内視鏡センター
概要
当院では平成4年に内視鏡センターを設立し、最新の電子内視鏡システム・超音波内視鏡検査を整備し、非侵襲的で高度先進的な機器にて内視鏡的診断・治療を提供しております。センターの医師は消化器内視鏡科、消化器内科、肝胆膵内科、一般・消化器外科、呼吸器内科、呼吸器外科、頭頸部・甲状腺外科、小児外科の各診療科から構成され、各診療科が連携を取りながら、上部・下部消化管、および肝・胆・膵、ならびに呼吸器(気管支)の病気の原因の解明、及びその治療を行っております。またセンターでの検査情報は電子カルテシステムと連携し、各診療科が共有し患者さんの診療に役立ております。
業務内容
- 上部消化管(口腔、喉、食道、胃、および十二指腸)、ならびに下部消化管(小腸、大腸、および肛門)の他に、肝臓、胆管・胆のう、膵臓のがん疾患を含む腫瘍や各臓器に特異な病気について内視鏡的に診断し、必要であれば内視鏡的治療を行っております。具体的には上部・下部消化管の早期癌の内視鏡的切除術、胆管結石除去術、あるいは癌により閉塞した消化管や胆管の管腔確保のためのステント留置術など、高度な先進的医療を提供しております。
- 現在の医療では早期であれば癌は根治できます。これを可能にするには早期発見が唯一の方法であり、癌検診を積極的に受けることをお勧めします。当センターでは内視鏡科が当院健康管理センターと連携し、上部および下部消化管の内視鏡検診を行い、早期癌の発見に力を注いでおります。同時に検診時には、ご希望があれば胃癌の発生に関連しているとも言われているヘリコバクター・ピロリ菌の存在診断も行っており、陽性の方には必要に応じて除菌療法をお勧めしております。
特徴・特色
当院では平成19年4月1日に当病院の30番目の臨床科として消化器内視鏡科が新設され、当センターでの中核的な役割を担い診療活動を行っております。同診療科の設置は北陸の大学病院では初めてであり、全国でも数大学病院にしかありません。同診療科は地域の内視鏡医療の中核として、早期消化管がん、ならびに他の消化器病の発見、治療に役立てることを目的として、消化器内視鏡の専門医らが高度な診断・治療を、他診療科との連携を取りながら行う専属の医療体制、すなわち内視鏡診断と治療に特化した医療チームを整えております。特に当センターでは上・下部消化管の早期癌の内視鏡的切除術に積極的に取り組んでおり、確実にその成果をあげるとともに、最新の医療機器を導入し、さらに高度な内視鏡技術の提供に努力しております。また当センターでは関連各診療科に加え、組織を顕微鏡的に診断する病理診断科とともに合同カンファランスを行い、多角的な視野の基で患者さんにベストな治療を提供しております。他にも、消化管以外の合併疾患で、他診療科へ受診されておられる患者さんの消化器疾患についても、該当診療科と常に連携し、適切な内視鏡診断・治療が受けられるような協調体制で医療を行っております。
ESD(粘膜下層剥離術)は胃のみでなく、食道、大腸にも対応しています。早期大腸癌のESDは平成24年より保険収載されましたが、現状では施設基準が厳しく特定の医療機関でしか行うことができません。消化器内視鏡科では、平成22年10月より先進医療として厚生労働省から承諾を受け、早期大腸癌のESDを行っています。
理念
患者さんとご家族のお気持ちを尊重しながら、最新の高度先進内視鏡技術で、迅速かつ正確な診断と、より効果的で確実な治療を実践します。
基本方針
- 患者さんにとって心・身ともにやさしい心のこもった、安心・安全で質の高い医療の提供を推進します。
- 常に医療技術の向上と研究を重ね、がん高度先進医療技術推進病院として、患者さんに最先端の内視鏡医療を提供するように努力します。
- 地域の関係医療機関と協力しながら、地域中核病院として地域の医療に貢献し、同時にがん診療連携拠点病院としての役割を果たします。
- 内視鏡検査の担い手となる専門医師およびスタッフの更なる研鑽と新たな人材育成に努力し、質の高い内視鏡診断と治療に特化した医療チームの充実を推進します。
目標
- 目覚ましい進歩を遂げている内視鏡技術に更なる創意・工夫を行う。
- 外科系および内科系の各領域とのコラボレーションにより、当センターならではのオンリーワンの先進的な内視鏡技術の確立と、それを行うチームの中枢センターとなるべく努力する。
- 教育面では幅広く積極的に最新の技術の習得に熱心であり、かつ患者さんの気持ちを察し、それに対処できる内視鏡医を育てる。