気管支喘息(ぜんそく) ②治療

                                     呼吸器内科 

 

※「気管支喘息①診断」と併せてご覧ください。

 

1.   気管支喘息の治療の考え方

気管支喘息はとても身近でありふれた病気です。中には多少の咳や息苦しさがあってもそれほど困っていない、病院に通う時間が無い、面倒などの理由で、大変な発作を起こした時にしか受診しない患者さんも多くいます。ではどのように喘息治療を考えれば良いのか、解説していきましょう。

喘息では、空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を起こしています。初期の喘息では、この炎症は自然に治まっていくこともありますが、炎症を繰り返した気管支は壁が分厚いままになり、元に戻らなくなっていきます。これを気管支の「リモデリング」といい、リモデリングが進むと次第に治りにくい難治性喘息へと進行してしまうのです。

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しかし、喘息は早期に適切な治療を開始し継続することで、症状をコントロールし、呼吸機能を維持することができます。一方で、治療の遅れは呼吸機能に大きなダメージをもたらすことがあります。

では、気管支の炎症を抑えて、リモデリングを予防するためにはどうしたら良いのでしょうか?喘息の治療では、発作時に気管支拡張薬が使用されますが、狭くなった気管支を広げることだけでは不十分で、背景の炎症を抑える「抗炎症療法」が最も大切です。たとえ症状がなくても気管支の炎症が水面下で続いており、抗炎症療法を継続することがリモデリングの進行を予防するうえで最も重要です。その抗炎症療法の中心となるのが吸入ステロイド薬です。吸入療法を正しく理解することで、安全にかつ効果的に治療を進めることができます。ステロイドと聞くと、怖い薬というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、吸入ステロイドは薬剤を吸い込むことで直接肺に届けるため、全身に与える影響は非常に少なく、効果の面で優れている安心な薬と言えるでしょう。吸入ステロイドの副作用には、声枯れを起こしやすいこと、口の中にカンジダというカビの一種が生えやすくなることがありますが、うがいを行うことで副作用の予防が可能です。

 

2.気管支喘息の薬物療法

喘息の治療薬は大きく分けて、長期管理薬(コントローラー)と発作治療薬(レリーバー)の2種類があります。

コントローラーとは症状の有無に関わらず毎日あるいは定期的に使用する薬剤の総称です。苦しい症状が出ないように予防しておく意味合いと、気管支のリモデリングを予防する意味合いがあります。


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レリーバーとは喘息の発作が起きて、息苦しさや咳などが出現した時に使用する薬で、使用後速やかに効果がみられるのに対して、コントローラーは使用しても即効性に乏しいものが多く、使用後速やかな効果を自覚できないことが多いです。そのためコントローラーの使用がおろそかになり、レリーバーを多用し、その場しのぎの喘息治療になってしまう事態がしばしば起きてしまうのです。

つまり、コントローラーを普段から使用して気道の炎症が起こらない状態を維持し、気管支のリモデリングを進行させないことこそが、喘息の大きな治療目標となります。

また、近年では喘息の病態解析が進み、高容量の吸入ステロイド薬や、その他の長期管理薬を使用してもコントロールが困難な難治性喘息患者さんに対して、ある特定の分子をターゲットとした抗IgE抗体や抗IL-5抗体などの分子標的薬を使用することができるようになっています。ただし、これら分子標的薬は高額薬剤であり、適応についても条件があるので医師に相談してください。

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