芽腫術後患者の予後不良を予測し得る

背景:肝芽腫(HB)は小児に最も一般的な肝臓悪性固形腫瘍であり、予後不良致命的疾患である。したがって、HBの予後を早期に予測できる指標が必要である。ナトリウム・グルコース共役輸送体2(SGLT2)は、近位腎尿細管に存在するグルコース輸送タンパク質であり、SGLT2は腫瘍の進展密接に関連しており、さまざまな腫瘍で高発現している一方、ペルオキシレドキシン4(PRDX4)は、分泌特徴を持つユニークな抗酸化酵素であり、細胞質にある小胞体に位置している我々からも含めた最近の報告により各種癌の発症・予後と有意に関連性がある。そこで我々は悪性新生物における、グルコース代謝と酸化ストレスとを結ぶシグナル経路の存在を推察し、SGLT2とPRDX4間の有意な関与を仮説した。

方法:本研究では、75人のHB患者の臨床データと術後パラフィン標本を収集し、ヘマトキシリン・エオジン染色、およびSGLT2PRDX4の免疫組織化学染色を用いて、それらの発現パターンと臨床病理学的特徴および予後との関連性を分析した。

結果:SGLT2の発現もしくはPRDX4の発現は、各々HB患者の生存期間有意に短縮し、臨床表現形も悪くなることが判明した。さらに、SGLT2低発現とPRDX4高発現が組み合わされるとEFS(イベント生存率OS(全生存率)とも有意に短縮した。単変量および多変量Cox比例ハザード解析により、HBにおけるSGLT2発現PRDX4発現の組み合わせは後生存率の独立予後因子であること示された。

結論:免疫組織化学的な低 SGLT2 と高 PRDX4 発現組み合わせることが、HB 患者の独立した予後不良因子マーカーの一つとなり得る今後、分子生物学的なシグナル解析を計画したい。

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